壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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はやぶさ2計画絶賛応援中


2008-05-02 (Fri)

続・フィルタリング

対象は児童ポルノに限定、接続をブロック。本やビデオなら国内発禁処分に相当するのかな。本やビデオと同様の判断基準ならば、それなりに合理的かな。

以前報じられてた案だとほんとに何でもアリな内容でものすごく憲法違反になりそうだったけど、どうやらまともな方向には向かっているようで。

_

とは言え最初の案を見る限り明らかに「新しいメディアに対する非合理的なアレルギー」を持つ方々が立案に関わっているはずなので、まだ気は抜けないように思える。特に新聞やテレビなど既存メディアの方々は、もうちょっとでご自分の首を思いっきり絞める所だったと思うのだが…。

危なっかしすぎるぞ、日本。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

yamaneko [統計的データを揚げると(正当なデータならですが)<br> http://kangaeru.s59.xrea.com/..]

さくらぃ [児童ポルノの取り締まりそのものは私も賛成ですよ。 ただ以前の案では、適用範囲をなし崩し的に拡大解釈できそうだったり、..]

さくらぃ [もっと細かく言えば、たとえば「インターネットが普及したせいで増えた」という捉え方では大雑把すぎるんですよ。世の中に包..]

yamaneko [書き方が変で誤解を招いているかもしれませんが,基本的にsakuraiさんと同様の意見です.「包丁と犯罪」についても近..]


2008-05-04 (Sun)

BD堪能

先日の出張中、「プラネットアース」のBDボックス(独語版)を見つけた。

店頭にて

箱にリージョンの表示が無かったので果たして日本で再生できるかどうか不安だったのだが、安かったので思い切って買ってきた。

PS3に突っ込んでみたら無事再生。どうやらリージョンフリーらしい。

無事再生

アッテンボローが語る英語音声(5.1ch)も英語字幕も入ってるのでそのへんも無問題。

_

とりあえず最初の数話を観た感想。これはBlu-rayじゃねぇとダメだ

無数の鳥

こんなん、DVDでまともに表示できるとは思えん (^^;;

この鳥を映したシーンは、このあとさらにズームアウトして行く。文字通り鳥肌が立つような映像。

いやはや、BBCってすげーわ…。

進まない原因

進まない日本の温暖化対策は環境省と経産省の対立が原因(読売)。これなぁ…。ほんとは対立するようなことじゃないんだけどなぁ。

_

まず全体的な状況だけど

(1)温暖化は疑いようもなく進行している。

(2)科学的な調査結果を総合すると、温暖化を促進しているのはほぼ間違いなく人間。

(3)温暖化をこのまま放置すれば、数十年程度で経済面から見て看過できないような被害が発生しそう。

(4)今から徹底的な温暖化対策を行えば、被害はなんとか許容範囲に収まりそう。対策費用を含めても、被害はずっと少なくなりそう。

このへんは気象庁によるまとめを良く読むべし。

デマに騙されちゃダメ。いつまでも砂地に頭突っ込んだダチョウみたいな真似しない。

_

要は、現代社会は既に、温暖化によってその経済活動の規模を制限される所まで来てしまっている。そういう状況だから、経済面からみても対策をするのは妥当だ。そこまでわかっていても、なかなか動かないのは何故か。

_

温暖化対策をするということは、結局は、現在頼っている化石燃料を使わなくなると言うことだ。ご承知の通り、現在の社会や産業は化石燃料に深く依存している。つまり、温暖化対策を進めれば、必ず社会や産業に大きな影響が出る。

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そこで日本人の悪い癖が出る。(どの国の人でも多かれ少なかれ共通する事ではあるが)日本人は、社会や産業の変化を反射的に嫌う傾向がある。僕の個人的感想だが、「温暖化なんて嘘だ」「温暖化対策なんて無駄だ」というニセ科学を簡単に信じてしまうのも、そのせいではないかと思う。

_

しかし先ほど「影響」と書いたが、その影響は「マイナス」の影響もあれば、「プラス」の影響もある。

・「マイナス」の影響…化石燃料に依存した産業は、競争力低下や市場縮小などの影響を受ける

・「プラス」の影響…環境負荷のより少ない、新しい産業が生まれる

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よく考えて欲しい。石油を使わなくなると言っても、経済活動の規模は維持されるのだ。温暖化対策を進めるということは、経済活動の規模は維持しつつ、その活動内容を変えていく、ということだ。

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温暖化対策にはコストがかかる、と抵抗する人々は良く言う。しかしコストをかけるということはすなわち、その分新しい経済活動が生まれる、ということも意味する。つまり、上記の「プラスの影響」を増やすように働く。

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逆に極端なケースとして、温暖化対策のコストをけちって、新しい技術に全く投資せず、単純に石油の消費量を減らす方向にのみ対策を進めたらどうなるか、考えてみてほしい。

…答えは簡単だ。「マイナスの影響」しか出ない。経済活動の規模はひたすら縮小していく。究極的には経済や社会そのものが破綻するか、温暖化で破滅するかの2択になってしまう。

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しかし日本の現状は、全体的にはこの極端なケースに近い。いろんな手法に手を出してはいるものの、それを実際に普及させて排出量を減らすに至っていない。実際に普及させなければ、温暖化対策が進まないだけでなく、経済面での「プラスの影響」もろくに期待できない。(釘を刺しておくが、自国内で普及させずに輸出だけで食おう、などという考えもやめた方がいい。投資無しで利益が期待できるほど、世の中甘くはない。)

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どうも文章が下手くそで伝え切れてない感もあるのだが、なんとなくイメージだけでも掴んで頂けるだろうか。要は、それなりにコストをかけながら温暖化対策を進めなければ、経済面での競争力は失われ、究極的には自らの社会や経済も破綻するということだ。(もちろん、かけ過ぎてもいけない。適切なコストをかける、という所がミソ。)

日本は確かに省エネ技術では世界でもトップクラスだし、経済活動あたりの排出量も少ない。だがそれは温暖化対策よりもむしろ、エネルギー自給率が低いハンデを克服し、市場における競争力を高めるために導入されてきたと言えるだろう。今後同様の省エネ技術が世界に普及すれば、多かれ少なかれ、これまでの日本のアドバンテージは損なわれるはずだ。アドバンテージを保つには、これまで以上の排出量削減の努力を続けるしか無いはずだと思うのだが、如何だろうか。

