2009-08-04 (Tue)
☆ メモ
潮目。
・主要油田の枯渇は予想より速く進んでおり、ピークオイルはあと10年で来るかもしれない(Gigazine)。[元ネタのThe Independentの記事]。…いつまでもあると思うな。
・民主党の削減目標を経産相が懸念を表明(環境メディア)…確かに大変だし、技術があっても「人」がついてこれるかどうかわからん。あれだけ頑張ってるドイツでも、20年かけて26%削減だし(2010年見込み)。
かといって「全ての可能性ちゃんと調べたんかい」と言われれば産業界も返答に窮する、という所やなぁ。
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イジメすぎてもいけないし、かといってサボリすぎてもいけない。その中間にしか、日本が生き延びる道は無いと思う。
しかし現状は「サボりすぎ」なわけで、このままじゃ民主党が言わなくても「イジメられる」ことになりますわな。それは誰にとっても損な事態のはず。
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まぁとにかく、ウジウジしてないで出来ることから動いた方がよろしいかと。遅らせたり何にもしないのは、誰にとっても最悪なんで。>産業界でまだ動かれてない方々
「ボランティア」じゃダメでっせ。慈善事業ちゃいまっせ。
「金は出してやるから、きっちり仕事せぇ」という考えでないと話が進みません。
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・独ボッシュ、太陽電池メーカーを買収(日経)
・スマートグリッドに関する経産省の方の講演(環境メディア)。…面白い。
・First Solar、不況にもかかわらずさらに増産。(PV-tech)。年1.2GWpに達する見込み。生産コストもさらに低減。
・First Solar、仏エネルギー企業EDFのために生産ライン100MW分を建設することに。(GTM)。EDFは2012年までに500MWp分の発電所を導入予定。建設費は両者で分担。
・EDF EN、太陽光発電設備増備中(PV-tech)。
・独Fraunhofer、インバーターの効率の新記録(PV-tech)。99.03%。…まてやコラ(汗)
2009-08-06 (Thu)
☆ 質問に回答
市場規模とかの関連資料。
・国内生産額:光産業技術振興協会(OITDA)がまとめています。光産業の国内生産額調査結果について、2009年3月5日。年5000億円ぐらい。
・国内生産設備量:太陽光発電協会(JPEA)がまとめています。オリジナル統計。2008年度は初めて1GWpを突破。約8割が輸出。
・世界の市場動向:PV NEWSが良く引用されるほか、Solarbuzz、EPIA、Greentech Media、IEA PVPSなどがあります。IEA PVPSは更新が遅くてデータが不完全だけど無料。
あとWikipediaにもデータが。
世界の市場規模は2008年時点で約7GWp。2030年には数十倍〜百数十倍、30兆円とか50兆円とか予測されてます(EPIAなど参照)。
日本国内だと富士経済のレポートとか。8年後で6448億円。
・価格動向:欧米はSolarbuzzが125Wp以上(要するに結晶シリコンが主)のモジュールについてグラフを出してます。薄膜についても最低価格を示してる。平均は結晶で4.5ドル/Wpぐらい。最低価格は結晶2.48ドル/Wp、薄膜は1.76ドル/Wp。
日本については下記の資源総合システムのレポートが良いかと。
・累計導入設備量:IEA PVPSが良いかと。
・日本に於ける発電量:IEAに提出されてるデータは1MWp以上のメガソーラー(日本では少ない)しかカウントしてないので、使用不可。累計導入設備量から類推するしかない。
・経済効果:経産省の見積もりで2020年時点での経済効果は2〜10兆円/年、雇用規模は7〜11万人と予測。
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なおこの手のデータ集としては、日本語だとたぶん資源総合システムが出してるレポートが一番アテになる。これも有料だけど、内容の豊富さの割には安い方ちゃうかと。
☆ メモ
不況下でも動き出している。
・新エネルギー部会、買取制度案を公表(日経)。48円/kWhで、10年間。一般家庭における負担額は月30〜100円ぐらいになる見込み。負担額に関するまとめ(毎日)。
・シード・プランニング、市場動向の予測を発表(CNET)。2014年には4倍に。
・住宅メーカー各社、エネルギー関係の装備で競う(日経)。
・学校向けに参入相次ぐ(日経)…活用してください。一手間かかりますが、学校の電気代が浮く&地域経済に貢献します。
・三洋とシャープ、業績が改善傾向(産経)。
・大同メタルとナブテスコ、集光型太陽光発電市場に参入(日経)。
・大成建設、富士電機の軽量モジュールを利用した発電設備の取り扱い開始(日経)。…お値段は高めだけど、接着するだけでいろんな所に設置できます。
・船舶でも排出量削減(東京新聞)。
2009-08-07 (Fri)
☆ めも
・買取制度の詳細が提示(フジサンケイ)。燃料電池との「ダブル発電」の場合の買取水準も決着、39円/kWhに。産業用も買い取り価格引き上げ。…決まりましたか。この速さは素直に凄いと思います。
迅速な交渉、お疲れ様でした(ふかぶか)。>関係者の皆様
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これで「ダブル」の場合もシミュレーションができますな。
つか燃料電池も太陽光同様、現状では補助金があってもちょいと(?)元が取りにくいんだが、それでも売れてるのが日本って国の凄い所だと思う。
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あとは、普及させて値段を下げる。そして海外にも売る!
