2009-07-20 (Mon)
☆ めも
スマートグリッド関係の動きが相変わらず活発。
・スマートメーターが米国一般家庭に急速に普及中(GTM)。昨年末に4.7%だった普及率は2011年には2割近くになる見込み。
・家庭内のエネルギー管理を手がけるTendril Networks, 太陽光発電のパワコンも取り込みへ(GTM)。
・GridPoint、家庭内エネルギー管理企業のLixarを買収(GTM)。
・米国政府の融資獲得に向けて各企業が競争中(GTM)。総予算$39億ドル。
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少し前には米国のスマートメーター企業トップ10(GTM)なんて記事もあったな。
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スマートグリッドにはまだ「これで決まり」という枠組みが無い。未踏の森を、ヤブをかき分けて進むような状態だ。だけどいち早く道を造って「うちのこの技術を使えばこれだけコスト削減になります!」と商売を始め、早く普及させたヤツが勝つんじゃねぇかな。
ボケッとしてると、どんどん置いて行かれるだけ。
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・米国の連邦所有の土地における計画中の太陽光・太陽熱プロジェクトが合計97GW分に。BLMによるアセスメントのプロセスが追いつかず、SEIAが遅れに懸念を表明(Photon)。…今まで散々邪魔してきてシュワ知事にお灸を据えられたBLMだが、動き出してからもボトルネックと化している模様。
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温暖化対策の速度を決めるのはもはや技術じゃなくて、人的要因。技術はもうあるんだ、技術は。
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・米国における太陽エネルギーの研究予算、この28年で最高の水準に(Photon)。
・2012年頃にはまたシリコン足りなくなるんちゃうカー(PV-tech)。…各社ガンガン増産してるけど、結晶シリコンのプラントは建てるまで年数かかるのがネックなのよね。その分、薄膜がより急速に伸びることになるんだろうな。
ちなみに、世界の結晶シリコンの用途は既に太陽電池用が最大用途。いわゆる「半導体グレード」はだんだんニッチ品に。
・色素増感太陽電池のDyesol、パイロット生産を開始。はえー(汗)
・イタリアでタリフ引き下げの議論進行中(Photon)。Q-Cellsは5年以内に家庭用小売り電力のgrid parityに達すると予測するが、国内産業がまだ未熟。国外の業界関係者からは引き下げの勧告がある一方、国内は動きが鈍いという状況。…国内企業にハンデつけてやる必要があるのかも知れんが、それ以前に国内産業を育てる長期ビジョンが不足してるみたいやな。
・イギリス、排出量を2020年までに1990年比で34%削減する戦略を発表(REW)。再生可能エネルギーによる発電の割合を現在の5%から30%に。
・中国Suntech、国内で計1.8GW分の供給契約に調印(REW)。…早速国内市場の整備に乗り出したか。日本の現在の年間市場規模が0.3GWぐらいだと言えば、規模がおわかり頂けるだろうか。
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まーとにかく、ぼやぼやしてると「○○の技術は日本のお家芸だから大丈夫」なんて言っててもほんの3年ぐらいでアッサリ追いつかれちゃうぞ。
これは経済戦争だよ。エネルギーを使って温暖化ガスを排出する限り、どの分野でも同じだぜ。
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今のうちに温暖化対策進めて、排出権で誤魔化さずに国内産業に投資しといた方がいいと思う。
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いつまでも寝ぼけてんじゃないですよ?
Written by "バカ殿"さくらぃ
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この際だから、次の衆院選立候補とかどうですか(ぉ
そればかりはご勘弁を(>_<)
急速にPV普及を進めている韓国で、PVの品質問題が浮上していると聞いたのだけれど、何かご存じありませんか?使っているうちに出力が大きく低下するのだとか。
韓国では数年前に中国製の粗悪品が出回って問題になってました。日本で出回ったという話は聞いてません。<br><br>学会で中国の大手メーカー(Suntech)が報告してましたが、ろくに精製もできてないシリコン原料を使ったセルが原因だそうです。今はどのメーカーも警戒していて、同種の詐欺にひっかかった話は聞きません。 <br><br>それでなくても、コストを抑えながら30年持つようなモジュールを造るにはそれなりのノウハウが要ります。車や家電と同様、粗悪品には常に警戒が必要です。
中国製品には他にも、「使ってる間に〜」どころか「ドイツに輸出するまでの間に全部壊れてしまって、怒ったドイツがコンテナに封印をして送り返した」など伝説級の話があり、油断できません。 <br><br>もちろん中国製にも良い物はあると思いますけど、日本製品に比べて買い叩かれる傾向があると聞いています。<br><br>自分たちで使って鍛えていないのは彼らの最大の弱点ですし、国内市場の整備に乗り出したのはそれも意識してのことでしょうね。