壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2008-06-01 (Sun)

報道開始された

あう。NHKスペシャル録り忘れた。

今週末には特集番組連発か…。とにもかくにも、ようやく日本でも取り組みが始まったという印象。

_

今はとにかく、極力正確な情報を広めることが必要だ。それも迅速に。今の日本は、温暖化対策を否定するニセ科学や、既得権益だけを優先して縮小再生産に陥るような考え方がはびこりすぎていると思う。

_

医療では、正確な情報が十分に伝わっていなければいわゆる”インフォームド・コンセント”(IC)は成立しない。

対して今の日本は、その基礎となる(国としての)情報収集が不足しているし、正確な情報もろくに行き渡っていない。まともな医者にかかってICに至るどころか、霊感商法のツボ売りに騙されてる状態だと思う。

メモ

米エネルギー省、省エネ電球のコンテストを実施(Technobahn)。お得意のハイリスク・ハイリターン型の開発。

ロマンスカーの運行電力相当分を風力発電から購入(フジサンケイ)。いわゆるグリーン電力証書(Tradable Green Certificates, TGC)で、要するに「排出量を減らす価値」の分を証書化したもの。この制度自体は汎用性があり、RPSでもFITでも使える。ただし対策の主体ではなく、補完的要素と考えるべき。

_

二酸化炭素回収貯留(CCS)はまだまだ先行き不透明(EurActiv)…いつかは義務づけされることになるのだろうが、これがあっても石炭をガンガン使おうとするのは投資としてハイリスクだ。普及は2020年以降と考えるのが無難。

・ただしこの例のように、石炭から木質バイオマスなどへ転換を最初から考慮するなら、OKかも知れない。

実を言うと、バイオマスにさらにCCSを組み合わせれば、排出量をマイナスにすることが技術的には可能だ。もちろん現時点ではコストが凄く高いんだが、普及に従って「大気からCO2を回収して地中に戻す」こともそれなりのコストで可能になるだろうと予想されている。(普及までのハードルはそれなりに高そうで、すぐにできるってもんでも無いが)。

_

独Schott Solar、日本から太陽電池(セル)を大量受注。(Solarbuzz)。2011年までに17.5MWp、最大35MWp分を供給。…ぐぅ。それって、最大量だと昨年の日本の国内市場の1割以上に相当する量やんか。だから力を抜いたらイカンって言ったんだ。

風力発電でここまでやらかしてもまだ懲りてないんだろうか。何が悪いのか、まだ分からないんだろうか。

_

ドイツ連立政権、太陽光に対するフィードインタリフの新しい逓減ペースで合意。年8〜10%ずつ減らしていくことに。…ふむ。妥当な線かな。昨今の勢いから考えて、ドイツの太陽光産業界はもうFIT制の初期段階を脱しつつあると言って良い。もしこれが減らしすぎでも、2年後にまた調整すれば大丈夫だろうし、むしろこれでも甘いぐらいかも知れない。実際、昨年の国際会議(EU-PVSEC)で既に8〜9%ぐらいの数字は挙がっていたんだが、当の業界も前向きな発言をしていた。

俺は経済学は素人だが、国際競争上は、これは他の国を振り落としにかかることを意味するはずだ。コスト逓減ペースについていけない企業は自動的に競争力を失う。そしてコスト低減には、スケールメリットや、近隣での生産による流通コスト削減が効いてくる。その先は言わずもがな、、、。

クギを刺しておけば、これは普及政策がFITだろうがRPSだろうが変わらない。適切なタイミングで投資した国が有利になる、というごく当然のこと。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

FIRST [「霊感商法のツボ売りに騙されてる」と主張するついでに、 http://moon.jaxa.jp/ja/popular..]

さくらぃ [そうですな、、主要な全ての対策を網羅した日本語のページってのは私も知らないですな。 _ 太陽光に関しては最近は各メー..]

FIRST [うーん、惜しい。 方向としては http://ks.nwr.jp/d/?date=20070918#p03なんですけ..]

さくらぃ [あ、一応、その上にスクロールアップすると「温暖化対策としての有効性」あたりにリンクがあります(汗)]

さくらぃ [とりあえず、温暖化全般に関するFAQ集としては下記が一番ええかと。 http://www-cger.nies.go...]


2008-06-02 (Mon)

電気自動車元年?

郵便局、電気自動車を本格導入へ。ついにキター!!こいつは楽しみだ。

というか iMiEVあたりの性能を元に燃費を計算してみると、すんげー安くなる。

・比較対象として、すごく燃費が良い(20km/L)ガソリン車で、ガソリンの値段を150円/Lと仮定しておくと、100kmあたりの費用は750円。

・iMiEVの電池容量は16kWh

・1チャージでの走行距離が160kmなので、1kWhの電池のエネルギーで10km走る計算。

・80%まで急速充電するのに50kW×30分=25kWhなので、100%だと約31kWh相当。だから急速充電時の効率はだいたい50%。

・よって、充電器から供給する電力1kWhあたりだと5km走行できる計算。

・夜間電力料金で7円/kWhだったとすると、100kmあたりの費用は140円。つまり、5分の1以下。昼間で22円/kWhでも、440円。

・急速充電じゃなくて7時間掛けて充電した場合はもっと効率が高い計算(76%)で、ほぼ100円/100km。

・車両価格で50万円違っていても、5〜8万キロぐらいで元が取れる計算。これで比較対象の燃費が10km/Lだったりすると、半分以下で元が取れることに。

_

…すげー欲しいぞ。

メモ

普及進む太陽熱利用(日経BP)。…うむ。特に地中海沿岸みたいな日照時間の長い地方は発電の伸びが楽しみやね。日本でも熱利用なら十分に実用的。

欧州で普及が進むヒートポンプ(日経BP)…ヒートポンプっつーとなんか仰々しいんだが、要するに冷蔵庫やエアコンと同じ原理ね。単純にヒーター使うよりも、地面や外気から熱エネルギーを取ってきた方が効率良く暖められる。

うちの理事長のコラム(日経BP)…現状の捉え方として参考になるかと。長めだし、小難しい言葉も混じってますが(ぉ

中継点

・ようやく中期目標の設定の動きが。[毎日] [読売] [朝日]

これが決まらないと、お話にならない。

というのは、2020〜2030年頃までの技術的動向はある程度予測できるけれど、その先どうなるかは予測がつけにくいから(20年以上先の技術を正確に予測するなんて、無理)。

_

だから2050年の長期目標だけ決めても、現時点でどう対策を始めればいいのか、非常に決めにくい。というか、実質上、現状のように迷走を続けるだけになってしまうだろうと思う。それはたぶん、日本にとって(そして世界にとっても)最悪の選択肢の一つだろう。

