2007-03-02 (Fri)
☆ 長野行き
機器メーカーでの検品のために諏訪へ。ふにふに試験とか打ち合わせとか…職人魂ここにあり。くぅっ。
小学校の時から精密機械工業が盛んと教わってきたが、自分がこうして直接そのお世話になる日が来ようとはなぁ。
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諏訪湖にはぜんぜん氷がなかった。
子供の頃に何度か訪れた記憶では、この時期は街も湖も凍結していたはず。しかし街には雪氷の片鱗も見られない。雪は遙か山の上、それも人工雪のスキー場が目立つような状態。
記憶と全く整合しない。…冗談抜きで怖い。
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既にパネルを載せてる家々が多くて驚く。全国平均より遙かに多いぞこれ。なんだかんだいってもやはり政策重要だな…。既に海外の風力発電などで実証されているんだがな。
2007-03-04 (Sun)
☆ おでかけ
お世話になった人の家を訪問。いろいろ積もる話とか。お孫さんと遊んだりとか。くぅ。
あっという間に数時間過ぎておいとま。しかしあとから考えると他にもっと話すべきことがあったのにと激しく後悔。どうもこういう時の話題選択が下手くそでいけない。精進せねば。
2007-03-08 (Thu)
☆ パブコメ
・総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会RPS法小委員会報告書(案)に対する意見募集に応じて、下記のような青臭い意見を送ってみた。
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RPS法はこれまで太陽光発電や風力発電の普及に貢献してきました。しかし、その効力にも限界が見られます。欧州などでは「固定価格制」が最も有効とされており、既に欧州の主要国はその殆どが固定価格制に移行しております。
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固定価格制(Feed-in model)には、他の方式(固定枠制や入札制)に対し、下記のようなメリットが確認されています。
・太陽光や風力で発電する事業者の参入リスクが低くなる(文献[1])
・機器製造事業者間での競争を強め、価格性能比が高い発電機器の開発を促進する(文献[2])
・固定枠制では(設備コストの低減が進まないために)条件の良い限られた場所しか開発されないが、固定価格制では条件が多少劣る場所も活用されるようになる。(文献[2])
・発電電力当たりのコストが実質的に低くなる(文献[2])。
・固定価格制では、導入量を市場原理を用いて急速に伸ばす一方で、導入にかかる費用も制御することが常に可能(文献[1])。固定価格制で先行するドイツでも、導入量を急速に伸ばしつつ導入費用を許容範囲に収められる見通しがついている(文献[3])。
・イギリスやドイツなどでの導入量の実績からも、固定価格制の優位は明らか(文献[2])。
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以上より、一国民、およびこの分野に携わる一人の研究者として、日本も早急に固定価格制に移行すべきと考えます。
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この意見を、少しでも審議の役に立てて頂ければ幸いです。
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出典(参考資料):
[1] INFLUENCE OF GOVERNMENT POLICY ON THE PROMOTION OF WIND POWER
[2] Comparison of Feed in Tariff, Quota and Auction Mechanisms to Support Wind Power Development
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気付くのが遅れたので、この日記を書いている時点では締め切りが過ぎている。申し訳ない。
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とりあえずバテた。こんなん、俺の本業では無いはずなんやけどなぁ。
☆ ひきはじめが肝心
なんか花粉症ひどいなーとか思ってたら激しい頭痛と吐き気と咳。ぎゃふん風邪ひいてるやん。
ということで今日は久々に家で寝ることに(ぉぃぉぃ)。
ヨーグルトとかチーズとかしこたま食って、速攻で就寝。ぐぅ。
2007-03-09 (Fri)
☆ 病み上がり
朝はぎりぎりまで寝坊。まだ頭痛は残ってるけど熱は下がったな。額に「熱さまシート」貼って出撃。
午前中はヘロヘロやったけど午後には回復。うし。
やたら腹が減っていつもより多めに食ったり。
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まぁ、大した風邪じゃなくて良かった。
学生時代はインフルエンザで39度出しても一晩で治したことあったけど、さすがに今はそういう訳にいかんだろーな。注意せんと。
2007-03-11 (Sun)
☆ 回復
どうも風邪ぶり返し気味なので、おとなしく寝て過ごす。思ったより体力食われたんだな。
しかし暇なので本読んだり、PSPでうにうに遊んだり。
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モンハン2をちょろっとやってみたけど、良くできてる。とても全部やりこむ時間はなさそうだけど。
アトリエシリーズと共通する点も多いが、大枠のストーリーが無いので、小説を楽しむような感覚は薄い。むしろ「狩猟生活」の絵画を描き込んでいく感じで、これはこれで独特の味がある。
2007-03-23 (Fri)
☆ posttdiary-ex.rb
久々にupdate。なんか一部の携帯がMultipart/Relatedでメール吐くそうなのでそっちも対応。
☆ 中休み?
