壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2008-01-18 (Fri)

フィードインタリフ制度布教

こんなスライド作りました。

FIT(フィードインタリフ)入門 −再生可能エネルギー普及の切り札−

個人的意見ですが、目から鱗が落ちてくれることを期待して作ってます。ご参考になれば幸いです。

FIT制は確かに、導入に勇気の要る「劇薬」です。でも適量を使えば、これほど効き目の鋭い薬は他にありません。

また、現行のRPSは無駄が多すぎます。さっさと乗り換えた方が国益になるはずで、あと必要なのは決断だと思います。

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これに関連して、環境省と経産省の合同で、パブリックコメントが募集されています。

「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告(案)」に対する意見募集の実施について

太陽光発電の導入目標を引き上げたのは良いけれど、その具体的な方策についてはまだ迷っておられるようです。

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もしも私の意見に納得されたなら、「FIT制に変えて欲しい」と、上記に書いて送って頂ければ幸いです。

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これは温暖化対策全体でみれば、まだ最初のほんの小さな一歩です。対策の長い道のりには、まだたくさんの障壁があるでしょう。たとえば日本だけで対策を普及させてもダメで、さらに途上国を含めた世界各国でも対策を普及させなければなりません。しかし、

・再生可能エネルギーの積極的な普及は、確実に対策の歩を進める

・普及させる手法として、最も実績を上げているのがFIT制である

・積極的に変えようとしなければ、何も変わらない

ということだけは言えます。

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FAQもぼちぼち追記していきます。

FITのFAQ(1)

例によって収集中。

・「電気料金から徴収したお金を、太陽電池を買えるお金をもった人に回すだなんて、反対です。

人の妬みを利用した、うまい批判です。でもこの批判には、先入観を利用した落とし穴があります。それどころか、FITはあまりお金を持っていない人でも導入しやすくしながら、お金をたくさん持っている人が儲けすぎないように出来ます。

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・お金を持っている人や企業が、なんらかの投資(たとえば銀行預金)で利益を得ることは変わらない。その投資先が変わるだけ。

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・設備を導入した人や企業からも、彼らの電気料金を通じてFIT制の費用の徴収はされる。たまたま彼らの投資先がFIT制であり、徴収額が投資の利益で相殺されるだけ。

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・再生可能エネルギーにも投資リスクがある。特に普及初期の技術や政策のリスクは高くなるので、それに対する投資行為には相応の利率が無いといけない。

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・温暖化対策には費用がかかる。その費用の一部は必ず誰かの利益になるが、そのお金は何らかの形で社会に還流すると期待できる。でもその費用をケチったために温暖化の被害が大きくなれば(そうなると予測されている訳だが)、それで社会から失われた財産(建物、人命、環境etc)は戻らない。

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・現行のRPS制でも、やはり電気料金を通じて風力や太陽光に出資していることには違いない(今は明示されていないが)。FIT制では透明性がとても重要なので、それが明示されることになるはず。自分がそうした対策に月に幾ら払っているのか、明示されることになる。

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・現行のRPS制のままでは、融資(借金)の利率を上回るような利益は期待できないので、それこそ、費用の大半を現金で購入できるような「お金持ち」しか利益を期待できない。しかしFIT制ならば、日当たりの良い場所さえあれば、より多くの人が参加できるし、価格も速く下がる。

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・FIT制は、利用する技術の水準、設置条件や規模によってその利回りを細かく調整できる。個人宅など小規模な設備での投資の安全性を高める一方、大規模な設備や条件の良い場所では儲けすぎないように利回りを下げるのが一般的(stepped tariffと呼ばれるしくみ)。

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・そしてとどめに、どんなに反対派やRPS推進派が理屈をこねても、実際にはFIT制が最も顕著な普及促進と価格低減の実績を挙げている。他の方式では、どこかでFIT制よりも多くの無駄が生じてしまい、皆が税金などを通じて支払った貴重なお金がその分無駄に使われてしまっている。

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再生可能エネルギーによる発電事業は、資金のある人や企業にとっては、銀行に預けたりするのと同じ、投資行為の一つに過ぎません。電気料金を通じて温暖化対策費用の分担もしますし、資金を敢えて新しい産業に投資することで、相応のリスク(政策の変更や自然災害などを含む)も負うと考えられます。リスクを負って温暖化対策に出資する行為に対しては、相応の対価を支払うのが妥当です。FIT制は、この対価の調整がしやすく、制度の無駄も少ないので結局は最小限の額で済む、というメリットがあります。

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ただし、その対価を適正な額にすることがとても重要です。また透明性を確保し、額の妥当性をチェックする機構も組み込まれます。これによって「徴収したお金を無駄にお金持ちに回している」という状況を防ぎます。

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まとめて言うと、徴収されたお金は「温暖化対策への直接投資」と、「投資を呼び込む費用」として使われます。FITはこの投資の効率が最も高い方式です。その採用の是非は、「太陽電池や風力発電を用いた温暖化対策に、今持っているお金を明示的に投資する義務を感じるかどうか」という、非常に現実的な問題に行き着きます。

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ということで、下記もご参考にして頂ければ幸いです。

日本にとっての太陽光発電の必要性

太陽電池の現状と未来・教材化

このへんの話も1つのプレゼンにまとめたい、とは思ってますが…。なんか、本がもう1冊書けそうな分量になってきたなぁ。。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
zonnecellen (2008-02-03 (Sun) 09:04)

こんにちは、ごぶさたしています。<br>EPIAがきっつい皮肉をかましてくれたので、思わずブログに書いちゃいました。ご笑覧あれ。<br>http://pub.ne.jp/zonnecellen/?entry_id=1187983

さくらぃ (2008-02-05 (Tue) 11:53)

あー、これこれ。すごい皮肉ですよね(笑)世界の中でも、ドイツ人ほど怒らせたら怖い人達はいないと思ってるんですがねぇ。<br>ここでサミットで「日本もFITやります!」とか言ったら、全力で味方になってくれそうだけど。


Written by "バカ殿"さくらぃ
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