_

いまやるべきことは、2030年ぐらいまでの間にできることを片っ端からリストアップして、それまでに各対策手法でどれだけの費用対効果を挙げられるか、出来る限り正確な情報を集めて評価することだろうと思う。

_

IPCCの報告ならば、大雑把だけれど、環境省の要約のP.64とかP.78が参考になるだろう。

_

例えば日本は省エネ技術が優れてるけど、建物の断熱などはわりといい加減で、削減の余地が大きいはず。断熱を強化すると、夏は涼しく、冬は暖かくなる。省エネ効果で費用的にも元が取りやすい。

ところが建物は何十年と持つので、対策の進行にはどうしても時間がかかる。そういうところは速攻で手をつけていかなきゃいけない。これは発電所などでも同じ。

--------

ここで電力についてクギ刺しとくと、

・再生可能エネルギーのコスト低減予測を無視したり、古いデータばかり使ったり(たとえば太陽光なら、この あたり を参照されたし)

・ウランや石油の値上がり(この あたり を参照)を無視したり

なんて真似は、そろそろやめて頂かないとまずい。定量的評価が難しくなる(というか、できなくなる)から。

_

それと、いい加減に電力系統の改良に本格的に手を付け始めないと、火力発電を減らすのが難しくなってしまうのではないか。あと欧州などはもう動き始めてるし、放っておくと関連産業的にも遅れを取ってしまうんじゃないかと思う。そのうち電気自動車とかエアコンなども電力網の制御に参加することになるだろうから、ボケッとしてると関連する規格を全部海外に取られちゃうんじゃないか?

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

Hari. [What do you think about this one? http://www.teslamotors...]

さくらぃ [あーHariさんだ。 Yeah, I consider it cool, superior to conventi..]


2008-06-03 (Tue)

入梅

昨日から梅雨入りしたようで。えれー早いな今年は。しとしと。

メモ

国立環境研究所など14機関が合同で、日本における温暖化の影響を評価した報告書を発表(SciencePortal)。国立環境研究所のプレスリリース。…これを待っていたー!長かった…(;;)。

まだ第一弾だけど、危険性の予測結果が列挙されている。サラッと書かれているが、よく見れば1つ1つの被害が兆円単位になりそうなものがごろごろ。対策が無ければ2030年頃には洪水被害額が年1兆円増加の見込み(P.16)とか、ぜんぜん洒落になってない。

_

参考までに、IPCCによる世界規模での影響予測はこのスライドがわかりやすい。

_

資金の流れが環境分野に向きつつあると政府が白書で指摘(毎日)。うむ。資金の流れ方が変わるだけではあるのだけれど、なにしろ巨額だ。しかも、影響は社会のありとあらゆる面に及ぶ。政策的には、たゆみない調整の努力と、可能な限りの透明性が求められるはず。

予測と動向

Photon Internationalが2010年の市場規模が25GWになると主張、賭けを公募。わは…多くの予想が7〜20GW程度の中、これは確かに最も大きな予測値…なんだが、不可能ではないな…。

太陽電池の工場はその気になれば1年未満で建つし、昨今は結晶シリコンを使う必然性も無い。アメリカとかアジア諸国の動き次第だ。

_

そのアメリカだが、最近Solarbuzzトップページの価格推移グラフで、アメリカの相場が下げ止まっている。欧州は順調に下がってるだけに目立つ。

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参考リンク:日本政策投資銀行による最近の動向のまとめ

新たな指標

EU、車の販売時にCO2排出量の表示義務づけを検討中(EurActiv)。…確かにここ10年ほど、欧州を訪れる度に、街で見る車がどんどん小型化していると感じてはいたが。時代の変化のなんと早いことよ。


2008-06-04 (Wed)

ダビング10の件

に関連して下記のような意見を見つけたのでメモ。

敵を間違えるな!ダビ10延期は最大のチャンス権利者団体記者会見の揚げ足を取ろう (krmmk3 さん)

理路整然として読みやすい。

_

権利者団体の方々へ。あなた方のお給料を稼ぎ出す、若い人達の邪魔をしないで頂けませんか?

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

まま [リンク先は話が冗長すぎて10行目くらいまでしか読んでないけど、、、 この件についてIRCで散々話してたときに、「複..]

まま [どーでもいいかもしれないが、さくらぃは↓は読んだかな? http://d.hatena.ne.jp/shibata6..]

sei. [それ、5/29付け日記で言及されてますがな>まま まあそのネタもJEITA側の身勝手さはいまいち表現されてない感じな..]

さくらぃ [いや紹介したリンク先にも書かれてるけど、複数のコピー作成した場合なら、録画補償金がちゃんとメディアにかけられてるわけ..]

さくらぃ [さらに言えば、(TVをあまり見ない)俺にとっては「気に入らない」程度だけれど、国際競争力の無いビジネスモデルにコスト..]

まま [>そのうえさらに増やす論拠としてはおかしい。 法的には「放送波をHDDや光学ディスクやテープなどに記録する行為」が..]

さくらぃ [>調子に乗る それで全体のパイをどんどん縮めながら、縮小再生産かいな。ガラパゴス気取りで鎖国してても、結局は国際競..]

naoya [あー。個人的な意見としては > コストかけさせられるメーカー ダビング10にかかるコストって実は携帯電話のいくつかの..]

まま [>ダビング10の実装はあまりにも容易なんじゃないかな。 現行のシステムを「タイトル毎(メーカーによってはチャプター毎..]

naoya [> 「タイトル毎(メーカーによってはチャプター毎)にダビング回数を全部管理する」 あー。そうなのか。 でも国内向け携..]

さくらぃ [ああなるほど。 確かにコストそのものよりも、商品価値を高めて競争力をつける可能性を奪われること自体のダメージがでかそ..]


2008-06-05 (Thu)

狙い撃ち型ウイルス

学会からのcall for papersを装ったウイルスメールとは。怖いですねぇ。

「学会からのメール」を装ったspamはもう珍しくないし。「それらしい学会」を騙った詐欺の話も以前ありましたっけ。

ロケットスタート

そういえば、CdTe薄膜太陽電池のFirstSolarが、来年には1GWp量産するそうだ(出典:先日のSanDiegoのPVSC)。…それって、昨年の日本全体の導入量の3倍以上だ。速すぎる。

腹をくくる

サミットを控えて政治も慌ただしくなってきた。

OECD理事会でも議論(読売)

平成20年版環境白書が発表。

・温暖化対策の福田ビジョンを発表[毎日] [朝日]…排出権取引が前進しつつあるようだ。でも一番重要なのは、中期目標をはっきりしっかり決める事だったりする。

温暖化やその対策は、あらゆるところに影響が及ぶ。だから、皆がはっきりした共通目標を持つほど、対策が効率よく進むはず。弊害も発生するはずだけど、解決までの道程がはっきりしていれば、対処もそのぶんメリハリをつけて行えるはずだ。