今シーズンはしょっぱなから凄い量が飛んでたと思ったら、ここ10日ぐらいは花粉症の症状がちょっとしか出ない。…杉とヒノキの谷間なのか?謎やなぁ。
2007-03-24 (Sat)
☆ Folding@Home
PS3のファームがアップされたので入れてみた。…おー、なんかすげーでっかい分子がわさわさ変形してる。この変形可能なパターンを調べ上げているわけか。面白い。というか、如何にも処理の重そうなことを平然とやってのけている印象。
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しかしこれを実行していると、本体内部からかすかに虫の鳴くような高い周波数の音がする。何か3つぐらい、小型の部品が共鳴しているような。まぁ普通のPCでも良くある話だが、その状態が長時間続くだけに、好ましくはないな。
たぶんFolding@Homeによる負荷が、たまたま電源のどこかのコイルあたりを共振させているのかな。ソニーは内部回路を見直した方が良いのでは。
2007-03-25 (Sun)
☆ デマのお掃除
一昨日槌田氏を取り上げたついでに、もうひとつ片付けておこう。太陽光発電に関するデマの出所と思われるページだ。
ここの下のこのあたりのページに、近藤邦明なる人物による、下記のような記述がある。
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1)「太陽光発電は、エネルギーを生産するのではなく消費するシステムである」(=エネルギー収支がマイナス)
2)自然エネルギーによる発電の出力変動は、致命的な欠陥である。
3)「太陽光発電システムを運用するためには、最低でも420(既設揚水発電所の10倍)以上の揚水発電所を新たに建設しなければならない」
結論から言うと、どれも間違いである。間違いの原因は、主に下記のような点に集約される。
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・基礎知識の欠如、もしくは意図的な無視:既に広く公開されている検討例やデータを引用せず、そのような検討が不可能でデータも存在しないかのように書いている。
・科学的検証の欠如:随所で仮定(想像)を交えながら議論しているが、その妥当性を科学的に検証していない。また、仮定に基づいた結論を、別の場所で「確実」なものとして引用している。
・無用な制限事項の設定:単一の発電方式だけで、国の全電力を賄うことを前提にしている。
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カンの良い方なら、この3点が念頭にあれば、近藤氏の議論の進め方がニセ科学のそれだとすぐに気付かれるだろう。
全文にくまなくツッコミを入れていたらそれだけで本が1冊書けてしまうだろうが、間違いを読み解く助けになるように幾つか要点を解説していこう。参考にして頂きたい。
とりあえず、まず1点目について書いておく。残りの項目についても、追ってフォローしていくことにしよう。
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(1)太陽光発電のエネルギー収支について
このページにおいて太陽光発電の生産に必要なエネルギーの見積もりが行われている。
発電量の見積もりが長々と書いてあるのだが、実際に投入エネルギー量やエネルギー収支の見積もりを行っているのはページの一番下のあたり、2-3-2のe.の項である。近藤氏は
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「新エネルギーを推進する側からの詳細なデータが無いために、積上げによるエネルギーコスト分析は不可能である。」
という理由付けを行ったあと、
・窯業など他の業種の
・生産価格に占めるエネルギー購入費用の比率の(H16年の)データから、
・そのうち最も高い比率を「とりあえず」2〜3倍して、
・その全てが石油由来だと仮定して
消費エネルギーを見積もろうとしている。結果、
「大規模な太陽光発電の発電単価は、70円/kWh程度と言われている。(中略)この場合の投入エネルギーの経済コストは、
70円/kWh × ( 0.15〜0.20 ) = 10.5〜14 円/kWh
石油火力発電の5.4円/kWhに比較して、2〜3倍程度の石油投入が必要になる。」
と結論付けている。
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論拠とされているのは、これだけである。なんのことは無い、実際に太陽電池にどのような材料がどれだけ使われているか、実際にどのような方法で生産されてどれだけエネルギーが必要か、全く考慮していないのである。
氏自身も「どこまでも推定値であり、異論があることも承知している」などと書いている一方、その妥当性を実データと突き合わせて検証した形跡は見られない。これだけでも根拠薄弱に過ぎ、ニセ科学の要件を充分に満たすが、さらに下記のような問題点も指摘できる。
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・エネルギーの消費量を直接調べず、わざわざコストという間接的な要素から見積もろうとしている。
当然だが、エネルギーの購入量と価格は完全には連動しない。利用するエネルギーの種類が特定されず、また大量に消費する業種では割引が考えられるなど、無視できない誤差要因になる。しかも太陽電池以外の製造業種から見積もるに至っては、何をか言わんや、である。