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なお、産業が変化するということは、労働人口の分布にも変化が起こるということだ。これがあまり急激に変化すると、皆がついて行けなくなってしまう。世代交代を利用して、なるべく自然に変化するようにしようと思ったら、20〜30年はかかる。それぐらいのタイムスケールで考えながら対策を進めないと、酷いことになる。

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つまり、環境負荷の少ない新しい産業を育てるには、20〜30年ぐらいの時間とコストをかけて育てるのが基本のはずだ。そうしないと、経済活動の規模を維持しながら温暖化対策を進めるのにあたって、どこかに無理が出るだろう。

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その一方で温暖化は既に待ったなしの状況で、できる限り急がないと間に合わない。2050年に排出量半減という目標でも、まだ手ぬるいかも知れないと言われている。(IPCCのまとめた予測には不確実性があるし、それを批判する人もいる。しかしこの不確実性によって、被害を過小評価している可能性もあるのだ。過大評価の可能性だけを批判するのは非合理的だし、それを根拠に対策の必要性を否定するのはもっと非合理的だ。)

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というわけで経産省の立場からも温暖化対策の推進は喫緊の課題のはずなんだが、何を勘違いされてるんだか…。既得権益ばっかり気にしてると、自滅しますよ(ばっさり)。

ちなみに

上記のような視点で再生可能エネルギーに関する対策を進めているのが、まさに欧州のフィードインタリフ(FIT)制なんですがね…。ドイツで環境省と経産省が連携して対策を進めてる理由、ちゃんとわかってるんですかね。

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ついでにもう一言書いておくと、昨年にIEA(の一部)がFITを批判するレポートを出しちゃったけど、あれは凄い勘違いに基づいてるから、たとえ反対派でも論拠に使わない方がよろしい。

"価格低減のためにmarket basedな仕組みにせよ"って言ってるけど、そこで考慮すべきmarketを間違えているのがその理由。太陽光とか風力は、燃料がいらない。コストが殆ど設備価格だけで決まる。だからmarketって言ったら設備価格のmarketが最重要だ。少なくともEUではそのmarketは極めてオープンで(なにしろ関税が無いのだから)、FITかどうかに関係なく、とっくに"market based"が実現されている。それなのに石油やウランの価格に左右される電力価格市場で判断するのは非合理的、かつ非効率的だ。

IEAのレポートを名乗るには恥ずかしい大ボケだし、もしそれが何か公的な文書に使われたら、こちらとしてもバッサリ切り捨てるしかありません。

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さらにトドメを刺しておけば、そのレポートを書いた人達も、枯渇性燃料の専門家は入っていても、再生可能エネルギーやFITの専門家は一人も入ってません。デンマーク人のチーム長も、経歴や過去の発表内容を調べられた方がよろしい。

もう一言

俺、本来は太陽電池そのものの研究者に過ぎないんですけど。しかも任期付きの若造。その若造にすら叱られる日本って、一体どうなってんの。


2008-05-06 (Tue)

連休

両親宅の引っ越しの手伝い。おおまかな所は業者さんに頼めるけど、細かいものが大変なんよね…。

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で、念願だった太陽光発電も導入。状況表示モニターってやっぱ効果高いな。ちょっとでも売電量減るとすげー悔しい。どんどんパネルを増設する人の気持ちがよーわかった(笑)

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「30秒で太陽電池の原理を解説できんか」との問い合わせを受けて 資料 作ってみたり…うーん、まだ修行が足りない。NEDOの解説に負けてる気がする。


2008-05-07 (Wed)

メモ

スクラップ再開。

電気で飛ぶ飛行機の例(WiredVision)…ほぇー。

米環境保護局:科学者の半数以上が「政治的干渉を受けた」(WiredVision)…やぱし。

イギリスは再生可能エネルギーの導入目標を達成できなさそう(reFOCUS)…お手本どころか、反面教師。

シアノバクテリアがバイオ燃料に使えそう(REW)…リグニン抜きのセルロースに、おまけで糖類も産生するとのこと。

原油価格、今後200ドル以上まで上がるかも?(ロイター/Yahoo)、カナダの銀行も同様の予測(AFP)…枯渇性燃料の価格予測なんて当たるもんじゃないけど、「当たらない」ってこと自体が財務上のリスクを生む。さらに地理的分布は不均一だし、確保のために社会が支払っているコストも莫大だ。みんな忘れているだけで。

太陽光・太陽熱産業は米国で850万人の雇用を生むだろう(REW)、世界の再生可能エネルギーへの投資額は年間1000億ドルを突破(REW)…お楽しみはこれから。

ツッコミ

日経BPの太陽光発電の位置付けに関する記事。…技術的なことは良く書いて頂いてると思いますが、フィードインタリフに関する記述はおかしいです。

行政組織が太陽光発電による電力を高値で買い取る「Feed-in Tariffs」制度」…これでは誤解を生みます。額こそ行政組織が最終的に決めますが、FITは税金を直接買い取りに使ったりしません

FITでは電力会社が買い取り額を上乗せして、上乗せ分の費用は電気料金に反映されます。いちいち国庫を経由しません。ドイツの場合、電気料金の上昇は家一軒当たり月数百円程度で、その内訳は明示され、外部機関のチェックも受けます。

_

stepped tariffとか電力会社自身も参加できるとか、現行の余剰電力買い取り制度と違うところはまだまだたくさんある。調べれば調べるほど良くできた制度なんだけど、日本では解説本が無い。


2008-05-08 (Thu)

地震

周期の長い変な揺れ方。ゆらゆら〜。

トイレに入っている時にあーゆーのがくると、こぼれそうで非常に怖いですな。

メモ

日本人の環境意識や行動はあまりよろしくないと米地理学協会(毎日)。主要排出国14ヶ国中11番目。米国はビリ。

気にしてる人はそれなりにいても、国全体として実効性のある行動に結びついてないと思います、ハイ。

bird flu

最近ほかに心配なこととして新型鳥インフルエンザがある。この新型は病原性が強く、また歴史に残る「スペイン風邪」同様のパンデミック(世界的な大流行)になる危険性がある。パンデミックが始まってしまうと、現代科学を駆使しても被害の抑制が難しくなるので、世界的に対策の徹底が求められている。