_

温暖化の対策手法はそれぞれ長所と短所があるので、複数の手法を組み合わせるのがいい…というか、そうしないと凄い額の無駄が出るはずなので、必要。

政策で言うなら、排出権取引、各種規制、税制優遇、環境税、そしてフィードインタリフなどの助成策も、必要になるはずだ。面倒くさいが、「銀の弾丸」は無い。

_

しかしここでモタモタしてる分だけ、温暖化対策費用の稼ぎネタが無くなる。技術も、人材も。

そのツケは競争力や国際発言力の低下という形で、すぐに跳ね返って来…いや、もう、既に思いっきり跳ね返ってきてます。


2008-06-07 (Sat)

へっぴり腰

温暖化対策として排出量取引とサマータイム制度を導入へ(読売)………。いや、確かに両方とも温暖化対策として効果は期待できるけど。とくに排出量取引は、鉄鋼などの産業に時間的余裕を与える策として必要なものだ。

でも、サマータイムって今すぐやるべきことか、と言うと、正直微妙だ。かかる手間の割には効果が小さいので、いつかは採用するのが合理的としても、優先順位としては低いと思う。

_

そしてこの2つとも、温暖化対策としてはどちらかと言えば補完的な手法だ。何度でも言うが、炭素税(環境税)やフィードインタリフは必ず必要になるはずだ。それぞれエネルギーコスト上昇に繋がるのだが、それによる産業空洞化などの悪影響を抑えるのが排出量取引。つまり排出量取引は(どちらかと言えば)「アメ」なんであって、アメだけ与えて「ムチ」は無し、という状態だ。これだけでは排出量はろくに減らせないはずだ。

_

たぶんこの案、経団連あたりから出された要求なんだろう。でもその経団連の考え方自体が古すぎる。彼らは、まだ下記のような情勢の変化を認識できていないように見える。

_

・温暖化対策のため、排出量を抑制する必要がある。そうしなければ、最終的には温暖化によって経済が破滅的影響を受ける(その可能性がとても高い)と思われるから。

・つまり、世界経済は排出量を減らすか、温暖化で破滅するかの二択を迫られている。…ここが肝心な点だ。温暖化がそれほどの危険性を持っているということを、認識して貰わないといけない。それこそIPCCの報告書でもStern報告でも何でも、納得いくまで読んで頂きたい。もちろん、100%完全な予測なんてありえない。でもその確率が高く、かつ被害が大きいとなれば、対処の必要性は明らかだ。国立環境研究所のQ&Aも、参考になるかも知れない。

_

・経済的な観点から、取るべき選択肢は前者、「排出量を減らす」、だ。では、どのように?

・CO2の回収・貯留は役立つが、基本的には時間稼ぎだ。それに対策手段としてのコストも高めの部類なので、これにばかり頼れば経済的なダメージが無用に大きくなる。

・従って、結局は化石燃料の使用量を減らさないといけない。化石燃料に代わるエネルギー源に置き換えて行くしかない。

_

ここで、

・ギリギリまで古い(化石燃料に依存した)技術に拘った場合

と、

・積極的に化石燃料を他の技術で置き換えて行った場合

を比べて考えてみて欲しい。化石燃料の利用量削減が不可避なら、どちらに将来性があるだろうか?

もちろん、前者の視点だってそれなりに必要かも知れない。でもここで問題にしているのは、10年、20年、30年といった先を見据えた話だ。そのへんで遊んでいる子供達が成人して、家庭を持つ頃の話だ。

_

まぁ僕は経済学は素人だし、書き方も下手だろうし、そこは勘弁して頂くしかない。でも、積極的に対処することで勢いを得ているドイツの産業界から学ぶことは山ほどあるんじゃないだろうか。

_

参考リンク:

低炭素社会に向けた12の方策(国立環境研究所などによる)

本日のツッコミ(全11件) [ツッコミを入れる]

unbelievable [サマータイム導入の根拠って、夜間の仕事時間が減るから照明にかかる電気が節約されるっていう理屈だったと思うけど、湿度の..]

さくらぃ [うーん…エアコンの件は確かにそういう要素もあるかも知れないけど、涼しい朝のうちに活動を済ませるし、夕方以降の職場の照..]

まま [>官公庁だけ試しに出退勤時間を1時間ずらしてみて とりあえず財務省だけ実施で是非。夜はタクらなくても余裕で帰れまっせ..]

sei. [日本で現在いろんなシステムに要求されているサービスレベルを考えると、このまま「来年から導入」なんてことになったら切り..]

sei. [あと、日本は非常に東西に長い国だというのも事態を複雑にしてると思います。北海道でサマータイムを切望されるのはすごくよ..]

naoya [個人的には日本のタイムゾーンをいじるのはデメリットがありすぎると思うので絶対反対です。夏の間だけ勤務時刻を1時間早め..]

さくらぃ [私もタイムゾーン制は反対。 というか欧州も省エネのためにサマータイムの期間を拡大してて、始まったばかりの時は朝はまだ..]

さくらぃ [つかsei.さん、2ch読み過ぎちゃいますかね(びしっ]

unbelievable [イタリアのサマータイムは空調が普及する以前からやってるから効果が上がったことを証明するデータとしては弱いのでは? ..]

sei. [あーラジオ体操ネタでばれたんだと思うけど、2chは読んでないけど /.-Jは読んでますですよ。]

さくらぃ [うん、特需については僕も正直疑問。それだけをアテにしてるんだとしたら、非生産的なのでむしろマイナスですな。 _ 省エ..]


2008-06-08 (Sun)

もうひとつの未来型

トヨタ、−30℃対応の燃料電池車が型式認定取得(フジサンケイ)…をーすげー。車はたぶん、こういう「水素+燃料電池」なタイプと、電気自動車に置き換わっていくんじゃないかな。前者は今の自動車をそのまま置き換えられる。後者はどこでも充電できて燃費が安価な利点を活用して、短距離専用から普及するだろう。電池の性能が伸びてくれば両者はオーバーラップするが、たぶん共存するんじゃないかと感じている。

_

水素は色んな手段で得られるし、水さえあれば こんな 風に どこでも製造できたりするので、非常にフレキシブルだ。

_

ちなみに水素自動車だが、水素は軽くてすぐ上方に逃げていくので、下に流れ落ちて車両全体を包み込むように燃やしてしまうガソリンよりもむしろ安全と聞く。出典は下記。ただし5年前の本なので、もっと新しい情報を探した方がいいと思う。