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・既に広く公開されていて学術的な裏付けがあって、第三者の検証も受けている手法や計算結果を引用していない。
本当に近藤氏の書いているような(いい加減な)手法しか見積もり手段が無ければ、話は別かも知れない。だが実際には、太陽光発電システムの生産に必要なエネルギーの見積もりは、原料の採掘・精錬・運搬や周辺のインバータ回路などの設備まで含めて、欧州・米国・日本などにおいてそれぞれ行われ、学術論文などとして昔から広く公開されていて、太陽電池が確かにエネルギー源になることを示している。例えば2000年の時点でこのようなまとめがされていて、出典と共に、30年の寿命に対して1〜3年程度でエネルギー的に元が取れると報告されている。このような調査結果は、論文データベースなどで検索すれば(最近ならgoogle scholarでもOKだ)元の文献が直接見つかるし、一般向けの書籍でも引用されている。文献には有料のものはあるが、基本的に誰でも入手できる。
それどころか5年も前から、日本の一般書店でも詳細な計算過程そのものの解説書が入手でき、使用する材料や製造プロセス、計算の手順が事細かに記されている(「太陽光発電工学」、2002年)。ちなみにこの本、著者は東京大学理事の山田興一教授、そして東京大学の総長・小宮山宏教授その人である。すなわち近藤邦明氏、なぜか日本の学術研究の最高峰にすら言及していないのである。
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こうしたデータに疑問があるから使えないというならば、その点を指摘した論文を権威ある国際学術誌に投稿し、広く検証を受けるべきである。近藤氏は”知らない”で済まそうとしているようだが、
・既存の研究結果を知らなかった→事前調査が足りない
・既存の研究結果を知っていた→自説の方が信頼できる理由を論理的に説明せねばならない
ということで、どちらにしても言及していない時点で失格である。
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ちなみに、そこで”私の学説は迫害されてるからどのみち掲載されないんだ!”などと言うのはニセ科学の手法である。今は学術誌同士が国境を越えて競争しており、外部機関による格付け(Impact Factor)までされる時代である。査読は複数の人間で為されるのが原則であり、たまたまどれかの学術誌の査読者が恣意的に掲載拒否を勧告したとしても、内容が正確で論理の通った論文ならば、他の査読者や数多ある学術誌によって掲載の機会が提供されるはずである。一部の権力者に牛耳られているんだとか、そのような時代錯誤な言い訳は通用しない。
そもそもこの近藤氏が指摘しなくても、本当に太陽光発電(や風力発電)が学術的に見ても環境保護に貢献しないと言うならば、それこそとっくにNatureやScienceなどに取り上げられているはずである。
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重ねて言う。この近藤邦明なる人物による太陽光発電の生産に要するエネルギー量の見積もり手法は致命的に不適切であり、学術的にみて間違いである。一言で言えば、ニセ科学である。
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より正確に言うならば、根拠が無くても想像するだけならば勝手だ。しかし、それを他所で「確実」な論拠として用いれば(実際に氏はそれをやっているのだが)、嘘をついていることになる。
☆ ちなみに
・欧州での最新の見積もり結果がここにある。←リンクし損なっていた。修正。
多結晶シリコンを南欧州で用いた場合でEPTを2年ぐらい、CO2排出量を37g-CO2/kWhと見積もっている。この論文は、オーストラリアの石炭業界が「太陽光発電のCO2排出量は100g-CO2/kWh以上だ」などと言い出したのに対する反論として出されている。石炭業界が論拠とした材料別の排出量のデータベースの値が古すぎたことが発覚し、データベースの値自体が修正され、この石炭業界の主張が今や根拠の無いものであることが書かれている。
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即ち、最新の見積もりが引用されるたびに、デマ流布の顛末も読まれる形になっていたりする。
日本でこんな恥ずかしい事態が発生しないことを祈る。
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余談だが、うちのセンター長の名前は近藤道雄と言う。上記の近藤邦明氏と混同されないよう、お願いする。:)
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・続きはこちら。
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(2009.3.5 追記) 信頼できる情報源による分析データについては、下記を参照いただきたい。
☆ 海で燃料を栽培
・海藻から大量のバイオ燃料を取る構想。こいつはすげぇや。この調子で、アオコとかも使えるようにならんかな。
・ 「太陽光・風力発電トラスト」運営委員、中川修治 [エネルギーペイバックタイムとコストペイバックタイムを混同するものが多いのは勉強不足を指摘して説明すれば良いのですが、..]