_

人に感染した場合、薬(タミフルなど)を早期に投与しなければ何割もの人が死亡する点が、普通のインフルエンザとは決定的に異なる。今のところは鳥に対する防疫を行うことで人への感染は散発的で済んでいるけれど、新型インフルエンザとして「人から人」への感染が広く発生するようになると、まずい。

_

対策としては鳥の死骸などに対する警戒、普段からの手洗いやうがいの励行から、状況次第では外出の抑制や、それに備えた食糧の備蓄なども必要になりそうだ。

とりあえず情報を頭に入れておくだけでも、危険性は格段に下がるだろう。厚生労働省のQ&Aだけでも目を通しておくと良さそうだ。

厚生労働省の新型インフルエンザのページQ&Aあり。

鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集…様々な情報を集積している。

小樽市保健所によるガイドライン…長文だが、状況から対策までいろいろ書かれている。

・宇宙開発関連の著作で有名な松浦氏もウォッチしているようだ。

_

…やれやれ、温暖化だけでも十分に頭が痛いというのに。


2008-05-11 (Sun)

掃除

久々に一日丸々空いたので部屋の掃除と片付け。朝から晩まで動き回ってようやく床が見えるように。やれやれ、普段からちょっとでも片付ける癖を付けないと…。

というか片付けるぐらいの体力を残して帰宅するべきなのか。むむぅ。


2008-05-12 (Mon)

動き出した

ようやく、温室効果ガス削減割合の数値目標の議論が始まったようだ。

読売毎日朝日の報道。

でも2050年の目標で法的拘束力もなし。まだまだのんびりしすぎだ。

直近の2020年とか2030年の目標もそれに合わせて決めて、法的拘束力も持たせないといけない。課題山積。

_

今の物価値上がりだって、結局は温暖化と化石燃料資源の確保に端を発する問題ですよ(あと人口そのものが増えたり途上国の生活水準が上がってきたりしてるせいもあるけど)。もう実害が出始めてるって認識をまず持ってほしいです。

メモ

太陽光発電の付加価値を定量的に評価する試み(REW)。太陽光とか太陽熱は需要の多い時間帯だけに集中して発電するので、その分価値が高い(年間の総発電量ではほんの5%程度でも、晴れてさえいれば、真夏の最大需要時の2割を供給できたりする)。その付加価値の分ね。

米国でも昔から知られてた事なんだけど、それをようやく見直し始めたということかな。

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エネルギー市場のあり方についてEUまっぷたつ(EurActiv)。

発電と送電を分けるとか色々議論されてるんだけど、結局この議論の焦点は

・温暖化対策の資金をどういう方法で調達するか

・既に関連産業を育てつつある国と、出遅れた国との格差をどうするか

というところなのではないだろうか。

しかしこのEurActivの記事、ちょっと書き方が一面的でおかしい。以前ならどの意見も対等に扱っていたのに。


2008-05-13 (Tue)

デジャブ

ダビング10に関する読売新聞の「例の社説」に対する小寺氏の見方。うん。僕も、この社説は大チョンボだろうと思う。経緯を全く把握してないし、たぶん今後のテレビ放送全体への影響も把握できていないと思う。

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そもそも現行のがんじがらめの方式だと、たとえば「家のデスクトップやデッキで録りためた番組を、ノートのHDDに入れといてお出かけ中に観る」ということも出来ない。そんなごくシンプルなことが、出来ない(それこそフリーオでも使うしか無いようだ)。今度出る予定の製品でも同様だし、それどころか録ったときに使ったHDDが壊れたら二度と観れなくなる(HDDを識別していて、録ったときと同じHDD上で無いと再生できない)場合もあると聞く。

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僕の場合、ネットで大抵の情報は足りてしまうし、その傾向は強まるばかりだ。対して地デジはネット配信よりは画質が良いね、という程度のアドバンテージしか無い。それで金は余計に取るわ録画に手間取るわ思い通りの形態で観れないわ、ではそのアドバンテージも消えてしまうだろう。そんなに観て欲しくないのだろうか、と思ってしまう。

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温暖化対策の世界でも、的外れな意見を述べながら既得権益を保護する方向ばかりの主張をされる方をお見かけする。それも、社会全体の足を引っ張り、最終的には自分の首も絞めるような意見であることが多い。そこで積極的に対処すれば新たな道が拓けるものを。

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既得権益を考慮することを否定するものでは無いが、この変化の激しい世の中、それらを常に優先すべきとは限らない。無意識のうちに、「既得権益を最優先にすること」を前提にされておられないか、良く考えて欲しいと思うのだ。それができないなら老害、と悟って頂きたい。

メモ

EUの太陽光の2007年の導入量、2006年より57%増加(reFOCUS)。元ネタ(Photovoltaic Barometer)

相変わらずドイツ(+1103MWp)がトップだが、スペイン(+340MWp)も日本の年間導入量を超えて世界2位の市場に。イタリア(+50MWp)、ポルトガル(+14MWp)、フランス(+12MWp)も目立つようになってきた。昨年国際会議(EU-PVSEC)を主催したイタリアは公約通りの急成長。フランスは処理が追いついておらず、さらに65MWp分が系統連系待ち。もちろん、いずれもFIT制。EU内企業の売上高(revenue)は2006年からほぼ倍増の92億EUR、雇用も4万人から7万人へ増加。ドイツだけで4万人、80の製造企業と1万社以上の関連企業。

参考リンク:REN21による各国の導入促進政策まとめ

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スペインで60MWのプラントが来月完成予定(photon)。大規模設備の「世界一」獲得競争も激しい。

いや太陽熱発電と違って、集中してようが分散してようが効率には影響ないんだけど、大量発注でコスト下げやすいし、国や企業にとってもいい宣伝になる。

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米国、再生可能エネルギーへの助成を積み増し中(reFOCUS)。こっそりと。

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米国の風力産業、2008年の第一四半期だけで1400MWを設置、累計で18000MW、さらに4000MW分が進行中(REW)。…これより一桁少ない量に数年掛けるような話をしてる国がどこかにありましたな。同じRPS法のテキサス1州にすら負けている。言い訳の余地も無いほど情けない。

