壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2008-06-24 (Tue)

ようやく認識して貰えた?

Intelも太陽電池に参戦なんてニュースが流れたせいか知らないけど、経産省もようやく助成政策の必要性を認めはじめたみたいやね。でも具体的にどうしたらいいか、まだ迷ってるみたいやなぁ、、。

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とりあえず、いま思い当たる範囲で意見を書いておきます。

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以前書いたとおり、太陽電池にはかなりコストダウンの余地があります。それは間違いないです。欧州のPV業界もオフィシャルに表明してる通りです。

が、値段を下げるにはそれ相応の投資が必要です。でっかい工場を建てて量産効果を出して、流通量も増やしてコストを下げないといけません。

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失速してる日本の現状からいきなり「3-5年」で半額を達成しようとするのも可能だとは思いますが、けっこう強引に進めないと、どこかで部材や人材の調達が間に合わなくなるリスクも高いと危惧します(たとえば白板ガラスなどが逼迫してると聞いてます)。受け入れ体制としても、役所&電力会社側の事務をワンストップサービスにするなど、急増に備えておかないとハマります(たぶん昨年のフランスがその実例)。

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その一方、前出のように欧州の連中は「2020年まで(つまりあと10年ほど)の間に半額にする」と公言してる(&実際にそういうペースで進めてる)し、米国も既に(安い太陽電池を造れそうな)first solar やnanosolarがガンガン工場建ててますから、これ以上モタモタしていられない状況でもあります。負けたら風力発電機の状況よろしく、国内も全部海外メーカー品や逆輸入品、なんてことになりかねません。

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国内での部材調達や生産体制などの状況次第ですが、少しだけ立ち上げの余裕をみて、価格低減&普及の目標ペースを「5-8年後に半額」程度に定めるのが(出費の面でも)無難ではないかと感じます。(ただし原油がさらに上がり続けるようなら、もっとお金を掛けてでも急ぐ価値が出てくるかも知れません。)

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制度的には、シャープの堺サイト以上の規模の工場を幾つも建てる必要があるので、それ相応の投資の安全性が必須です。これが無ければ、その分コストダウンが遅れるはずです。

この観点から(しつこくて恐縮ですが)、やはりフィードインタリフ制度が最も投資しやすく、制度もより簡単で、費用対効果が高くなるだろうと思います。

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なお、一口にフィードインタリフ制と言っても国別に色々工夫の余地があります。例えば

・既に導入した個人や企業への配慮

・系統側でかかった費用の分担

・大口電力需要家にどう配慮するか

・専用融資制度や税控除との組み合わせによるタリフ額の抑制

・ドイツのようなfixed tariffでなく、スペインなどで採用されているpremium tariff(電気料金に上乗せして買い取るタイプ)だと、現行の余剰電力買い取り制度との親和性が高いかも知れない。ただし費用対効果は悪くなる(電力会社にとってもfixedの方がメリットが多いかも)

などに関してカスタマイズする余地があります。柔軟な制度なので、最初は比較的単純なしくみで限定的に試して、あとから実情に合わせて作り込んでいくのが定石だと思います。逆に最初から”フルスロットル”で施行するならば、制度設計にかなり気を遣わねばなりません。

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こういう要点を確実に押さえれば、その分コストダウンが早まるだろうと思います。逆に今のように制度設計で迷ってるようなら、少し時間的余裕をみた方が無理がありません。(ぶっちゃけて言いますと、現状ではその政策のふらつきが一番の律速要因になると思われます。部材メーカーも太陽電池メーカーも、政策リスクの分だけ、国内の投資を控えると考えられますので。)

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上記のフィードインタリフ制度の場合は国庫を傷めず、負荷も複数年(20年とか)に分散します。一方、補助金制度だとそれなりに税金が必要になります(大雑把に半額補助として、現状(300MWp/yr,60万円/kWp)で1000億円/年ぐらい…たぶん普及ペースが上がると一度増えて、値段が下がるにつれて減る)。むぅ、それでも思ったよりは安く済むな(汗)…これで将来年間数兆〜十数兆円分の市場を確保すれば、それだけで国として十分にお釣りは来るだろうが、果たしてそこまで効果がでるかどうか。