2007-03-26 (Mon)
☆ デマのお掃除2
前回の続き。”近藤邦明”氏による太陽光発電システムのエネルギー収支の見積もりが間違っていることは述べた。近藤氏自身が「どこまでも仮定」と言うとおり、氏の見積もりには根拠が無いに等しい。ところがこの近藤氏、この「どこまでも仮定」な結果を用いて、このページで「石油火力発電に比較して石油節約的になる可能性も全くない」などと述べている。
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さらにその下、もっともらしい式を書いてみせて、「エネルギーを生産するのではなく消費するシステムである」と述べている。実はこの式、その前に書いてあるエントロピー云々は全く関係が無いことに気付いてほしい。前のページの「仮定」に基づいて算出したw0,w1なる値の比を取っているだけだ。それなのに、「(前出のページで行った)評価を覆すような可能性は皆無である」などと断言しているのである。
太字で強調した部分に注目してほしい。「どこまでも仮定」であったものが、いつの間にか(科学的な根拠も示さずに)”100%確実”な論拠として用いられているのである。
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根拠がなくても、仮定(想像)するだけなら勝手だ。でも、それを勝手に「確実」なものと主張するのは、ニセ科学である。意図的にやっているのだとすれば、この近藤氏、まごうかたなきニセ科学者であると言える。
☆ ニセ科学の見分け方?
…ふう、やれやれ。こういう論文調の文章は書いてる方も肩が凝る。ここからは別の面から見た話になるので、その前に、読者にもちょっと落ち着いて頂こう。
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ここまで読まれた人は、じゃあどうやってこんなニセ情報を見分けろと言うんだ、と悩んだり困ったり怒ったりされるだろうと思う。安心されるがいい、それは当然のことだ。この近藤氏(や槌田氏もだが)の文章自体が、そのように出来ているからだ。
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上で解説したように、多少の予備知識と、真贋を冷静に判定する目があれば、一応誰でも近藤氏の嘘は見抜ける。ただ、その量が尋常ではない。それらしい文章、図面や数式の量でゴリ押ししているのである。これだけたくさんの量を真贋を判定しながら読むのは、相応の心構えがないと難しいはずだ。(よくもこれだけの手間をかけられるものだと思う。)
しかも書き方も、体裁だけは「それらしく」整っている。心構えなしに斜め読みすると、大学の教授クラスでもコロッと騙されてしまうほどだ(マジ)。
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こういうニセ科学の真贋を判定する時に手がかりとなるのは、科学的知識と思考能力だ。こう書いてしまうと「えっ、学校で勉強しないとダメなの?」と思って引かれてしまうかも知れないが、そうじゃない。もちろん学校での教育は重要だが、もっと日常的な話だ。
たとえば新聞に載っているニュース、専門家の書いた雑誌のコラム、そんなごく気軽に振れられる科学の情報に気を付けておくだけでも、上記のようなサイトをみれば「あれ、おかしいな?」と気付かれることだろう。
上記のサイトはなかなかタフだ。しかしその「おかしいな?」という疑問は無くさずに持っておくことが重要だ。(意図的に偽情報を流す人がいる、ということも念頭に置いておかれると良いだろう。ちと悲しいが、今はそういう時代だ)。
「これだけの情報では、真偽がわからない」という状態に慣れて欲しい。ニセ科学はまさにその点につけこんでくるからだ。どの情報が本当に正確なのか、突き止めるのはそれからでもいい。
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どの情報が正確なのか、それは結局、「情報の出所の信頼性」に尽きる。どのような形であれ、最終的には、査読のある国際的な論文誌に掲載され、第三者による科学的な検証を受けているのか、というところが決め手になる。最近騒ぎになった捏造事件も、結局は第三者による検証を経て明らかになっている。本物の科学者が世の中に紹介するのは、そういう検証を経た情報だ。上記のように、自分の正体もろくに明かさず、量だけでゴリ押しするような情報に騙されないことだ。
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まとめるとこうだ。
1.量や文体に騙されるな
2.疑問は大切にとっておこう
3.情報の出所を確かめよう
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世の中の詐欺全般にも、共通する事柄が多いだろう。霊感商法の毒薬と医者の良薬を見分ける手がかりは何か、と考えると、ヒントになるかもしれない。
2007-03-27 (Tue)
☆ Folding@Homeその後
暫く走らせてみているが特に問題は無さそうだな。発熱も思ったほどではない。FAQ によれば、PS3で走らせてる時の消費電力は約200Wとのこと。まぁそんな感じだな。
普通のPC(CPU)とPS3(Cell)とGPUではそれぞれ速度と"flexibility"がトレードオフの関係(?)にあって、処理内容もそれに合わせて設定されているらしい。ほぇ。
Written by "バカ殿"さくらぃ
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