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先日、化石燃料の実際のコストについてちょっと書いた所だが、ちょうどREWにも 同趣旨のコラム が載ってウケた。定量的な話ではないが、視点は参考になる。

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温暖化対策としての林業保全を(毎日)。昔ながらの薪や炭は紛れもなくバイオマス燃料だし、現代の技術ならばペレット状にしたりガス化したりすることも可能だ。

加えて人工林は手入れすることで保水力が増し、またより多くの炭素を蓄えて固定し続ける。デマに騙されぬこと。

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風力資源に恵まれながら普及が進まないイギリス(日経)。政策が整わなければ、せっかくの資源も商機も活用されない好例と言える。

これを手本と呼んでそのまま真似ようとする人に、政策を論じる資格は無いと思う。悪意を持ってそう主張するならば、国賊とすら呼べるだろう。


2008-05-14 (Wed)

軽微

・先週末の三菱東京UFJ銀行のシステム統合なんとかうまくいったみたいだな。一部でのトラブルも一日で直ったみたいだし、これだけの巨大システムの統合でその程度で済んだなら上出来だと思う。グッジョブ。

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日経の評論記事。同意する。日本人は時々、重箱の隅を突くことばかりに気を取られて、おせちを丸ごと机から落としそうになることがある。

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「100%」の完全性を要求するならば、その完全性にさらにどれだけの費用と時間がかかるかを考えてからにするべきだ。その判断が出来るのはお役所なんだけど、今回はちょっと対応を誤った。そして一部の報道機関は、その誤りに気付けなかった。…という状況かな。

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まぁ、なんだ。間違いは誰にでもあることだ。間違いに気付いて対処するのが肝要だ。

その視点を持っていれば、今回の銀行側の対応はこの上無いほど適切だったと気付くだろう。

ツッコミ

食料危機やバイオ燃料問題に対する大前研一氏のコラム(日経BP)。この人の記事はいつもけっこう面白く読ませて頂いていて、この記事も4頁目までは安心して読めたんだけど、5頁目だけが突然ブチ切れたようにおかしな内容になっている。とりあえずツッコミを投稿しておいたけど、何があったのやら。

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でもこの人も、技術的にはかなりの割合のエネルギーを再生可能エネルギーで供給可能って所は理解してないみたいだな。現時点での検討課題はむしろコストとか普及速度とか現場の世代交代とか産業とか政治とか、技術以外の面にある。だから”東京都の電力全部を云々”のように、技術的に極端なケースを持ち出して批判を加えようとしても、どこかで論理が破綻してしまう。実用上は問題ない、という事実と食い違ってしまうのだ。

それなのにやってしまうのは、「枯渇性燃料が最優先」の先入観からまだ逃れ切れていない、ということじゃないのかな。純粋に技術的には、枯渇性燃料は将来のエネルギー供給において必須の存在ではない(まぁ現時点でそう言うのは語弊もあるから、必須じゃ無くなる可能性だって充分考えられる、と言っておくべきか)。でもそれも使った方が色々と無理が無いから、当面使うだけ、とも言えるのだ。

少なくとも、新しい技術の短所を馬鹿にしている暇があったら、長所をどうやって活かして行くかを考えた方がいいはずだ。

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温暖化は確かに大変な問題だけど、いちいち極論に走らなくても、それをなんとか許容範囲に留められるぐらいの技術を私達は持っている。しかし、万能の対策は無い。対策は非常に多岐に亘るが、どの対策にも、何らかの限界がある。それら多種多様な技術を、どれだけうまく組み合わせて活用するかで、私達の将来が決まると考えられる。

足を引っ張り合っている暇なぞ、無い。

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それはともかく、米まで値上がりした原因は投機か。厄介だな。

これほどまでに投機マネーがあふれてるのは赤字を垂れ流した国々があるからで、その大きなソースの1つがブッシュ政権の米国。そして近年の米国の赤字の大きな原因は…と考えれば、結局はこれも化石燃料調達のために(?)社会が支払っているコスト、ということになる。

それにバイオマス燃料の問題にしても、なんで削減効果が少なくて弊害も大きいとわかってからもトウモロコシなどの食料由来のものに金かけ続けるかな。普通に考えれば、セルロース系に力点移すべきところだろう。

メモ

国環の江守博士による温暖化リスクの解説(日経BP)。これはおすすめ。

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大気中のCO2濃度は予想されたよりも速いペースで増加中(Guardianの記事)。現在使われている将来予測のモデル(気候モデル)では約半分のCO2が自然環境で吸収されると仮定しているが、どうやらその仮定は甘すぎるらしい、とのこと。…まだ正式に発表されていないようだが、本当ならば温暖化対策をさらに急がねばならないことになる。

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2030年には風力で電力の2割を賄うことも可能とアメリカ政府(Herald Tribune)。必要なら技術的には充分可能。でもそれなりにコストもかかる、とも。そう、最初にそういう定量的評価をしてから、じゃあどれぐらいのペースで導入しよか、という議論をしないといけない。

_

だが日本では、それすらろくに検討されていない。系統が弱い?そうかも知れません。強化に金がかかる?そう、金はかかるでしょう。国が狭い?そうですね。ではお訊きしますが、

・他の手段を用いても、火力発電を減らしたら、系統や蓄電の強化はどのみち必要ではないのですか。

・他の手段は本当に今後もそれよりも安く、かつ安全(色んな意味で)なのですか。

・日本にはドイツなどには殆ど無い水力がありますが、その効果については如何お考えですか。その調整力も既に限界だと言うなら、その原因は何だとお考えですか。

・そのような問題を理由に導入しないことで、(対策費用も含めた)温暖化やエネルギー供給の今後のリスクは、本当に増えずに済むのですか。

これら全て(特に、最後の質問)に定量的に答えられる人は、今の日本には居ないように見える。それこそが今の日本にとっての脅威だと思う。

定量的評価をしながら、様々な技術を組み合わせた「温暖化対策パッケージ」を作らねばならないのに、今の日本は先入観と既得権益(それも短期的な利益)だけに流されているように見える。国の経済全体だけでなく、安全保障にも深く影響する事なのに。


2008-05-15 (Thu)

