壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2009-03-01 (Sun)

タレコミに反応

また面白い動きが。そう来なくっちゃぁ。

太陽光発電に関する新たな買取制度の創設に関する二階経産大臣の発表

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今回の発表のポイント:

・新築だとたぶん投資回収年数が10年ぐらいになるところが多い。既築だと最初は15年とかそんな感じかと(いずれも、各自治体の助成内容とか個々の案件の設置条件に左右されますが)。これはいずれも適切。

・でも制度の継続期間は3〜5年、価格目標も半額のところまで。つまり、太陽光発電業界がこれまでに公式に表明したところまで。

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私の見方の要約。

・「出資側」の最初の提案としては、パンチが効いていていい感じ。

・次に必要なのは「出資を受ける側」、すなわち太陽光発電業界・部材供給業界側からの意見表明。

・各利害関係者全員の利益の観点から考えると、制度が固まって走り出しちゃう前に業界側から一押し欲しいところ。

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私の見方の詳細:

今回の内容だけではどの関係者にとっても、継続期間も価格目標も全然足りない。でも日本の太陽光発電業界ってまだ

「我々に投資してくれれば、半額ぐらいまでは下げられますよ」

ってところぐらいまでしか公式に表明していないはず。一応シャープさんなどが学会などでその先の見通しについても言及しておられるけど、国全体に向けた声明としては出てないはず。

で、今回は「出資側」の関係者から

「ほほう。じゃあそこまでは出資しましょうか。(で、その先は?)」

と表明した状態ですよね。

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もちろん「出資側」としても「その先」が欲しい(それがなきゃ意味がない)はずですけど、相手が「ちゃんとコストダウンに使います!」と表明しなけりゃ、投資のしようが無いんじゃないかと。特に日本の場合は太陽電池専業のメーカーが殆ど無いし、助成を他の事業に回されたりしたら困るんで。

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助成ってのは厳しくも甘くもできますが、甘くするとすぐ無駄が出るので、手綱を緩めちゃいかんと思います。そうしなきゃ、国際競争なんて勝てる訳がない(厳しすぎてもダメですけど)。

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今度は業界側から

「その先について○年の投資を保証して頂ければ、我々もさらにこれだけのコストダウンの努力をすると約束します。これによって、コストダウンがこれだけ加速することが期待できます。現時点での実現可能性はこれこれこんな感じです。投資・開発状況も定期的に報告します。」

って表明が必要じゃないでしょうか。それも「出資」するのは結局国民なわけですから、オープンに表明しないと筋が通らないでしょう。

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欧米ですと、業界団体がちゃんと意見表明してます。

・欧州:EPIAがたくさん文書をリリースしてますが、たとえばこの報告書に各国での進捗状況や今後の見通しがまとめられてます。

・米国:SEIAが業界として意見を出してます。現在サイトのメンテナンス中(汗)のようなのであとで適宜フォローしますが、とにかくこれも日本よりずっと積極的に活動してます。

(追記)公式サイトには政策に関する内容が揃ってます。たとえば昨年のITC延長に際してはこれだけの雇用を生みます!と表明したり、マメに活動してます。

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ドイツ環境省など監督官庁も報告書将来の見通しを出してますけど、業界側からもオープンな意見表明がないと、助成制度の効率って維持するのが難しいと思います。

日本的文化に合わない、って意見もあるのは承知してますが、それって結局「好み」じゃないですか。「好み」と「累計数十兆円の経済効果」(&相応のリスク)を天秤にかけたら…どちらを取られます?

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またここで一つ、関係者にもまだあまり認識されてない課題があると思います。

開発を加速するための投資が要るのは、太陽電池生産企業だけじゃないです。生産設備とか原料とか、部材を供給する企業も忘れてはいけません。むしろこういう中小企業の方が、助成の計画性を必要としているはず(このへんは和田木さんの本が詳しい)。ですので部材を供給する業界からも、連名で上記のような声明があると良いんじゃないかと思います。

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というわけで助成を受ける側も、ここらでハラくくる必要があるかと。:D

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とりいそぎ、思いついた範囲で。

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私も所詮傍観者の立場ですので、もしも的外れの内容が含まれてたら言って下さい。>お心当たりの方々

「何余計な仕事増やしとんじゃワレェ、忙しくてしゃーないやんけ」などの恨み言については…聞き役ぐらいは致します(^^;;;

本日のツッコミ(全13件) [ツッコミを入れる]
zonnecellen (2009-03-02 (Mon) 04:35)

とりあえず、良し悪しは別にして・・・<br><br>日本の場合は、ほとんどの法案が、官僚が素案をまとめて大臣が発表した時点で、国会ではほとんど議論や修正なく実施されているくのが前提になっているように思います。官僚は業界団体から様々な情報を収集しているのでしょうが、全ての情報が公開されるわけではないでしょう。国会対策でかなりの分量の想定問答集が作られていると想像しますが、その問答集も原則公開されないでしょう。もちろん、情報公開制度はありますが、あの制度は、ピンポイントで、「こういう情報があることを知っているから公開させてやる」という人向きの制度ですね。<br><br>欧州の場合は、業界団体のレポートが議会で話し合うための参考資料になるため、業界は正直に出せるべき資料を出さざるを得ないでしょう。もちろん、欧州各国で制度が違いますから、どの国に対しても十分説明できるものになっていなければならない、というのもあります。<br><br>米国も多分事情は似てるのではないでしょうか。このようなトピックは連邦議会の議題ではなく、それぞれの州議会に委ねられている筈ですから。<br><br>業界団体にとっては、「特定の官庁に向けて資料を提供して、資料をまとめ公開するためのコストと手間を省いて、その特定の官庁の手腕に期待する」方法、「ユニバーサルな資料をコストと手間をかけて用意することで、複数の国や州での実施を狙ってより大きな利得を狙う」方法があるわけですが、両者の選択の上で、コストと効果を天秤にかけているのかも知れませんね。

zonnecellen (2009-03-02 (Mon) 04:42)