図解・水素エネルギー最前線(文部科学省科学技術政策研究所科学技術動向研究センター)

web上では下記のようなものを見つけた。

実際にトンネルの中で燃やしてみた実験

消防庁資料

既にいろいろ研究が進んでいるようです。

通り魔事件

…ひどすぎる。

犠牲者のご冥福をお祈りします。

メモ

原油高で世界中で問題発生中(朝日)先進国が産油国に文句(読売)…視点を変えれば、こんな不安定なものに世界中が依存してるってのが、ある意味おかしい訳で。全否定はしないけど、欠点があることぐらい認識してないといけない。それに社会がどれほどのコストを払っているのかも。

枯渇性燃料相場って要するにジャンク債みたいなもんで、将来価格の予測なんてロクに当たらない。ジャンク債だけに投資するのを当然と考えるなんて、異常だと思いませんか。

IEAのレポート

がハノーバーでの予告通り、サミット前にリリースされた。

IEA、排出量削減のコスト見通しを発表(フジサンケイ)。[概要スライド] [プレスリリース] [全文]

・コストが一番少なくて済むのは省エネ、次いでエネルギー供給。最も高額なのがCCSと輸送用燃料の置換で、ここからはぐっとコストが跳ね上がる。(概要スライドP.7)

・徹底的な対策には45兆ドル、GDPの1.1%が必要。(P.10)…これはStern Reportとも整合する。

・その場合、2050年に再生可能エネルギーが全発電量に占める割合は46%に。(P.11)

・コスト自体は問題ではない。負担の分担が鍵となる。(P.10)…生活水準が下がったりする訳ではなく、それだけ産業の構造が変わるって事だ。

・自動車がどうなるかについてはまだ判断つけかねてる。HV,EV,FC、どれも普及する可能性があると見ている。(P.14)

_

んで結論(P.18)としては、

温暖化ガス排出量の大幅削減は技術的に可能

世界的なエネルギー技術革命が必要、途上国の参加も不可欠

事は急を要する。様々な障壁の撤去、融資、計画性などの必要性が指摘されている。

_

その他参考資料:

ドイツ産業界の要請で作成された温暖化対策費用と効果のレポート(Costs and Potentials of Greenhouse Gas Abatement in Germany)。コストカーブも載っている。

そういうわけで

一年当たりに直しても世界で年間平均120兆円規模の変化を起こさないといけない、という内容なんですが。これを経済のプロな方々が将来計画で考慮されない理由は無いと思います。\

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参考:環境省のプロジェクトの報告


2008-06-09 (Mon)

通過点

・温暖化ガスの中期削減目標を2020年までに05年比14%減に設定へ:[読売] [朝日] [毎日] …おぉ。とにもかくにも、一歩前進か。一部お偉方が古い考え方に囚われている(らしい)中、この短期間で指針を示せただけでも成果だと思う。ここからがまた大変だけど、ごまかしを排除して正確なデータを使うように心がければ、最適の道は自ずから議論の余地の少ないものになるはずだ。

_

関連記事:日経BPの塩崎議員へのインタビュー

ちなみに

太陽光発電のポテンシャルを参考までに記しておくと、仮に"PV2030"ビジョン(これは2030年の目標だけど)のように100GWp導入すると、

設備量1kWpあたりの発電量は(日本における実績で)年間1000kWhぐらいなので、100GWpならば年間発電量はだいたい100TWhぐらい。

・排出量の削減量は、電力量あたりの効果を600g-CO2/kWhとして、年間60Mt-CO2。日本の年間総排出量は1274Mt(2006年)なので、その約5%を削減する効果が出る。2020年時点では1%強。ややスロースターターなのは先行投資ということでご勘弁願うしか無いが、国全体の収支バランスとしては、(ドイツのように)輸出産業としての利益でお釣りが来るはずだ。もちろん、最初にドカンと投資してしまえばもっとペースは速められるけど、省エネなど他の対策にも費用を回す必要性からはこの程度が妥当だろうと思う。先に紹介したIEAのレポートの通り、エネルギー関連の対策では、最も費用対効果の高いのは省エネ(しかも建物などが相手だから、急ぐ)なので。

_

年間1GWpから増やしていって2030年までに100GWp導入するペースの場合、2029年には年間9GWpぐらい導入する計算。半分を輸出した残りだとすると、国内生産量は18GWpぐらいとなる。

これに対して、2030年の世界市場規模は数100GWp規模などと言われているので、「18GWp」は全くと言って良いほどカワイイ量だ。半分と言わず、輸出比率が7〜8割以上(つまり国内生産量が30〜45GWp以上)になるよう、国内生産分の競争力を高めるのが望ましいだろう。そしてそこから得られる利益を、国内外での温暖化対策に回すのだ。これは技術だけでなく、量と政策の勝負でもある。

_

たとえば年間20GWpを輸出したとすれば、コストが15万円/kWh(現在の4分の1)まで下がったとして、年間の輸出額は3兆円。国内で与えた付加価値を20%としても、年間6000億円分の貿易収支への寄与になる(この付加価値の割合が実際どのぐらいなのか、僕は知らない。もっと大きいような気がする)。そこから、CCSや電力系統の改良など、国内外でのさらなる排出量削減策に回すことができる。この数字はすごく大雑把だけれども、太陽光発電にはそんな規模のポテンシャルがある、ということだけは忘れないで欲しいと思う。

コストダウンの余地

なお、上記でコストが現在の4分の1になるとおいているが、これも十分に可能だと思われる。というのは、最近市場シェアが増えてきている薄膜太陽電池の場合、液晶みたいにドでかいマザーガラスを一気に太陽電池に仕立てて、必要なサイズを切り出す、という量産手法でコストダウンが可能だからだ。現在はまだそこまで自動化が進んでおらず、工程間に人手が入ったりしているので、高くて当たり前だったりする。

さらに現在の価格では、流通コストの割合も大きい。実は半分近くが流通や設置のコストで、販促費・輸送費や人件費をたっぷり含んでいる。流通量が増えるだけで、これも数分の1に圧縮可能と予測されているのだ(Japanese-German Photovoltaic Energy Initiative Symposium, Hannover,4 Apr 2008 でのシャープやQ-Cellsの発表による)。

というような状況なので、たとえ「何かすごい技術的ブレークスルー」が全く無かったとしても、単純に流通量を増やすだけで何割ものコストダウンの余地がある。もちろん技術開発だって続ける必要があるけれど、いま走り出すのに十分な材料は、日本には既に揃っている。企業側も準備を整えつつある。今度は、政策が仕事をする番だ。

_

投資無くして利益なし。


2008-06-12 (Thu)

KMC方面に業務連絡

0x20周年は来週末やぞ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

kuma [がー、仕事があって参加できん……]

さくらぃ [あら残念…。なんかいまのとこOB(卒業したて含む)が50、現役が30ぐらいの数だそうな(笑)]


2008-06-14 (Sat)

「水だけでエネルギー」の件

おーい、こんなのに騙されないでくれ。

_

・水+何らかの形で入力したエネルギー(A) → 酸素+水素

・酸素+水素 → 水+取り出すエネルギー(電力)(B)