観念

そろそろ分けている意味が無くなってきたので、表口からもこの日記へリンク。書き始めたはほんとに内輪向けだったけど、最近は職場ばかりかお客さんにまでバレとるし。

_

つか、来月でもう10年になるのか。ほぇ。

めも

食肉を培養で製造(WiredVision)。温暖化対策&食糧確保に良さげ。

でも俺は大豆タンパクでも良いと思ってるんだがな。もちもちした歯ごたえに良い香り、肉だと言われても納得できるような味だった。子供の頃、あれを唐揚げにした奴が何故か近所のパン屋で売られていて、大好物だった。

_

自宅で砂糖からエタノール製造(WiredVision)…この装置自体まで含めても、本当に温暖化対策に有効なのかしらん。これだけでは何とも判断つけかねる。

_

DuPont、Genecorと組んでセルロース由来燃料の開発へ(REW)。2012年に量産を目指す。

セルロースからの製造自体はもう何年も前からカナダなどで行われている。こういう素地があり、かつ人々を飢えさせるような状況になってなお食料由来の燃料ばかり推進するのは、非合理的。

それに、木質ペレットとかガス化とか、他にもたくさん利用できる(すべき)ものもある。

やはり自前がイチバン

欧州独自の有人宇宙船&宇宙ステーション計画(Technobahn)。先頃開発された輸送船ATVは最初からこのような用途への発展を念頭に置いている。

日本で発案された「ふじ」のアイデアに近いと思うのだがそのへんは松浦氏の解説に期待しよ(ぉぃ


2008-05-16 (Fri)

メモ

オランダの大学が三洋の記録を抜き、結晶シリコン太陽電池での変換効率の最高記録。。……にゃんだとうぅ。

大学のリリースを見た限りでは、(ちょっと英語が変なので確認が必要だが)どうもアルミナ薄膜で表面再結合もしくは光の散乱を抑制して、薄膜系へも応用可能、という話のように見える。

これは詳細が知りたいな。

トリンプの今年の変な下着は太陽光発電ネタ。ぶはははは。

モノはこの薄膜シリコンフレキシブル太陽電池に見えますな。胸の形にフィットする奴を特製してあげてくださいよ富士電機さん。でないと胸の大きな女性は影がかかりやすく……

ぐるっ

東電初のウインドファーム、東伊豆町に設置。今までは出資先経由だったけど、ついに直接運営にも乗り出しましたか。一歩前進かな。

特定時期のdebianで作ったSSH鍵に大穴

むぅ、これはまずい。debian使ってる人は即刻チェックが必要ですな。

debianシステム上での対処例

対処法の解説(英語)

Debian Wiki(英語)

・debian以外の環境でも、こちらの方法で鍵をチェック可能。

アインシュタインの手紙の件

アインシュタインはいわゆる「人格を持った神」は信じてなかったけど、宇宙を形作る法則(大統一理論)は生涯追い求めていた。それが彼にとっての”神”だったとは言えるかも知れない。

彼が編み出した相対性理論と光量子仮説は現在の物理学の根幹となり、私達の身の回りの科学技術を陰に日向に支えている。それでも、まだこの宇宙の物理法則を完全に解き明かすには至っていない。でも現在進められているLHC計画が、アインシュタインが追い求めた”神”の姿をさらに解き明かすだろうと期待されている。

_

アインシュタインに関する書籍は数多くあるが、個人的には下記をお奨めしておく。アインシュタインの生涯とその業績、人となりについて、コンパクトかつ読みやすくまとめている良書だ。

アインシュタイン よじれた宇宙(コスモス)の遺産(ミチオ・カク/菊池 誠/槇原 凛)

理論物理学者の著者に加え、菊池先生が監修しておられ、学術的内容の記述も危なげ無くかみ砕いてある。安心して読めるだろう。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

kynthm [リンク張っていただきありがとうございます。 東電も次期社長自ら会見発表したようですからそれなりに力が入っているようで..]


2008-05-17 (Sat)

要警戒

海面上昇の速度は今までの予想よりずっと大きくなる、との報告がまた一つ(BBC)。今世紀中に0.8-1.5m上昇との予測でPNASに掲載予定。昨年のIPCCの報告書じゃ一応28-43cmとなってるけど、それは甘すぎる、と。他のチームでも同様の結果(0.5-1.4m)が得られている。

_

温暖化が進むと、例えばシベリアの永久凍土が融けてメタンガスを放出したりして、さらに温暖化を加速する(フィードバック)現象が起こると考えられている。また、氷河や氷床の流下速度が速まる(そしてより速く融けてしまう)可能性も考えられる。

ところが実は、昨年まとめられたIPCCの報告書では、このような現象がまだ一部しか考慮されていない(例えば この環境省資料のP.40以降を参照)。

_

そしてこれらの新しい報告を見る限り、実は温暖化の危険性はIPCCの昨年の報告よりも速く、より重大なものだ、ということになる。

_

↑いや、さらっと書いてるけど、海面上昇だけでも影響大きいよ。洒落にならんぐらい。

メモ

温暖化が宇宙線のせいだという説は疑わしい(BBC)。これ、温暖化懐疑派が良く持ち出してきてた説のことな。…本当に宇宙線のせいだったら宇宙線の変化によって雲が変化した現象が既に観測されているはずだが、全然対応しない。影響あったとしても極域での局所的変化で、全地球規模の温暖化の原因としては考慮に値しない、と。

自然界が既に温暖化に影響を広く受けている(BBC)…(極圏の生物の重要な食料である)オキアミの減少、渡り鳥の飛来時期、蚊の分布、永久凍土の縮小…。皇帝ペンギンの減少要因との指摘も。

動物の個体数が1970年以降の35年間で2/3に減少(Technobahn)。…こちらは今のところ温暖化以外の原因が大きいようだが。

Q-Cells、今年の第一四半期の報告。1〜3月で117MWpを生産(昨年比+50%)、売上高2.7億ユーロ(+65%)。来年3月末までで最大7.5億ユーロの融資も取り付けている。←ケタ間違えたのを修正(大汗 (5/18 01:25)

非穀物由来のバイオエタノールに邁進する中国(REW)。穀物由来のバイオエタノールを作ってたけど、今は他のものに転換。でもまだイモとか使ってるみたい。うーん、荒れ地を使ってるとはいえ、イモってどうなんだろう。


