2009-01-07 (Wed)
☆ めも
各社荒波の中で奮戦中。
・LDK Solarは増産計画を見直し(PV-Tech)、SunPowerが見通しを引き下げ(Photon)、SunTechも(Photon)。設備メーカーのRoth&Rauは好調(Photon)。…踏ん張り所ですな。
・地熱発電、新設再開へ(日経)[GTMの報道]。…いいニュースなんだが、なんでもっと早くからやんねーかなと小一時間。出力変えやすいし、すげー貴重な存在のはず。
・米国でSmartGridに4年で640億ドル投資して28万人の雇用を創出する案をIBMなどが提出(GTM)。…人に言わせると、米国の系統って"無秩序で非効率的"な状態なんだそうで。この際まとめてupgradeしちまおうってことか。
・東芝、インバータやSCiBを活かしてPV産業に算入へ(ビジネスアイ)パネルは外部調達、住宅用はやらない。…蓄電の必要性が高い(ならし効果が弱い)設置形態を狙うわけやな。
・キャパシタの容量が大幅向上(ビジネスアイ)…電気自動車の時代は思ったより近そうですな。強電用途で重宝されそうな予感。
・NZ航空、2Gバイオ燃料での試験飛行に成功(AFP)JALも計画中(朝日)。Virginは昨年2月にやってる(日経)…こっちもだんだん進んできたな。
☆ 某所での会話より
温暖化対策って、技術的には言うほど難しくない。少なくとも核融合とか宇宙太陽光発電とか、いつ出来るかわからん技術をアテにする必要はない(あれば嬉しいかも知れんが)。
ぶっちゃけ、いまある技術(←注:これは発電だけに限っていない)をどんどこ改良・普及させてけば、温暖化なぞ気にせずに暮らせるようになるだろーと思われる。
難しくしてるのは「人」なんですよ。人。
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つか目の前に商売ネタ転がってんのに、わざわざガマンする方「だけ」選ぶ一部の人達が謎すぎ。もちろん省エネは大事だけど、「ガマン大会」に付き合う気はないっすよ?サウナ苦手だし。
2009-01-12 (Mon)
☆ 謎の支援要請
が来てウケた。そりゃぁ、教育おいつかんわなぁ。
技術があっても、人材とかノウハウは実際に経験積んでないと得られないから。大抵はブラックボックスだし。
彼ら、技術自体は持ってる。
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ところで企業の開発資金は大丈夫なんですかね。めいっぱい設備投資進めてる最中の金融危機だったから、せっかく追いつくチャンスなのに資金で足踏みされているのでは。
☆ 難しくするものは「人」
だと先日書いた。失礼を承知で付け足せば、それは大抵「お年を召した方々」である。既得権益云々は関係ない。対策技術のエキスパートであった方でも、これは同じだ。
実際、僕らからすると「何を時代錯誤なこと言ってんだこのジーサマ(苦笑)」と思うことがある。
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昨今の対策技術は、現場に居る者すら驚くような速度で開発や実用化が進んでいる。新しい情報に触れる機会が減った方々ならば、なおさらその可能性を実感しにくいだろう。
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誰の言葉だったか忘れたが、確かこんな格言がある。
「著名で高齢な専門家が「できる」と断言したら、それはたぶん可能だ。
でもその専門家が「絶対にできない」と言ったら、それはたぶん間違っている。」
2009-01-13 (Tue)
☆ ぼそっ
・緩和策…カネも人手もかかるけど、その分新しい価値を生み出す
・適応策…対症療法なんで、戦争被害に似る面がある。同様に重要ではあるし比較的すぐに手をつけやすいものも多いが、経済的には新しい価値を生み出しにくい面がある。
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まぁケースバイケースではあるんだけど…。
2009-01-15 (Thu)
☆ No silver bullet
某所での書き込みにカチーンと来たので、参考情報だけ置いとくテスト。とりあえずこういうの読んでみんさい。
・同、要約
・IEA Energy Technology Perspectives 2008
・2050 日本低炭素社会シナリオ: 温室効果ガス 70%削減可能性検討
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とおもったけどさらにツッコミも。
・インフラや社会が変わるので、インフラ寿命や世代交代に見合った期間を見込んで始めないとコスト高
・CCSは比較的コストが高い&大元の化石燃料自体の調達リスクはそのまま
・省エネはコストが負〜少だが、だんだん高くなる&限界あり&経済活動は縮小
小手先の対策だけで間に合うわけじゃないです(←注:用いる対策の種類に関係なく)。
それと費用が大きいから、ほんのちょっとした勘違いでロケット数機分ぐらいの損害は簡単に発生しますよ、きっと。
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いやそうか、そこじゃないな。これか。
・今後エネルギー需要はすごく増える見込みです。
環境保護だけであんなクソ高いもんがそんなに売れますかいな。
ナメてもらっちゃこまりますぜお客さん。
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某方面から訊かれたので補足する。上記の2つだけ取り上げたのは某所でのコメントへの反論としてメモっただけなので他意無し。どの対策も超必要なので念のため。
表題の通り、単一の対策だけでは足りないし、また金を掛けずに済む範囲の対策だけでは焼け石に水、というのが主題。それは引用している全ての資料に共通する内容。
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公の場でデマ流す前に調べてください。これだけ変化の激しい業界で、「現場を離れて久しい人にだけ訊いて終わり」は不許可。
そんないい加減な取材がありますか。
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1/20一部追記。
2009-01-17 (Sat)
☆ 整理
助成を受ける業界は、「助成によってどれだけのリスクとリターンが期待できるか」を判断するための材料提供を求められる。