_

おおかた電池の中に反応性の物質(ナトリウムなど、水から酸素を奪って水素を発生させるエネルギーを持ったもの;自分自身は酸化される)が隠してあるじゃろ。その物質を作る段階でエネルギー(A)が入力されているはずだ。

_

確かめる方法。

・その1:「水(H2O)から水素(H2)を取り出すのはいいけれど、酸素(O)はどこへ行ったんです?」と質問する。

・その2:「水からエネルギー取り出して、また元の水に戻るんですよね。そのエネルギーってどこから来るんですか?」と質問する。

・その3:「これでクルマを動かすとき、何を買わないといけないんですか?」と質問する。…たぶん、その「触媒」とやら(実はこれこそが燃料)を山ほど買わないといけないんじゃないかな。

_

(追記)つか、水と反応する金属を使っていて、その反応が終わると発電も終了すると言ってるやん。しかも反応生成物(たぶん強アルカリ溶液)は排出されるとか言ってるし…要するにただの一次電池(=内蔵のエネルギーを一度使い切ったら終わりの電池)やん。


2008-06-15 (Sun)

メモ

まとめて。

超伝導で電気自動車(フジサンケイ)。…ゴミをエネルギーに変えてタイムトラベルできる車はまだですか(ぉ

_

独Q-Cells、今度はメキシコに進出(REW)…ドイツの技術は世界一ィィィ(違

いや私はさすが電撃作戦の国、と思ってる訳なんですが。隣の米国は薄膜(a-Si,CIGS,CdTe)で迎撃するつもりみたいだけど、どうなるやら。

_

元祖「電撃作戦」は物材を破壊し、人を死傷させるためのものだった。

でもこの「PV版の電撃作戦」は、価値を生み出し、人を守るための戦いである点が決定的に異なる。そしてその戦いが激しければ激しいほど、世界全体の利益は増える。

_

中国の環境負荷拡大中(SciencePortal)。あの国なんとかしてくれ。

中国Suntech、太陽電池モジュールメーカーMSKの残りの株式も取得(REW)。

実はMSKは建物一体型の太陽電池(Building Integrated PV)で世界指折り、シャープと並ぶ隠れたトップクラスの日本企業だった。少なくとも、注釈無しで海外で報じられるぐらいには有名。しかも、成長中の分野。

…それでもプロか。>誰となく

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米国Hemlock、太陽電池用多結晶シリコン原料の大幅増産開始(REW)。昨年に比べて倍増、世界トップクラスの生産量に。さらに拡張を続け、2011年にはさらに倍(つまり2007年の4倍)になる予定。

_

アラブ首長国連邦で太陽電池の生産計画が進行中(PhotonInternational)。オイルマネー流入中。なんせ地理的条件は完璧、年間360日は晴れると来ている。

…そこそこの性能の多結晶シリコンなら、工場ごと買える。シリコンの原料もある。先進国が安く売ってくれないなら、自分たちで造ればいいわけで。

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独ボッシュ、太陽電池メーカーersolに11億ユーロ追加投資、完全買収へ(reFOCUS)。他業種の巨人も参入。

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StatoilHydro社、ノルウェーで世界初の浮体式洋上発電所が建設へ(reFOCUS)。…こういうのって掘削リグの技術が使えるそうな。しかしごついなこれ。最初は特殊な用途から使われるんかな。

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昨今の食料値上がりはバイオ燃料のせいではない、と英研究所が分析結果を発表(reFOCUS)。確かに影響はしているけどそれは要因の8%程度。大部分は原油の値上がりとドル下落が原因、とのこと。

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海面上昇に脅かされるセネガルの都市(BBC)。海流と川に挟まれていて危険らしい。

しかし最もシャレになってないのはバングラデシュ(JICA)だろうな。

国土の8割方が海抜数m程度しか無く、日本よりも多い人口が住んでる。そして海面上昇量はIPCCの昨年の報告よりもっと高くなるだろうと言われている(BBC)。

日本だと直接の水没のほか、川や海岸の堤防の強化、地下水への塩水混入→農業・工業・生活用水への影響、地下水位上昇による地下構造物へのダメージ、洪水・高潮被害の拡大、砂浜や干潟の消失、…人ごとじゃないよ。

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というか、職場にはそのバングラデシュからの留学生も居る。真面目で優秀な学生だ。危機感は俺らの比じゃあるまい。

梅雨寒?

昼は暑いぐらいだが、朝晩は涼しい。まだ上着が要る。


2008-06-16 (Mon)

巨大潜水艦、もう一隻

IBMと東京応化、CIGS太陽電池の開発を表明。…アメリカでなんかデカいところが動いてるみたいだなぁと思ってたら…IBMかよ(爆)

「本職」の半導体メーカーの参戦表明は初めてのはず。発表するってことは、もうそれなりに進んでるんかなぁ。

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ベンチャー天国だったCIGS系も、騒がしくなって来たなー。

フィードインタリフの解説の件

いきなりPDFというのも難なので、簡単に入口を作成。リンク先はこちらをお奨めということで。

火力発電のコスト

現在の原油価格+排出権で考えると、火力発電は場合によっては20円/kWhを超えることも(daiさん)…値上がりしてるだろうとは思ったけど、ここまでとは。

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ついでに天然ガスについて計算してみた。

発熱量: 54.5MJ/kg

財務省貿易統計の2008年4月の液化天然ガス輸入金額を輸入量で割ると、平均59.8円/kg

ガスコンバインドサイクル発電の効率を52%として、そこから所内使用量と送電ロスを引き(各4〜5%)、受電端までの効率を48%とおくと、燃料代は 59.8yen/kg / 54.5MJ/kg * 3.6MJ/kWh / 0.48 = 8.2円/kWh

こちらは重油の場合ほど燃料代は高くない。でも5年前(4.1円/kWh)や10年前(3.0yen/kWh)に比べて4〜5円/kWhのコストアップ要因になってるようで。

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(追記) daiさんからツッコミを頂いた。上記は最新鋭機の値で、同じLNGでもボイラー炊きが多い現状ではもっと平均効率が低くなる、とのこと。…確かに東京電力の火力発電所の一覧(これはもう5年前なので今はもっとマシかも知れないが)などを見ると、発電端で40%切ってるようなものもある。

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ということで受電端効率がもっと低い場合の値を記しておくと、

44%: 9.0円/kWh

40%: 9.9円/kWh

36%: 11.0円/kWh

これに排出権の価格が加わるので、いずれにしても10円/kWhは余裕で越える。特に、設備が比較的旧い火力発電所は厳しい…。

クルマ乗ってられない

ガソリン、180円越えへ。…みなさんチャリに乗りましょうチャリに。

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つ−かつくばにもLRT導入して、自転車も乗せてくれたら最高なんだけどな。道路幅に余裕あるから、すぐ敷設できるぞたぶん。さらにSWIMOとかにすれば架線も最小限に。

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でもつくば市はお金がないから、どこか企業体が一括して事業を引き受けてくれると良さそうだなぁ。以前名古屋?でフランスあたりの企業が持ちかけてこなかったっけ、そういうの。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

AoVA [つくばLRTそれは見果てぬ夢 研究学園都市が発足した当初からその計画は存在し 筑波大学あたりから土浦や荒川沖まで引っ..]