もし補助金制度を採るならば

・年数を最初から限定する(必須)

・最初に導入した人ほど得になり、後で買った人ほど利益が減るようにする(必須)

・なるべく過大/過少にならないよう、2年ごとぐらいに普及状況に応じて調節する(普及ペースを守る仕組みを入れる)

などの工夫が必要と思います。

また発電量に応じた調整(FITにおけるstepped tariffに相当)などがやりにくいので、やや無駄が多くなるのも覚悟してかかる必要があります。

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こういう制度設計についてはこれから議論したらいいと思いますが、買い控えを防ぐためにも、既に導入した人への配慮は真っ先に欲しいですね。

両親宅が既に導入してるので、自分からはちと言いにくいですが(苦笑)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
ひむか2号クン (2008-06-25 (Wed) 23:08)

補助金の場合は過去の分への配慮は一切されないのがこの国の掟です。(苦笑)既に補助金でやったものとの整合性はどうするのかとか問題山積ですが・・・。やはり、設置年度毎のFITで一斉に始めるのが妥当でしょう。これからの分はサンプリング価格の平均マイナス5%とかをFIT基準価格とするとか前後6ヶ月間の平均価格とするとかしないと高止まりするかもしれませんね。<br><br>何らかの形で社会の資金の流れを太陽光発電設備の購入に向かわせ<br> ねばなりません。国民の多くが気持ちよく太陽光発電を買ってくれてきれ<br> いな電気を作るようにならないと目的は達成できないのです。<br> <br> そう考えるなら方法は唯一つ。年度毎の発電原価を保証するFITしかな<br> いでしょう。そして、過去の分は確定していますから、これから20年間<br> 支払うのです。補助金分はそれへの支払い分をきちんと国に支払ってもら<br> えば良いだけのことです。そうすれば、過去の国民負担分もきちんと成果<br> 評価されるのです。(但し電力会社から金を貰った人は対象外だとはおも<br> いますけけどね)<br> <br> RPSは法律の体をなしてないので廃止です。電力の努力目標で○○%<br> というのは無しにします。総電力需要の中に買電を含めて何%かという指<br> 標は出されるようにしますが・・・。それを守らないからというペナルティー<br> はありません。その代り、太陽光に関しては全量買い取りです。<br> <br> 金額は発電原価が30円になるまでは25円で、30円以下になったら2<br> 0円で、25円になったら15円で買い取ることとします。そして、差額<br> 分は地方自治体経由で最終的には決済される地方経済団体発行の通用期間<br> 限定通貨にて支払われるものとしましょう。<br> <br> こういう提案が受け入れられるのはずっと先でしょう。それまでに潰れる<br> かもしれませんし、政府など主導権を握っている彼らは、十分に安くなっ<br> たとしうことでこの問題をクリアーできるようになるのかもしれません。<br> <br> でも、それでは問題は何も解決しないで、結局、もっと明るい可能性を持っ<br> ていた技術を私達は上手く使うことが出来ないままで終わってしまったと<br> いうことになるのかもしれません。

さくらぃ (2008-06-26 (Thu) 00:11)

ご意見ありがとうございます。<br><br>ご意見にさらに補足ですが、<br>仮に現状のままずっと放っておいた場合、将来充分安くなったとしても、おそらくその時点では日本国内の生産拠点は価格競争力を有しないでしょう。風力発電同様、殆ど輸入品になってしまうと危惧します。実際、既に日本にもQ-CellsやSchott Solarなどが進出してきてます。 <br><br>先日某メーカーの方に「国内市場無しで持ちますか」と伺ったら、はっきり「無理だ」とのお答えでした。国内の様々な設置環境から直接フィードバックを得て技術開発に反映させるプロセスが、非常に重要なのだそうです。


Written by "バカ殿"さくらぃ
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