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たとえば助成をすると、その分だけ実際の生産コストと市場価格が乖離する。助成総額や原材料コストの動向からある程度の見当はつくものの、市場価格だけモニタリングしててもコストダウンの状況がその分把握しにくくなる。従って助成を受ける側には、助成金をしかるべきところに投資している/する予定なのか、その効果が期待できるのか、という判断材料の提供が求められる。
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つまり、業界として技術開発への投資額(の予定)や進捗状況、今後の見通しなどを示す必要がある。EPIAやSEIAに比べればJPEAはまだそのへんの活動が弱いし、利用側の国や電力会社も調べる努力が不足してきた(善悪じゃなくて、経済的な観点から)。
それぞれ動き出してはいるけど、もうちょっと急いだ方がお得な気がする。特にJPEAさん。
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量的にはとりあえずの目標でもいいと思う(もーちょっとambitiousな方が積極的な投資を誘発できるんじゃないかとは思うが)。それまでに「もっと足そか」という気にならなきゃ意味が無い。
それよりも普及速度や非経済的障壁の影響が大きいはず。早めのコストダウンが全ての利益の源泉。それを妨げた分だけ損になる。
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↑このあたりの具体的なプランは、基本的に利害関係者同士の折衝で決まるべきもの。それもオープンな方が、いざ決まった後の動きが速まる(それだけでなく、先読みした動きも期待できる)のでたぶんお得。
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という感じ。
☆ PV搭載プリウス
あ、素直に屋根に乗せたのか。それにしても綺麗に仕上げるなぁ。
こういう風に「枠がガラス面に対して出っ張らない」デザインは一般的な発電用途でもメリットがある(汚れがたまりにくい、デザインも良)と常々思うのだが。一般的な用途ではやっぱりハンドリングが優先なのかな。なんとかならんかしら。いやもちろんBIPV向け製品は既にあるのだけど、一般的な”枠付き”なデザインを丸ごと置換できるようなデザインはないものかと。
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良く訊かれるけど、こういう曲面に対応するには下記のような方策が考えられる。
・タイル状にセルを並べる(プリウスみたいに)
・少し先:薄膜太陽電池のフレキシブル品を利用して少し曲面への対応がラクに(シート状なので可展面を組み合わせたデザインが可能に)。デザイン性向上&軽量化&こわれにくくなる
・もう少し先:大きめの薄膜太陽電池製膜装置&屋根の曲面にそのまま対応可能なスクライバーで、カスタムメイド
いずれも要素技術としてはいまある技術の延長で可能なはずだけど、下記のような課題が考えられる。
・初期設備投資が大きい(太陽電池の種類や製膜方法にもよる)
・量産品の変換効率がまだ低め
・曲面対応のスクライビングはこの業界ではまだ使われてないはず
・使われ出して年月が浅いので耐久性や信頼性に関するノウハウがまだ比較的少ない
どれも手間がそれなりにかかると思うけど、太陽電池の種類や製膜方法がけっこう色々考えられたりするので、工夫のしがいもあるかと。
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曲面の種類の表記がおかしかったので修正。タレコミ感謝。
2009-01-24 (Sat)
☆ 上がった
・H-2A 15、無事打ち上げ(読売)…文字通り軌道にのってきた感があるのう。
今回特にGOSATが載ってるので密かに重要ミッション。今後の世界経済を左右しかねない衛星。
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個人的にはまいど一号に試料が幾つか載ってるのでわりとドキドキものだったり。CIGS太陽電池の試料が打ち上げ時に壊れたりしてたら、たぶん私のせいですハイ(ぉぃ)
作ったのが5年ぐらい前だったかな?長かった。
そこっ「コワレモノ」の赤札貼っとけってゆーな(笑
2009-01-26 (Mon)
☆ ぼそっ
わりと気付きにくそうなこと。
・枯渇性燃料に支払ったお金→産出国に流れる
・再生可能エネルギーに支払ったお金→(設備の材料費などは海外に流れるが)国産ならそれなりに国内にも還流する
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いやだって運転用のエネルギー自体はタダだから。
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そろそろ気付いて欲しいな。(にこにこ
2009-01-29 (Thu)
☆ 即席回答
某方面向けに。
えーと製鉄業界との関連性というと、結晶シリコン原料製造じゃないですかね。実際製鉄企業が手がけられることもありますし。
ウエハになってからは一般的な半導体産業と共通する技術が多い。
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薄膜太陽電池だと工程そのものが液晶とたくさん共通しますね。
ガラス基板の上に透明導電膜載せてアモルファスや微結晶のシリコンを製膜してレーザーでケガいて電極載せて電線くっつけて樹脂とガラスとアルミ枠で封止していっちょ上がり(ぉぃ
CIGSなどの化合物系だと高純度金属原料も多少使います。
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モジュール化と耐久性の確保がかなり気を遣うところ。これからは組み込みとかカスタマイズも増えそうだし。
というわけでうちもこんなセミナーを開催するわけですが。
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最近の太陽電池関連技術は一般向けの書籍化が全然追いついてないのです。一部で執筆が進められてはいるのだけど、この情勢でみんな却って忙しくなってたりします…とゆーことでソレが出来るまでは展示会とか学会とかをご活用下さいすみません(汗
Written by "バカ殿"さくらぃ
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