さくらぃ [うぉ、すごいなこれ。 まぁ用地は既にある(!)のでいつかは建設されそうな気がするにゃー。 これ以外にも東西南北の..]


2008-06-18 (Wed)

ツッコミ

温暖化対策に関する経団連のリリース。…うーん、まだまだつっこみどころ満載やなぁ。

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とりあえず再生可能エネルギーの活用のあり方に突っ込んでおこう。IEAが昨年ドイツの制度を批判したことがあるというくだりについて。これはたぶん、日本でも気付いてる人が少ないから。

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経団連が言及してるレポートはIEA, Energy Policies of IEA Countries – Germany 2007 Review, Jun 2007。これはドイツの制度(フィードインタリフ)の成功を褒めちぎりながら、その見直しを迫っている。

・まず、主な論拠が、「国際的な電力取引の妨げになる」。…もちろん、日本には全くあてはまらない。

・同時に、「価格を下げるには、(電力)市場での競争が最優先」。…これは運転コストの比率が無視できない火力発電や原子力発電などの考え方で、クリティカルな間違い。太陽光の運転コストなんざ、無視できるほど少ない…燃料いらないんだから。肝心なのは設備の市場での競争。当然EU内は関税無しで、これ以上"market-based"にしようがないぐらいオープンだ。

・さらに、フィードインタリフの額が高い高いとは言っているけど、「高すぎる」とは言ってないし、やめろとも言ってない。そう言い切れるだけの論拠を示せていない。

・とどめに、つい最近IEAが出したレポートでは、TGCよりもフィードインタリフ(FIT)が優れている(TGC=グリーン電力証書制度。日本のRPS制を含めたquota制で主に使われる)と、当のIEAが認めている。IEA, Energy Technology Perspectives 2008, Jun 2008を見よ。

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と言うわけで、「IEAが批判してた」というのは全く論拠にならないばかりか、それを論拠に使えば恥をかくだけだ。前にも書いた。

このあたりはフィードインタリフの解説のFAQに既に入れてあるので、参照されたい。

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件のレポートは、書き方としても疑問点がたくさんある。

たとえばこの執筆陣は(obligationという遠回しな表現で)quota制を勧めていながら、これの欠点には一切触れていないし、例として挙げている事例もフィードインタリフに勝る効果を挙げている訳ではない。quota制が無駄も多く効果も劣ることは経験的に自明と言われているのに、それの方が優れているという実際の証拠は何もない。

レポート全体を頭から尻尾まで良く読めばわかる(というか、そうしないと分からないようにobligationやmarketなどの単語が配置されている)のだが、結局は論理的に筋が通って無くて、詭弁と呼べるような内容の報告書だったりする。

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世の中には色んなことを言う人がいます。でも少し勉強するだけで情報の信頼性はすぐわかるはず。それこそ、僕のような若造でも突っ込めるぐらいに。…対策に力を入れることで実際に活力を得ている国々を、自分の目で見て判断しないといけないと思います。

日本の経済背負ってるんですから、もっと勉強して下さい。

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以前みたいに片っ端から温暖化対策をバッシングして足を引っ張りまくってた頃に比べれば、前進だとは思います。でも上記のような先入観に基づいた批判ごときに引っかかってるようでは、失礼ですが、まだまだ検討不足だと思います。

温暖化対策は新しい経済効果も生みます。人の足を引っ張るのは、対策費用と経済効果をバランスさせながら対策を進めるにはどうしたら良いか、検討してからにして下さい。単一の対策で片付くほど、事は簡単では無いはずです

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急いで下さい。あなた方自身が、今もっとも日本の足を引っ張っていると思います。それも、特に若い世代の足を。


2008-06-19 (Thu)

議論は進む

先日の日本における被害予測発表などを受けて、国内でも適応策や対策の議論が始まっているようだ。

主催:国土交通省、日本水フォーラム、共催:環境省のシンポジウムの報告(日経)が上がっている。皇太子様もご臨席。…これはわかりやすい。興味ある方なら一読の価値があると思う。

・環境省が必要な対策の報告書を発表:[毎日その1][毎日その2][読売][朝日]…こうした「適応(対症療法)策」は当然必要な訳だが、問題はこれは基本的に非生産的であるということだ。

温暖化の被害は、戦争のそれに近い。基本的には物材や人命が失われる形で現れる。その被害を復興したり対策したりするための需要は発生するものの、全体では被害を受けた分や余計に対策が必要になった分、何らかの形で損失となる。温暖化の進行と共にじわじわと拡大し、経済や社会にダメージを与えていく。

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これに対して、「緩和」、つまりCO2排出量削減などの根本的対策は、最初ははっきりいって金ばかりかかる。が、金がかかる分は新しい技術や産業を生むので、実は経済活動全体では特に大きな損失が出るわけではない。

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だが緩和策をぎりぎりまで実行せず、尻に火が点いてから急激に進めた場合、それは多大な損失を生む可能性が高い。なぜならそれは、既存の設備や技術を急速に破棄したり、世代交代を待たずに人材を別の分野に投入したりすることを意味するからだ。

これは温暖化対策を進める上で重要なポイントの一つだ。10〜30年程度の時間をみて早め早めに対策を投入していかないと、結局はコスト面で不利になるだろう。

そしてもちろん温暖化の被害も、対策をサボっていた分、増大することになるはずだ。


2008-06-20 (Fri)

さいえんすかふぇ

つーことでカフェの講師やらせて頂いたり。原理説明やっぱ難しい…突っ込んでいくとすぐに量子論の世界になっちゃう。でも力を入れて説明したらそれなりに手応えはあった気が。

参加頂いた方々、有難うございました。資料はこちら

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政策に関する質問が多かったので、やっぱりFITの話も入れた方が良かったかな。

とりあえず補足資料としてフィードインタリフ入門を挙げておきますが、ちょっと専門的な書き方なので分かりづらい点も多いだろうと思います。

本当の「入門」編も作らないと… (^^;;


2008-06-21 (Sat)

0x20周年

大学時代のサークルの会合に参加。そうそうたるメンツの講演が聴けて、いやぁ面白かった。世話して頂いた方々、ありがとうございました。

殆ど徹夜だったので深夜の部まで参加できなかった。残念…適当にホテルに転がり込んで沈没。

補足情報

温暖化に関するデマが気になる方々には、下記をおすすめしときます。

ココが知りたい温暖化(国立環境研究所)…大抵のネタはこれで撃退できるはず。

地球温暖化への懐疑論に関する考察(増田 耕一, 明日香 壽川, 吉村 純, 河宮 未知生, 日本の科学者, 41 (2006) 492 - 497.)…big pictureが欲しい方はこちらが参考になるかと。

地球温暖化問題懐疑論へのコメント…いくつかの事例に関する詳しい解説。

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…と思ったら良い本が出ているのを発見。

地球温暖化のしくみ (図解雑学)(寺門和夫/江守正多)

国立環境研究所の江守博士監修の解説書。イラストもデータも豊富でわかりやすい。「一家に一冊」級と言える。

ニセ科学な懐疑論に振り回されて恥をかく前に、まずこれを読まれることをお勧めしたい。


2008-06-24 (Tue)

ようやく認識して貰えた?

