2009-03-18 (Wed)
☆ 進捗状況
・太陽光発電の導入促進策の進捗状況と今後の取組を公表(ecool)…まずとにかく始めることが重要。動かないと前には進まないのよ。
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・岩堀氏による日本版FITの解説とダメ出し(日経BP)…余剰電力の割合の少ない、設備量の小さな家だと不利。設備が大きい場合はstepped tariffのやり方で減らせるけど、設備容量が標準より小さい場合はタリフ額での調整にも限界がある。制度改正の恩恵が少ない。むぅ、これは判断に困るな。
補助金をその場合だけ増やしたりメーターの位置を変えて全量買取にすれば解決できるけど、これにはそもそもどの程度まで小さな容量の設備を重視するのか、という検討事項も絡んでくる。
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小さい設備だとより多くの人が自宅で参加できるメリットがある一方、工事などを考えるとコスト的なデメリットもある。あまりに小さいのをたくさん設置するよりも、大型の設備に共同出資してもらう方がいいかも知れない。でもそういう案件って、どの程度あるものなんだろう。そもそも大きい設備(メガソーラ−)は、どのぐらい導入したい?
…という具合に検討事項山積みですが、1つ1つ決めていくしかないかと。それでも、とにかく問題提起をしておくことに価値がある。
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全量買取と余剰電力買取(経産省案)の比較は以前書いたとおり。確かに全量買取の方が話は簡単なんだが万能でもない。
私見としては
・設備容量の大小に応じて買い上げ単価に差を付けて、様子を見る
に一票。小規模でも載せたい方々には申し訳ないことになるかも知れないけれど、最初はたぶんマンパワーが足りない&まず量を稼いで価格低下を速めたい、との判断を含みます。それでも小さい設備への配慮を要求する声が強ければ、追加策を検討。
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あと買取期間が終わった後についても決める必要あり。
最初の10年で初期投資が回収できていれば、あとは余剰電力を安めの固定価格(条件にもよるけど12円/kWhぐらい?)で買い上げるのが無難かと。
なお、「初期投資を出して場所提供して保守もする」分に見合った利回りは必要。そうでなかったら制度の意味なし。
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現場だからこそわかることの周知、まずはグッジョブだと思います。
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・昨日の新聞広告の件を報じた記事(中日新聞)[毎日新聞] 早速ツッコミが。…あの数字をそのまま使われても、結局は恥をかかれるだけと思います。
「王様は裸だ。」
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・東京電力・清水社長へのインタビュー記事(毎日)…短いけど、こうやって真面目にコメント頂けるだけでも嬉しい。
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・経済産業省による総合施策発表…2020年時点の経済効果なども試算…安全側に振った試算かな。
・電気料金に占める費用も明示へ…ザルな制度にしないために明示は必須。費用は今でも電力料金に含まれているけど、明示されていなかった。
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・風力も加えてくれと秋田の団体(河北新報)…日本海側は特に日照量が少ないから、地理的に風力やバイオマスの方が向いてる。ちなみにドイツでも似たような状況があって、風力・バイオマス・太陽光などそれぞれの関連産業の多い州からその技術の普及促進の要望が強く出されるそうな。もちろん電源構成のバランスとかいろいろ考えないといけないんだけど。
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・あと太陽光発電業界からもなんかオフィシャルな声明とかないんかなぁ。謎。まぁ動きはいろいろあるから、それが答えとも言えるけど、やっぱ声明欲しいなぁ。
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・一方アメリカは連邦レベルではRPSで目標設定、州レベルではFITや長期契約義務づけの動きが目立つようだ。…日本も目標値重要なんだが。それも「余裕でできるような目標」じゃ、技術革新は生みにくい。自動車の歴史が示す通り。
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・景気回復へ向けて各シンクタンクも環境を絡めた対策を提言(ビジネスアイ)。…うむ。バラマキではなく、産業育成を見据えたもんじゃないと。
☆ 歴史
・東大の学生チーム(STEP)による日本の太陽光発電の歴史まとめ…うぉすげ。わしも知らんかったぞこんなん(笑)
Written by "バカ殿"さくらぃ
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