2008-05-18 (Sun)

メモ

米国の風力業界の動きが慌ただしい。3連発。

ジーメンス、アメリカの風力発電事業者から一気に500MWの受注を獲得(REW)。来年納入。

アメリカ全体で2030年には全電力の2割を供給するとの計画への反応。2018年までで16GWが導入され、2030年で50万人の雇用を生むと予測。

米国のRES社、合計950MW分の風力発電所事業を受注(REW)。5カ所、規模は74MWから350MWまでいろいろ。合計20億ドル超。

米国で世界最大、4000MW(=400万kW)の風力発電所計画がスタート(REW)。第一期分の1GWがGEに発注された。

やはり、動き出すと速いな。そして、そのスピードについていける企業は限られる。

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老舗SCHOTT solar、薄膜太陽電池部門を拡充(REW)。薄膜太陽電池部門を分社化、生産能力拡充。

シャープが太陽電池でイタリア企業と提携(solarbuzz)。新型薄膜太陽電池を用いて161MWpの発電所を建設へ。

俺が知ってる範囲じゃ、現時点で世界最大規模の計画。昨年1年間に日本全体で導入された量の半分以上、イタリアのそれの3倍以上。

…この調子だと、GW規模のが建設されるのも案外早くなりそうだな。10年前は夢物語だったが…。

自転車に乗るからには

道交法改正、自転車のルールがより実態に沿ったものに。うむこの改正はGJ。

もちろん権利の代わりに相応のマナーも求められる訳で、そこはビシビシ取り締まってくれていいと思う。

特に、意図的な夜間の無灯火はもっと厳しく取り締まった方がいい。それがどれほど危険なのか、彼ら自身は認識していないと思うから。

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…いやもう、街灯のない夜道を一回でも車で走ったら、無灯火なんて怖くて絶対できませんよ。あれは洒落にならんぐらい危ない。お願いだから無灯火はやめてください (T-T) >筑波大の学生さんたち

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ちなみに、ダイナモだとペダルが重くなるからイヤだ、という人には…

・ホイールの軸と一体になったダイナモ(ハブダイナモ)が激しくお奨め。ライト点けても全然重くなりません。自転車屋さんに相談してみましょう。

・電池式のLEDライトなら、HL-EL500がかなり実用的。防水で、電池が減ってきたら警告の赤LEDが点きます。これにEneloopを組み合わせたら完璧。

その他、

・後ろにも、赤色LEDを点けると視認性が格段に上がります。千円未満でも売ってますから、面倒臭がらずにつけましょう。

・ペダルの反射器は実はとても効果があります。取れてしまったら、付け直しましょう。

・横方向からの視認性も重要です。スポークに反射器を付けたり、車体や泥よけに反射テープを貼るとよろしい。

ほんと、バカにしたもんじゃないですよ。自分の身は自分で守りましょう。

心構え

・昨日取り上げた、IPCC報告がぬるい件。温暖化の予測はあくまでも「予測」なので、どうしても誤差が残る。もちろん、IPCCの報告書は誤差についても記している。でも、それを報告書でどう表現するかは、科学よりも、政治の世界の問題になる。

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僕はIPCCの報告書の要約は一通り目を通しているし、原文もそれなりに読んでいる。その結果、「可能な限りリスクを低く取れるように表現している」という印象を持っている。

たとえば、「今後この要素が算入された場合は実際の被害がもっと大きくなる可能性もある」とも書けるところを、「データのバラツキが大きすぎるのでこの要素は算入されていない」と表現する、と言った具合だ。確かに、それは間違いでは無い。しかし、予備知識の無い人はその影響の大きさを想像しにくい。

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つまるところ、IPCCの報告では、今のところ”最低限”の表現しかされていない。ざっと読んで得られる印象よりも、実際にはもっと危険な状況である可能性を常に考慮しておく必要がある。また逆に、報告書に記されたよりもリスクが小さい可能性は比較的少ない。それは報告書自身にも記されている。

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何故そのように書かれているのか、理由はいくらでも付けることができる。でも、今の米国ですら認めている報告書であること、また現在の政治の世界でどういう勢力が力を持っているかを考慮しておくことは、決して損ではないだろう。繰り返すけど、それは科学と言うよりも政治の領域だから。

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そしてその上 こんな調査結果が発表されている ようでは、「データのバラツキが大きい」原因にも、注意しておいて損ではないだろうと思う。

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…まぁ、なんだ。

実際、温暖化対策の最大の焦点は、科学技術そのものじゃなくて、人間なんですよ結局。クスリはあるけど患者がなかなか服用してくれない状況、と言えば、少しは納得して貰えるだろうか。

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しかし突然こんなことを書き出して、肝を潰す人が出るかも知れないと危惧している。たぶん、そのへんの加減が下手だと思う。申し訳ない。


2008-05-19 (Mon)

日の目

ここ3年ほど勝手にフニフニやってたものを中で発表してみたり。まずまずの出来かね。

メモ

有力な水素タンク材料開発(scienceportal)。プレスリリース。ふむ。もっと高圧の場合の性能がどうなるかが興味あるところやね。通常は350気圧ぐらいらしい。

エコと生活水準との間のジレンマに悩む日本人(読売)。正道は「ガマンできるものはする、可能なものから低排出な様式に切り替える」かな。色んな対策をバランス良く使いさえすれば、さほど生活水準に影響せずに済むはず。それぞれの対策をどれだけ効率良く活かすかが鍵となる。

三菱電機、環境関連の売り上げは2007年度は7000億円、2015年には倍増へ(tech-on!)。うむ。

IBM、LSI用の冷却システムを集光型太陽光発電システムに応用(ITpro)。プレスリリース。ガリウム合金かー、その発想は無かったわ。いや冷却効果は高いんだけど、金属を侵すので、技術力が無いとでけんわこれは。ザブトン一枚。

温暖化が進むとハリケーンは数が減り、代わりにそれぞれがより強大化するかも知れん(BBC)。…まだ不確定要素が多いようだが、もしそうだとしたらタチの悪いことだ。弱いハリケーンがより多く来る方が、被害は少なくて済むだろうに。

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小規模木質バイオマスでは輸送時の排ガスに要注意(BBC)。確かにCO2排出量は削減できるのだけど、下手にトラクターとか使って運ぶと排ガスによる汚染が馬鹿にならないよん、と研究チームが警告。