連投失礼。<br><br>多分、経産省のまとめ役をやったお役人さんは、業界団体に対してこんな風に思ってることでしょう。「オマエ達の言いたいことはオレ達が全部聞いてやったから、気が済んだだろう。だから、国民には余計なことは言わず、黙ってオレ達のやり方を見ておけ。」<br><br>このやり方が「良い」とも「悪い」とも言っておりませんので、念のため・・・

さくらぃ (2009-03-02 (Mon) 07:17)

政治的なことは私は興味ないです。ただ言えるのは、ほんとに数十兆円規模の経済的影響がかかってると気付いたら、そんなもん関係ないだろう、ってことぐらいですね。

さくらぃ (2009-03-02 (Mon) 08:06)

(ここにもう一言書いたけど、やめ。俺が言うことじゃないや)

まま (2009-03-02 (Mon) 18:15)

えー。「太陽の党」って新しい党作って政界に殴り込みするんちゃうのんー?キャッチフレーズは「永田町を直そう。直らなかったらバラそう。」で;-)<br># もちろん冗談ですんでー>主にさくらぃ以外向け

さくらぃ (2009-03-02 (Mon) 19:34)

おれはそんな器量ねえっつーの (><)

zonnecellen (2009-03-02 (Mon) 23:27)

>政治的なことは私は興味ないです<br><br>業界団体とて政治で動いてるからしょうがないですよ。<br><br>>ほんとに数十兆円規模の経済的影響がかかってると気付いたら<br><br>先日ご紹介いただいた資源エネ庁の資料通読しました。私の感触では、どうやら「気付いている」ように思います。ただ、まだ彼らの優先順位リストの上の方には顔を出せていないので、腰の入り方も中ぐらいなり、と言ったところなんでしょう。それでも、以前は腰が引けていたことを考えると、それなりに大きな前進だと思いますよ。<br><br>NEDOも「蓄電技術開発室」を設置したそうで、系統安定化技術開発への取り組みも期待できそうです。

さくらぃ (2009-03-02 (Mon) 23:28)

私がこれまで色んな人に訊いたところでも、日本では業界の中でも意見が分かれてますね。まずそこからかなぁ。<br><br>もー、面倒だから関係者一同に集めてドイツみたく「合宿」やっちゃったらいいのに。

さくらぃ (2009-03-03 (Tue) 00:20)

内外の情勢変化を踏まえて補助金を復活させたり助成強化の方針を打ち出すとか、素直にすごいと思います。なんせ動くお金の単位が大きいので(^^;;;<br>_<br>それにたぶん、これまでの通例からは結構異例の対応なのではないでしょうか。

zonnecellen (2009-03-05 (Thu) 21:18)

粘着してるわけではありませんが、本文に少し気になる表現があったもので。<br><br>>特に日本の場合は太陽電池専業のメーカーが殆ど無いし、助成を他の事業に回されたりしたら困るんで<br><br>NEDOのキビシ〜イ監査を経験すると、とてもそんなことは言えなくなってしまいます。対企業と対研究所で監査の厳しさにどの程度の差があるかは存じませんが、少なくとも私の知っている限り、「対企業版のNEDO監査」的なものを受けておれば、助成を他の事業に回すのは不可能に思われます。

さくらぃ (2009-03-05 (Thu) 21:39)

ああそれ。助成をするからには当然費用対効果を考えなきゃいけないんですけど、これが人様と話してると、「助成=採算度外視のザルなもの」という考え方の人って結構おられるんですよ。<br><br>そうじゃないよー、ちゃんと効率考えないきゃいけないよー、と言ってるだけですわ。

zonnecellen (2009-03-06 (Fri) 02:01)

助成の個々の案件の提案書や報告書を見れば、かなり緻密に数値目標が書き込んでありますよね。個々の案件の助成額が実際いくらなのかは、あまりオープンにはなりませんが。<br><br>仰るところの「人様」が、どのエリアの人々を指すのかイマイチわかりかねますが、私の言いたいことは、個々の助成を受けている企業は、お役所に対しては結構キッチリ意見表明をしている、ということです。それを国民に対してオープンにするかどうかの決定権は、どうやらお役所が握っている、ということですね。(業界で意見が割れているとすると、お役所的には面倒なところもあるでしょう)<br><br>助成を受けている企業とお役所の間では、それなりに意見のキャッチボールができていて、お役所的には、形式的には費用対効果も考えられているのではないでしょうか。<br><br>国民がこのキャッチボールの蚊帳の外なのは、極めて日本的で、フラストレーションが溜まる向きもあるでしょうが・・・

さくらぃ (2009-03-06 (Fri) 02:56)

ああなるほど、実際のやりとりはされてるけど表には出てきて無い、ということですか。<br>まぁまず関係者同士で話し合いが出来てることが最優先なんですけど…もし本当にそういう状態でしたら、マジで「合宿」やってもらった方がいいかも知れませんねぇ、こりゃ。(^^;;<br><br>ドイツでも完全にオープンなわけじゃないですが、蚊帳の外にいる人でもある程度動きがわかるようにはしてるみたいですね。


Written by "バカ殿"さくらぃ
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