2008-04-11 (Fri)
☆ メモ
・世界の風力発電導入量、予想を超えるペースで拡大中(REW)。GWECのリリース、WWIのリリース。2007年は約20GWを追加して27%増加、総計94GWに。2008年4月には100GWを突破。市場規模は360億ドル(約3兆6000億円)に。
− 市場を牽引しているのは米国で、各種政策の導入によって一気に5GW以上を追加、累計で一般家庭450万軒分にあたる16GWを導入。
− 欧州も18%増加、各国で年間導入量の記録を更新。新規導入発電容量の4割が風力。スペインが目下最大の牽引役、3.5GWを追加して累計15GWを突破、既に全電力需要の10%以上を供給。
− 中国が急伸、2007年は3GW以上を導入。2015年までに50GWに達する見通し。
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・米国にて、風力発電の利益は送電線のコストを余裕で上回るとの調査結果がまとまる。(REW) テキサス州の送電網立案組織Electric Reliability Council of Texasによる調査結果。
送電線のコストは2-3年でペイする。主な利益は燃料の節約、燃料価格上昇の影響回避。テキサスでは2000-2006年に約3GWを導入し、電力部門のCO2排出量は2%減少。今後さらに11.6GWを導入することで下記のような利益を期待。
− 温暖化ガス排出量:CO2を2200万トン/年、SOxを18000トン/年、NOxを8000トン/年削減。
− 2万人の新規雇用の創出。
_・米上院、太陽光や風力への税制優遇措置延長を可決(CNN/DOWJONES)。しかしブッシュ政権が抵抗中。何らかの妥協が図られる模様。このニュースを受け、関連RE企業の株は7%以上上昇。
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・三菱の電気自動車、沖縄でも試験へ(WiredVision)。ナニ、2010年から市販したいですと?…金、貯めとこうかな。
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・深夜放送だけ止めても温暖化抑制効果には疑問(WiredVision)。うむ。
夜は火力(ボイラーが冷えない最低の出力で)と原発は運転し続けてて、特に深夜2時ぐらいから朝までは電力は余りやすい。深夜放送だけ減らしても、温暖化ガス排出量を減らす効果はちょっと期待しにくい。先日の日記の2つ目の図を見ればイメージしやすいだろう。減らさねばならないのは、昼間から夜に掛けての排出量だ。
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というか、今の日本の政策って、実効性に欠ける小手先の対策だけでお茶を濁してると思う。なんだかんだ屁理屈こねても、どのみち排出量を大幅に減らさねばならないことには変わりがない。それも、ほんの数十年で。
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発電部門では、今すぐ使える手段のうち、原発(軽水炉)はもう既に余るほど使ってしまっている。増殖炉はまだ本当にモノになるのかどうかもわからない。
となれば再生可能エネルギーの利用は必須だ。欧州のように地道に普及させればコストも十分下がりそうだし、なによりも、今目処が立っている技術だけでも当面の温暖化対策は間に合いそうである。それなのに喫緊の普及策をサボって、「そのうち革新的な技術が出来るまで待とうか」とか甘いことを言っているのが、日本の現状だ。
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温暖化を火事に例えるなら、今の日本は、風呂桶に逃げ込み、水を張って潜ろうとしているような状態だと思う。しかしその水(=技術)を皆で急いで運び(=普及させ)、消火活動(=排出量削減)に使わねば、せっかくの技術も意味はない。そして、それで消火できる量にも限界がある。消火の時期やペースが遅すぎれば火は燃え広がり、間に合わなくなる。
Written by "バカ殿"さくらぃ
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