バイオマス全般に言えることだけど、小規模の場合は特に注意が必要。なるべく大規模にして輸送や燃料の処理の効率を上げた方が、環境に優しくなる。

まぁ、いつか輸送手段まで全部クリーンになればそういう心配も無いのだけど。

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米国の2州がセルロース由来エタノールを促進する内容を含む法改正。うむ、それが正しい。

なんせ、少なくとも約2年前にはトウモロコシ由来は削減効果が少ないと分かってて、しかもセルロース由来が既に商業ベースに乗っていたわけで。

さらに探すと、2005年の時点で既に批判を受けてるな。むぅ。


2008-05-21 (Wed)

某所での会話に思う

「温暖化が絡まない国際問題」の方が珍しくなりつつあるのかもね。

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わはは。いやしかし、最近の関連国際会議はなかなかアツいですよ。:D

FIT入門update

フィードインタリフ制度の解説をアップデートしました。

一部スライドを(願わくば)わかりやすくしたほか、FAQを追加。

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税控除でも余剰電力買い取りでも、それなりには効果があります。でもFITに比べれば劣る点が多々あるし、何より現状では電力会社自身が参加しづらいという欠点があります。現状のまま進めるにしても、そういう欠点のカバーは必須です。そしてそれ以前に、市場を拡大できず、世界に全力で置いて行かれている現状は論外です。

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ここでサボると、例えば太陽光発電だけでも、ほんの10〜20年後には年間数千億円〜数兆円もの貿易収支の差を生むおそれがあり、その後もさらに拡大すると考えられます。また太陽光発電の特長の活用が妨げられる分、電力コストやエネルギー安全保障、さらには温暖化対策や国外での政治力にも不可逆的な悪影響を及ぼすおそれがあります。

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曇った眼鏡は拭いて下さい。>経済や政策のプロな方々

むずがゆい

自分の似顔絵がそこらへんに貼り出される、って…

そこっ指名手配ゆーなー


2008-05-22 (Thu)

ばたばた

数多の雑用をちぎっては投げ、ちぎっては投げ。

せっかく面白い資料が届いたのに、読む暇がねぇ。

めも

EU、「環境に対する罪」の違法化に合意(EurActiv)。海や大気などの環境に「意図的な怠慢によって」重大なダメージを与えることを違法化へ。ゴミの輸出入なども含まれる模様。

欧州の温暖化対策はまだまだ足りないぞと欧州議会(EurActiv)。京都議定書目標は達成できそうだけど、その先の「2050年までに60〜80%」の目標に向けて既に具体的内容を議論している。もちろん、1990年比。

ついでに、ニセ科学にも言及している。「科学的証拠に基づかずに、気候変動の原因や影響を疑わしいものや不確かなものに見せようとする試み」を叩き出した(lash out)と。…逆鱗に触れた、という表現が似合いそうだな。

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カナダ・オンタリオ州が再生可能エネルギーの導入目標を上方修正、feed-in tariffを強化(REW)。目標量を倍に。

オーストラリアのビクトリア州、FIT導入へ(REW)。開始時の額は60セント/kWhでオーストラリア最高水準、来年から15年間実施。うむ。ちゃんと締め方まで決めるのがFIT流。

海棲のサメの半分以上が絶滅の危機(BBC)…過度の漁獲が原因。海の食糧問題もやばくなる一方。

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米Evergreen Solarが2件で合計10億ドル分のモジュールを受注

アメリカ最大(約20MW)の太陽光発電所計画が始動

米SunPower、マレーシアに年産1GWp超の工場を建設へ(solarbuzz)。

…米国も動きがどんどん派手に。

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日産、神奈川で電気自動車の公道試験へ(日経BP)。俺は普段あまり距離を乗らないので、HVよりEVを楽しみにしている。

しかしどこか、”屋根付きバイク”みたいな簡易で軽量なEVを出してくれんかのう。近距離用にはそういうのが一番便利だと思うんだが。

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残り物を活用しているバイオエタノールに対し、FUDで(半分は石油由来原料で作る)ETBEを推進する石油連盟(日経BP)。…人の足を引っ張るのに力を浪費しとるような。

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窒素酸化物による環境汚染の危険性(WiredVision)。これに限らず、環境汚染も温暖化とまとめて対策することが望ましい。

昔の日本や現在の中国などを見ればわかる通り、化石燃料による(温暖化ガス以外の)環境汚染も深刻だ。多くの温暖化対策には、そうした環境汚染を抑制する効果もある。

温暖化説批判の扱い方

国環の江守博士のお話の後編(日経BP)…槌田説などに騙されたことがある人には特にお勧め。


2008-05-26 (Mon)

offlineでした

環境フェア in KOBEなるイベントに参加してきたけど途中でノートぶっこわれてPHS単体しか使えない状態になっていたのだった。まぁええけど。

しかし展示会場で子供達と遊ぶ…つもりだったのが土日だけ雨ふりやがってチキショウ。つーことで後で補完予定。


2008-05-27 (Tue)

モバイルPV

Appleが太陽電池内蔵のiPod(?)の特許を取得(ITmedia)…iPodのサイズだと発電量どれぐらいになるんだ。ええと

-太陽光のエネルギー:1kW/m2 = 1000W/10000cm2 ぐらい

-太陽電池の性能:

--アモルファスSi:普通のは8%ぐらい、積層タイプで10%前後

--CIGS:11〜15%ぐらい

--結晶Si:13〜20%ぐらい

とりあえず効率10%と置いて計算すると、日光に垂直に当てた場合、

1000*10%/10000cm2 = 10mW/cm2。10平方センチなら100mW。省電力タイプのプレーヤなら、一日中日光に当てとけば数時間は鳴らせる、ってところじゃないかと。

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ちなみにB5サイズ(182×257)だと4.7W、A4サイズ(210×297)だと6.2W。効率20%のセルならその2倍。

メモ

Q-Cells傘下のSolibro、CIGSモジュールの量産開始へ。…あ、発表したか。技術を余所から持ってくるだけとはいえ、着工から数ヶ月での立ち上げは速い。COOの手腕が凄いっつー噂。