Intelも太陽電池に参戦なんてニュースが流れたせいか知らないけど、経産省もようやく助成政策の必要性を認めはじめたみたいやね。でも具体的にどうしたらいいか、まだ迷ってるみたいやなぁ、、。

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とりあえず、いま思い当たる範囲で意見を書いておきます。

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以前書いたとおり、太陽電池にはかなりコストダウンの余地があります。それは間違いないです。欧州のPV業界もオフィシャルに表明してる通りです。

が、値段を下げるにはそれ相応の投資が必要です。でっかい工場を建てて量産効果を出して、流通量も増やしてコストを下げないといけません。

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失速してる日本の現状からいきなり「3-5年」で半額を達成しようとするのも可能だとは思いますが、けっこう強引に進めないと、どこかで部材や人材の調達が間に合わなくなるリスクも高いと危惧します(たとえば白板ガラスなどが逼迫してると聞いてます)。受け入れ体制としても、役所&電力会社側の事務をワンストップサービスにするなど、急増に備えておかないとハマります(たぶん昨年のフランスがその実例)。

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その一方、前出のように欧州の連中は「2020年まで(つまりあと10年ほど)の間に半額にする」と公言してる(&実際にそういうペースで進めてる)し、米国も既に(安い太陽電池を造れそうな)first solar やnanosolarがガンガン工場建ててますから、これ以上モタモタしていられない状況でもあります。負けたら風力発電機の状況よろしく、国内も全部海外メーカー品や逆輸入品、なんてことになりかねません。

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国内での部材調達や生産体制などの状況次第ですが、少しだけ立ち上げの余裕をみて、価格低減&普及の目標ペースを「5-8年後に半額」程度に定めるのが(出費の面でも)無難ではないかと感じます。(ただし原油がさらに上がり続けるようなら、もっとお金を掛けてでも急ぐ価値が出てくるかも知れません。)

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制度的には、シャープの堺サイト以上の規模の工場を幾つも建てる必要があるので、それ相応の投資の安全性が必須です。これが無ければ、その分コストダウンが遅れるはずです。

この観点から(しつこくて恐縮ですが)、やはりフィードインタリフ制度が最も投資しやすく、制度もより簡単で、費用対効果が高くなるだろうと思います。

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なお、一口にフィードインタリフ制と言っても国別に色々工夫の余地があります。例えば

・既に導入した個人や企業への配慮

・系統側でかかった費用の分担

・大口電力需要家にどう配慮するか

・専用融資制度や税控除との組み合わせによるタリフ額の抑制

・ドイツのようなfixed tariffでなく、スペインなどで採用されているpremium tariff(電気料金に上乗せして買い取るタイプ)だと、現行の余剰電力買い取り制度との親和性が高いかも知れない。ただし費用対効果は悪くなる(電力会社にとってもfixedの方がメリットが多いかも)

などに関してカスタマイズする余地があります。柔軟な制度なので、最初は比較的単純なしくみで限定的に試して、あとから実情に合わせて作り込んでいくのが定石だと思います。逆に最初から”フルスロットル”で施行するならば、制度設計にかなり気を遣わねばなりません。

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こういう要点を確実に押さえれば、その分コストダウンが早まるだろうと思います。逆に今のように制度設計で迷ってるようなら、少し時間的余裕をみた方が無理がありません。(ぶっちゃけて言いますと、現状ではその政策のふらつきが一番の律速要因になると思われます。部材メーカーも太陽電池メーカーも、政策リスクの分だけ、国内の投資を控えると考えられますので。)

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上記のフィードインタリフ制度の場合は国庫を傷めず、負荷も複数年(20年とか)に分散します。一方、補助金制度だとそれなりに税金が必要になります(大雑把に半額補助として、現状(300MWp/yr,60万円/kWp)で1000億円/年ぐらい…たぶん普及ペースが上がると一度増えて、値段が下がるにつれて減る)。むぅ、それでも思ったよりは安く済むな(汗)…これで将来年間数兆〜十数兆円分の市場を確保すれば、それだけで国として十分にお釣りは来るだろうが、果たしてそこまで効果がでるかどうか。

もし補助金制度を採るならば

・年数を最初から限定する(必須)

・最初に導入した人ほど得になり、後で買った人ほど利益が減るようにする(必須)

・なるべく過大/過少にならないよう、2年ごとぐらいに普及状況に応じて調節する(普及ペースを守る仕組みを入れる)

などの工夫が必要と思います。

また発電量に応じた調整(FITにおけるstepped tariffに相当)などがやりにくいので、やや無駄が多くなるのも覚悟してかかる必要があります。

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こういう制度設計についてはこれから議論したらいいと思いますが、買い控えを防ぐためにも、既に導入した人への配慮は真っ先に欲しいですね。

両親宅が既に導入してるので、自分からはちと言いにくいですが(苦笑)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

ひむか2号クン [補助金の場合は過去の分への配慮は一切されないのがこの国の掟です。(苦笑)既に補助金でやったものとの整合性はどうするの..]

さくらぃ [ご意見ありがとうございます。 ご意見にさらに補足ですが、 仮に現状のままずっと放っておいた場合、将来充分安くなった..]


2008-06-25 (Wed)

落としどころ?

某所でも議論になったけど、こんな感じにまとめられるかな。

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フィードインタリフ制度

長所:制度的な無駄が少なく、計画性が高い。効果が強く、透明性に富む、既に導入した人にも恩恵がある

短所:特に特有のものは無い

財源:電気料金(国庫は傷まない)

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補助金:

長所:官僚的には使いやすい?

