2008-09-12 (Fri)
☆ めも
・23rd EU-PVSECの特集記事(日経)。行った同僚達によれば、学術セッションですらどれも超満員で、もの凄い熱気だったらしい。やっぱり行きたかったなくそー。
・特に面白いのは三洋、85μm厚のHITセルで21.4%をマーク。昔の結晶シリコン(300μm〜)の1/3以下、現行品(200μm)の半分以下の厚みでこの性能。感服。
・あと地味だが何気にインパクトでかいのがElkem Solarのシリコン原料でも遜色ない性能のセルができたというニュース。このElkemというメーカー、従来のSolar-grade Si(SOG)よりもさらに低コスト&低消費電力&原料も低純度で済む方法でシリコンの精製をやっているので、これでまた一つコストダウンの技術の実用化に目処がついたことに。
薄膜太陽電池に関わる者が言うのも難だけど、結晶シリコンもまだまだ技術改良の余地があるのですよー。
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・太陽光発電は2020年までに欧州の全電力の12%を供給できるとEPIAが表明。あと年報に主要国の状況がまとめられてる。P.62にドイツのまとめ。
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売上高: 57億ユーロ = 8436億円
輸出額: 25億ユーロ = 3700億円
雇用: 42000人
建設・近代化への投資額: 18億ユーロ = 2664億円
R&Dへの投資額: 1.75億ユーロ = 259億円
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FITによる助成額が7000億円弱なので、単純にコストの差を補うだけではなく、その半分近い額が今後のコストダウンや技術開発へ投資されている(=経済活動を創出している)ことに。
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それで輸出もするわ温暖化対策は進むわ雇用も増やすわ
…ということでドイツ経済界も支持してるわけで。
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対して未だに反対はするけど、何も道筋を提示できない経団連さん。ほんまに大丈夫かいな。日本の民間企業の調査能力は買ってたのだけど、温暖化対策に関しては、のんびりしすぎだろうと感じる。
ボランティアにばかり頼る考え方は、気合いでB52を落とそうと言っていた旧日本軍の考え方と似ている。気合いは確かに大切だが、それだけでは人材の浪費になる。ビジネス的な推進をお願いしたい。
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・激しく入れ替わる太陽電池メーカーの上位陣(REW)。ドイツだけじゃなくて中国もインドも米国も。
・薄膜太陽電池市場は2010年には現在の10倍前後に(GreenTechMedia)。利益率も結晶Siより高いだろうと予測。
・EU、運輸部門でのバイオ燃料の当面の導入目標量を6%に抑制へ(毎日)…妥当な線やな。食料使ったり森林破壊したりしないようにせんとアカン。
☆ こわい映像
・地球シミュレータによる地球温暖化のシミュレーション結果の映像が公開されとる。
…うぇ。黒潮のせいで、海水準上昇の影響って日本の太平洋岸はめっちゃ強そうやん。
あと土壌水分量の変化とか見ると、米国はマジやばいんちゃうかと言う気がする。
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気候の変化がどれぐらいヤバいのかは、たとえば環境省の解説とか国立環境研究所のQ&Aなどが参考になるかと。
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しかしこれ、「じゃあ対策をしたらどれぐらいに収まるのか」っていう映像も欲しいにゃー。これじゃ、脅かすだけになっちゃう。
というわけで、是非追加してください(はぁと)>環境省さん
☆ 対策シナリオ
ここで取り上げ忘れてたので、とりあえず書いておこ。
・脱温暖化2050プロジェクトってのがあって、ここが削減シナリオ出してます。結論として、2050年までに排出量を70%削減することが可能。
書籍の形でも出てます。
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日本低炭素社会のシナリオ―二酸化炭素70%削減の道筋(西岡 秀三)
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いや、先日のシミュレーションのExcelの中には書いといたんですが…あれもWikiか何かに起こそう(汗
Written by "バカ殿"さくらぃ
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