2008-11-03 (Mon)
☆ 三洋をパナソニックが買収
自前の太陽電池開発やめちゃったけどなんだか…と思ってたら、そうきたか松下。
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少なくとも太陽電池に関しては、
・三洋…技術はあるけど資本力が心許ない(規模をでかくするのがつらい)
・パナソニック…資本力はあるけど技術的に心許ない(造ってない)
という状態なので、三洋にとってもパナソニックにとってもプラスだろう。どっちも昔から力を入れてきたしね。
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HIT型は今後どう展開していくんだろ。色々考えられるな。わくわく。
2008-11-10 (Mon)
☆ めも
・資エネ庁、太陽光の相談窓口を開設へ(フジサンケイ)…ようやく流通・設置コストに目を向け始めたのかな?情報提供&ワンストップ手続きサービス窓口は無駄を減らせるので重要。
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手厚い助成がある自治体に住んでる人なら、元が取れる場合もあるだろうね。
ただし
・借金する場合は利子に注意
・電力会社による買い取り額はボランティアなのでいつまでもその額で買い取ってもらえる保証が無い(個別の契約が頼り)
・日本では保証がたいてい10年までなのでそれ過ぎてから何か壊れたら修理費がかかる可能性あり
などの点には留意されたし。このへん、政策で減らせるリスクもたくさんあるんだけどねぇ。
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ところで余剰電力買い取り制度って、支払い形態としてはfeed-in tariffの1種に分類できるんだが。プレミアム(電力料金への上乗せ額)がゼロのプレミアム型FIT(=FIP)。
# だから一部の人たちが必死になってFIT否定してるのは変だったり。
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「慈善事業」じゃないですよ。(ぼそっ)
2008-11-15 (Sat)
☆ 収支計算
また謎のExcelを置いてみたり。わかる人だけわかって。つかデバッグ希望(ぉぃ
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11/18 08:20 ver0.3:2カ所バグ修正。
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これ作ってて実感できたが、「自己資金なしでも儲かる」ように助成額を設定すると、ある程度自己資金がある場合は投資案件として異常に利回りが高くなってしまう。たぶんスペインが”オーバーシュート”したのもそのせいだ。他の投資案件(長期預金とか)に比べて高すぎず低すぎない利回りに設定しないといけない。
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自己資金で半分ぐらい用意した時に年利1%@20年後を期待できるようにすると、導入時補助金一切なしでも45円/kWhぐらいの計算になる(補助金があればその分下がる)し、感覚的にもわりと妥当な線かと。
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こうしてみるとやっぱり「寿命が不定」ってのがけっこうリスクなんだよな。技術的にはいくらでも長くできるだろうだけど、そのへんは製造や試験のコストとの兼ね合いもある。制度設計の段階で、今後メーカーにどのぐらいの寿命を求めていくか(どのぐらいが一番費用対効果が高くなりそうか)を考慮に入れる必要があるな。
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あと補足しとくと、導入時の補助金は参入障壁を下げる効果があるし、補助的に用いる分には特に問題も無いはず。でもそれだけを主体にしちゃうと、FITに比べていろいろと効率が悪い。
補助金に変に規制をかけないならば、併用がベストだと思う。でも量や条件などを一部の人間だけで不透明なプロセスで決めちゃうと、どこかで無駄(=全体的な利益の減少)が生じるだろうね。
・ dai [自己資金だって投資に回せばなにがしかリターンがあるわけだから、「異常に利回りが高い」という表現はどうかな? 総投資額..]
・ さくらぃ [えーと、あれ?自己資金に対する利回りで考えてみたんですが、考え方間違ってますかね。]
・ FIRST [うーん、純粋に投資として見るなら、20年で年1%じゃお話にならないですね…。 個人のエコ意識とかに頼るなら、補助金と..]
・ さくらぃ [んー、そこは設定次第なんですけど。でも増やしても50円以下だと思います。 というのは、スペインは45セント/kWhで..]
・ さくらぃ [ちなみに、ドイツはこんな感じです。 http://en.wikipedia.org/wiki/PV_financia..]
・ FIRST [うーん、逆にスペインの場合、利回りとしてどれくらいでオーバーシュートしたのか、というのが気になりますねえ。 流動性が..]