短所:無駄が多くなりやすい、計画性を保証する工夫が必要、途中で調整を加えるのがやや大変、そのままだと先に導入した人に恩恵が無いので買い控えを招く、

財源:税金(電気料金は上がらない)

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あと共通の問題としては、そもそも日本では温暖化の危険性や対策の必要性がまだあまり理解されていない(導入までに時間がかかる可能性がある)というのは言えるが、まぁこれはどの温暖化対策にも言えることだ。

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モタモタしてると国益を損なう危険性が高いのも確かだ。補助金でとりあえず体勢を立て直しておいて、その間に改めてFITなどの制度導入を検討する、という主張も一応の合理性はある。

でも補助金を使う利点は「すぐに導入できる」ということぐらいしかないので、それが来年度からとなるとメリットが薄い。最初はすぐ導入できそうで良いかナーと思ったのだが、FITだってその気になればすぐに導入できる。

しかも補助金は今年度の買い控えも招くので、その弊害の方がむしろ大きそうだ。どうしても補助金の形態に拘るなら、買い控えを防ぐ施策が早急に必要。

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というわけで色々考えてみたが、やっぱり補助金はメリットが薄い。同じ金をかけるなら、フィードインタリフを入れるのが正解だと思う。最も重要なのは普及や価格低減の計画が守られることなんだけど、それを一番確実にできる助成形態だから。

メモ

ひさびさ。

フランス、残りの電力は全部再生可能エネルギーへ(日経)…使えるものは使わなきゃ損。

関電とシャープ、堺に大規模発電所(日経)…いやこれ自体はええニュースなんやけど、関電さんてほんまに分散型嫌いなんやなぁ、という気が。…1カ所に集中させてしもたら、変動激しくなりますがな。先入観だけで判断したはると、ちと損しまっせ。

nanosolar、1GWの生産ラインを構築(REW)…ビデオが面白い。でも「効率14%」ってのは小面積で、モジュール効率じゃないな。

Evergreen Solar、6億ドル分受注(REW)ストリングリボン法を用いてシリコンウエハを溶液から直接作ってる企業。

2012年にはPVのコストも5〜8ユーロセントを目指すとREC社(Photon International)。高日照量(1800kWh/m2)の地域での予測だが9〜14円/kWhぐらいの計算。

EU、京都議定書の目標をほぼクリア(Technobahn)…彼らは努力して目標の達成と経済の活性化を掴み取ったと言える。

…殻に閉じ籠もっていれば嵐が過ぎると甘く考えていた方々、いい加減に若人の足を引っ張るのはやめて頂けませんか。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

ひむか2号クン [補助金は即効性があると言われますが、残念ながら、今年の国内市場は無くなりましたね。来年はあるかもしれないが・・・。F..]

さくらぃ [ええ、私も補助金に何か長所はあるかなーと色々考えてみたんですが、やっぱりFITに戻ってしまいました。さすがドイツ人が..]

ひむか2号クン [補助金では見えなくなり価値がありますねぇ〜。太陽光発電やってみて分るのは農業とそっくりだということ。つまり、太陽の光..]

さくらぃ [>先送り まったくです。 -------- 補助金とFITの違いについて興味深い考察を見つけましたのでリンク。 h..]


2008-06-26 (Thu)

宣伝

うちのセンターの報告会を来月28・29日の2日間に亘って開催致します。昨年以上の混雑が予想されます。申し込みと、当日のお越しはお早めにお願いします。

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また、その前の26日(土曜日)は産総研つくばセンターの一般公開です。奮ってご参加下さい。ここ2年ほど梅雨明けが遅れて雨に祟られましたが、晴れたら太陽光発電研究センターのブースが狙い目でございます。:D

# 去年は国立環境研究所も同日開催だったんで両方回られるお客さんも多く見かけたんだけど、今年はどうするのかにゃー。


2008-06-29 (Sun)

…届いた?

経産省、導入費用を電力料金に転嫁する方式を検討へ(読売)…フィードインタリフ…なのか?もしそうだったら全力でサポートさせて頂きます

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えーと一般家庭への影響を概要だけ記しておきますと

・自宅の太陽光発電システムで発電した電気は、予め決まった額で、一度全部買い上げられる。この額は太陽光パネルの導入費用の元が取れて、多少の利益も期待できるよう、導入した時点で長期間(たとえば15年間)決定される。

・家で使う電気は、通常通り電力会社から買う。

・何年で金銭的に元がとれるようにするかは、導入目標量に応じて決められる。ドイツの場合、10年程度と言われる。

・費用は電気料金から徴収されて、その分は常に明示される(制度の透明性が必要不可欠なので)。ドイツの場合で家一軒当たり月500円程度(太陽光・風力・バイオマスなど、再生可能エネルギー全般の導入費用)。

という仕組みになります。

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ちなみに、現行の「余剰電力買い取り制度」(電力会社のボランティアの制度)ですと

・家で使い切れなかった分だけを、電力会社が決めた値段で買い取って貰う(通常、電力料金以下の値段)

・それでも金銭的に元が取れるまで、現状では20〜30年(以上)かかる。取れない場合もある。

・財源はやはり電気料金だが、その分の費用は特に明示されていない。制度的な無駄が多い(電力会社のせいということではなく、助成の出し方そのものの効率が悪い)ので、フィードインタリフと同じ効果を出すならば、負担がもっと大きくなると考えられる。

という違いがあります。(注:環境的には、1〜2年程度で元が取れます。値段とCO2排出量は比例しませんよ!)

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簡単に言うと

・今まで:「自分の家で使うついでに、余った分をちょっと売る。元は取れないかもしれないけど…。」

・フィードインタリフ:「屋根を提供して、状態も時々点検したりする代わりに、多少の利益を貰います。」

という違いになります。追記:利益が保証されているわけではない。「何か大きなトラブルが無ければ、多少の利益が期待できるような額で電力を買い取ってもらいます」がより正確な表現。

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絵入りの資料はしばし待たれたし。…家庭向けバージョンを作ってみました。なるべく平易な内容に手直し。もっと内容絞ったものも作りたいけど、いまはこれでご勘弁。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]

tamuyou [>・フィードインタリフ:「屋根を提供して、状態も時々点検したりする代わりに、多少の利益を貰います。」 点検する(リ..]

さくらぃ [ああなるほど、この記述だとそういう風にも取れちゃいますか。 ええ、FITは「発電量に対して貰える額が予めきまっていて..]

さくらぃ [しかしFITなら、電力会社なり一般企業なりが個人宅などの屋根を借りて商売する、という形態も考えられますな…。]

tamuyou [なるほど。まあ、どんなことにもリスクはあるんで、このことでFITがダメだとは思いません。逆に「リスクがはっきりしてる..]

さくらぃ [その道の人に訊いてみたら、期待できる利益の水準は、他の一般的な投資案件で期待できる水準を参考にすれば良いのではないか..]

ひむか2号クン [勿論、低くても良いけど、長期の借り入れ金利ぐらいは保証しないと30代のこれからという人達が自分の発電設備を導入できま..]


Written by "バカ殿"さくらぃ
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