中国Suntech、2020年までに7GW分のシリコンウエハの調達契約を結ぶ(Solarbuzz)。調達先も中国企業。…最近この規模の契約があまり珍しくなくなってきた気が。いや珍しいかも知れないけど、少なくとも意外では無い。

バイオエタノールの普及はガソリンの値段を押し下げている(REW)…これで可食部以外から造ってくれてさえいればなぁ。

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・G8(+α)環境相会合閉幕についての社説:[読売] [毎日] [日経] [朝日] [フジサンケイ]…今のアメリカの意向を気にしすぎたら、後でロクなことにならんような。同盟国なら、もう少し諫めるべきでは…先日のブッシュさんの発表に環境相が苦言を呈したのは良かったんだけど。

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しかしどれも温暖化対策の経済効果に言及しとらんな。環境相の会合だからと言ってしまえばそれまでだが…

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ドイツの産業界などは、温暖化対策費用やその経済効果(正負両方)についての詳細なレポートを作成しとるんだが。

6/1 22:45 追記:上記のレポートが何故かアクセス出来なくなっているので、追加情報を記す。

・タイトルなど: "Costs and Potentials of Greenhouse Gas Abatement in Germany", BDI, McKinsey&Company

作成したシンクタンクによる紹介ページ

オーストラリアでミラーしているサイト

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で、そのレポートでは、設備寿命などの関係で対策に時間がかかるものは極力速く対策を進めないといけない、というような指摘が何カ所かある。もちろん、経済や競争力への影響の観点から。

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日本でもそういう所を気にしてる方々が居るということは先日の環境フェアでわかった。でも、ドイツや米国に比べて全く出遅れてる感じは否めない。

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俺は経済の専門家じゃないし、レポート読んだ限りの個人的印象だと断って率直な感想を述べれば、日本の産業界は全体的にのんびりしすぎちゃうか、「米国の言うとおりにしてれば大丈夫」なんて幻想をどこかで抱いとらんか、と不安になる。


2008-05-28 (Wed)

宣伝

サイエンスカフェやります。僭越ながら講師役やらせて頂きます。

6/20(金)の夕方、つくば国際会議場のレストランにて。お気軽に申し込み下さい。

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各テーブルに太陽電池配って、解説しながらその場で遊んで頂く予定。

追い出し

職場の人が某大学の教授として栄転するとゆーので追い出し呑み会。お務めご苦労様でした(違

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どんちゃん騒ぎ…他のお客さんすんません(汗

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人手不足なので痛いが、人材を送り出すのも公的研究機関の役割なわけで。いつものこととは言え、こりゃ大変だわ。


2008-05-29 (Thu)

地デジの件

re: 人情噺 ダビング10…書き方はともかく、わかりやすい。

メモ

Q-Cells、メキシコ政府と最大35億ドルの投資に合意。米国、メキシコ、南米に供給。…どんどん進出中。

水の上に浮かべた太陽光発電所(solarbuzz)。…ぶは。凄いアイデアだな。メンテは船が要るだろうが、たまにしか必要ないしなぁ。どうせなら最初から丸い池にして、太陽追尾もしたら良いかも。

海の上で太陽熱発電なんてことを考えてる人も(WiredVision)…いやまぁ、可能だろうけど。年間通して海が穏やかな場所向き?

1940年頃の海水温の記録の奇妙な変化は計測方法の変化によるようだ(BBC)…長期的傾向の解析結果には影響しないけど、長期変動を測るのは大変だ、というお話。

欧州、バイオ燃料の導入義務づけ割合を削る方向で調整中(EurActiv)。2020年までに10%、というのを8%、もしくは義務無しに。現状では弊害の方が大きいと判断。

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温暖化がこのまま進んだら白神山地のブナが消滅(読売)。気候の変化に木が追いつけず、2050年には9割以上が、日本全国でも半分以上が消滅。高潮、豪雨、熱中症などの被害拡大。今世紀末には日本の平均気温が4度以上上昇、との計算結果も。

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実際そんなに気温が上がったらどれほど大きな影響があるか、ってのは、時々でもいいから考えてみて欲しいのです。そんな被害を出すぐらいなら新しい可能性に賭ける方がずっとマシだ、と皆が実感できることが重要なんで。

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JPEAが法人化へ、新会長に京セラの川村社長。…EPIAとかに比べるとJPEAの活動ってほんと弱かったからなぁ。最近ようやく上向いてきたけど。

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それはともかく、出荷減の背景として「原材料費の高騰や中国をはじめとする海外新興メーカーの台頭」を挙げるのは間違いではないけれど、それは他の国にも共通する事情だ。何故日本だけがシリコン原材料の調達に失敗したかと言えば、結局は原料メーカーにとっての投資環境の悪さ、ひいては政策による環境整備の遅れに起因すると思う。

太陽電池ばかりでなく、国内半導体メーカー全体が影響を受けただろうに。

開拓

経産省、アフリカへ日本の太陽光発電を売り込みへ(フジサンケイ)。…おっしゃー。こういうニュース聞くと俄然やる気が出るね。

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送電網無し、燃料の輸送も大変、メンテができる技術者もろくにいない、「冷却水」だなんてとんでもない…そんな地域でも、照明・揚水・冷蔵・通信・放送・パソコンなどに、任意の規模で使えますから。特に、冷蔵は病院にとって超重要…薬が保存できるから。

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ところで病院や学校を整備したら人口が余計増えるようにも思えるのだが、実際は教育水準が向上すると人口増加率は減少する。もちろん、教育に安心してコストをかけるには子供の死亡率も低くなければならないので、学校と病院はセットだ。

というわけで人道上だけでなく、人口の面からの温暖化対策としても有効な策になり得る。 (5/30 11:45 表現修正)

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

FIRST [意地悪な言い方をすれば、教育水準が上がれば生活水準も上がるので、本当に温暖化対策になるかどうかは微妙な気がしますが、..]

さくらぃ [むぅ、難しい質問だな(苦笑 支援策の大雑把な狙いについては、下記のように考えれば良いはずです。でもそれぞれがどの程度..]

さくらぃ [例えば支援内容が「生活水準向上」だけに偏りすぎて、肝心の化石燃料の使用を抑制しなかったら、逆効果もあり得るでしょうね..]


Written by "バカ殿"さくらぃ
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