・ さくらぃ [ドイツとの違いを分析した資料(Feed-in tariffs)では”スペイン人は環境意識よりも経済的利益が動機になる..]
・ さくらぃ [ドイツなどから情報収集してみると「長期預金の金利+α」ぐらいが目安のようですね。 あとは回収年数の設定かな。やっぱ1..]
2008-11-18 (Tue)
☆ コロラド州知事
が講演に来てるってので覗いてきた。2030年までに全エネルギーの20%をREにするそうな。企業誘致に来たようだ。
☆ めも
いい加減、忘れないうちに書き留めておこう。というか大統領選が片付いてからニュースが増えているのは俺の気のせいかね。
・シュワ知事、再生可能エネルギーの導入目標量を引き上げ(PV-Tech)[GTMの記事]。2020年までに33%へ。…目標そのものは以前からの動きだ。それよりも、今まで散々邪魔してくれた国の機関(BLM)に”もう邪魔しません”と念書を書かせた、というのが最大のウケどころかも知れない。
・フランスもRE普及促進策を大幅強化へ(PV-Tech)。今後12年間で全エネルギー供給の23%に。太陽光、バイオマス、洋上風力。太陽光は2020年の目標を3000MWから5400MWへ引き上げ。現行の屋根置き30セント/BIPV55セントに加え、大規模発電所に45セントのタリフを新設。ちなみにEU目標も2020年に23%に引き上げられている。これは間違い。
・CIGS太陽電池のSolyndraがまた大型案件を獲得(PV-Tech)。なにやら屋根の温度を下げるシステムと融合させた形のinstallation。受注残はこれで15億ドルに。
・京セラ、back contact型セルの工場を滋賀に建設へ(solarbuzz)。2012年春、350MW,18.5%。キャパ倍増。…いけいけごうごう。
・シリコンの値段が来年には何割か下がり、供給量は2倍に(GTM)…そろそろじゃな。
・米国で今求められていること(REW)。…金融危機で投資銀行が幾つかなくなってしまった分のフォローや系統強化などが求められているが、基本的にやる気満々と見える。
・人為的な気候変動により、氷河期はもう来なくなりそうだ(BBC)。人類のCO2の増やし方は自然の営みの10万倍以上速い、とも。
・融けて潜り込んだ水が氷河や氷床の流下速度を加速している(BBC)。氷床の下の水は、時には氷全体を数mも持ち上げながらその移動を加速する。IPCC AR4ではまだどの程度の影響かはっきりしないとされていたが、この調査でこうした氷の下の水の働きが"critical"だという結論に。
・欧州、電力系統を拡張へ(BBC)。ロシアからのエネルギー輸入への依存を減らすため、バルト海や地中海、北海沿岸などで太陽エネルギーや洋上風力などの開発を促進へ。
・欧州初のトラフ型太陽熱発電所が最終試験段階へ(REM)溶融塩による蓄熱機能付き。さらに2カ所のプラントも既に建設中。
・FirstSolar、525MWp分の長期契約を獲得(REM)。…今年の日本国内市場の2.5倍ぐらいかねぇ。ボケッとしてると、たった1社に吹き飛ばされるぞ。
・気候変動で酸素が殆どない「死の海域」が拡大(TreeHugger)。…日本の漁業に影響が無いとは思えんな。
・ドバイに中東最大の太陽電池工場、2010年にも操業開始(TreeHugger)…以前報じられた奴の続報だな。生産量に言及しなかったそうだが、5.7m2のモジュールということは、おそらく薄膜シリコンだな。土地も原料(砂)もエネルギー(日光)もあるわけで、ターンキーな機械があるならロケーションとしては最強の部類だわな。
Written by "バカ殿"さくらぃ
[利用上の注意]
・ Tetsu=TaLow [島耕作愛読者としては事実が小説より奇になってゆくのが楽しくて。 それはそうと、守口市の人は吸収合併に発展しやしないか..]
・ さくらぃ [吸収されちゃうかどうかは独自技術の行方次第かと。三洋の太陽電池の技術は凄いんで、うまく伸ばせば大化けするかも? なん..]
・ FIRST [むしろ守口市と門真市が合併したら問題解決じゃないでしょうか(笑]