太陽熱も巻き返したいし、ヒートポンプ(エコキュート)も売りたいね。
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不況なんてぶっとばせ。
損をしたら、それ以上の利益をつかみ取れ。
2009-08-15 (Sat)
☆ 8割削減
・2050年までに80%削減するためのビジョンが発表に。[日経][フジサンケイ][毎日][朝日][読売]。[元ネタの環境省資料]。
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詳しく見てないけど要約(ぉ
・すんげー大変
・でも可能
・どっちみちやらないといけない
・腹くくってかかれば、ドイツみたいにむしろ儲かるかもしれない
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技術的には、このまま開発を続けていけばたぶん大丈夫。
何が大変かっつーと、「人」。ビジネスモデルが変わっていくので、人やお金の流れもそれに合わせて常に変えていかないといけない。
ある程度の悪影響が出るのも避けられない。
悪影響を許容範囲に抑えながらも、求められる速度でエネルギー需給構造や社会のルールを変えていかないといけない。
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影響は社会のあらゆる所に及ぶ。たくさんの異なる立場の人の意見を聞いて、すり合わせて行かなければいけない。そこに時間がかかるのだが、今の日本にはその時間もろくに残されていない。やれることから手を付けていかないと、経済的にも不利になるばかりだ。太陽光発電がいい見本(苦笑)。
ドイツなどはそのプロセスを何十年も前からやっていて、今は他国のいいお手本になっている。そこから学べることは多いはずだ。
☆ とりあえず
僕なりに重視してる点をいくつか。
・高速無料化はやめて欲しい。それでも排出量削減ができるという考えは、甘すぎる。たぶん世界から見れば、全力でケンカを売ってると見られる(現状でも心証悪くしてると思う)。コペンハーゲンで攻撃材料にされちまう。
・鉄鋼やセメントなどすぐに大幅削減が難しい(でも必須な)産業の場合、国際的な協調が必要不可欠。それが途上国側の重要なカードなので、タフな交渉になるはず。
その交渉を支えるのは結局は国内世論なので、温暖化(というか気候変動)に関するニセ科学や屁理屈や虚偽の情報は以下略。
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・電気自動車が早く安くなりませんか (>_<)
ドライブは好きなのよー。下手だけど。
2009-08-16 (Sun)
☆ 出演
コミュニティラジオ局の番組に出演した。去年やったサイエンスカフェの録音を流す話だったのだが、うちの広報で録っていたものは音質が悪すぎたので、即興で録り直し。それをさくっと番組にまとめる手並みが鮮やかで感心。
2009-08-19 (Wed)
☆ 講演
都内でふにふにと。おもしろかった。というか案外、事業所内での電力消費状況って調べられてないのね。
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産業向けを考えておられる方へのアドバイスなど:
・現時点では余剰電力中心の助成なので、そもそも余剰が出ない産業向けは今のところ元が取りにくい。PR用とかデータ収集用が主体。
・が、制度は毎年内容が調整されるので、そこに意見を出すのは重要。
・先だってはまず、事業所内での電力の消費状況を調べておく必要あり。これは省エネなどを考える上でも基本なので、これからは必須。
・次に、そこに太陽光発電を導入したら需給やコストがどう変わるかを見積もる。設備価格だけでなく、その後の保守とかも全部見積もる。もちろん現時点ではコストが高いはずだが、「こういう助成をこれだけ出してくれれば、うちらも採用するよ」ということが具体的に提案できるようになる。
・導入の経済的メリットは下記のようなものになる。
_→余剰電力買取の場合(自家消費と相殺できる場合)…去年みたいに電気代が上がっても、その影響を抑えられること。
_→全量買取の場合…純粋に売電収入が期待出来る(そういう買い取り額じゃないと損になる可能性もある)
_→宣伝効果
_→産業用、特に建材一体型などはまだ未熟な市場なので、ビジネスとしての拡大の余地が大きい。
・関係者との交渉もいろいろと発生するはず。みんなで金出して利用→価格低下加速→全体的な利益増やす→みんなで分配、という考え方でどうぞ。:)
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そんなことを念頭に置いて動いていただければええんちゃうかと思います。
2009-08-21 (Fri)
☆ 暖気完了
・太陽電池販売量8割増(読売)。そろそろ日本も動き出してきたね。
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新しい買取制度の詳細は新エネルギー部会やその下の小委員会で審議中。
・設置時に、従来からの補助金(国、自治体)
・電力会社のボランティアだった余剰電力買取を制度化、買い取り額アップ
・近年設置した設備も対象
枠組みは従来の延長だが(というか従来の体制もそれなりによくできていたのだ。助成水準がいまいち足りなかっただけ)、内容がだいぶ強化されている。特に、ドイツ式の固定価格買取(FIT)を一部取り入れている。
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良く訊かれるので、改めて解説しておくと
・今設置すると、設置後10年間は48円/kWhで固定。(最初の10年は下がらず、10年過ぎたら下がる)
・後年設置した場合は「最初の10年間の買い取り額」が下がる。たとえばH23年度は42円/kWhが目処。
つまり
・設置した時点で、その後の買い取り価格が決まる
・基本的に、先に設置した人の方が有利な買取条件に設定される
・設置した時点で、いつ頃までに出費が回収できるか大体の見当がつく
という仕掛け。
もちろん後の方がより自分の家に合った製品が出てきたりする可能性もある。しかし同じ製品であれば、先に設置した方が得になる訳だ。
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また国全体で見ると、
・値下がり待ちの買い控えが抑えられるので、メーカーはその分生産規模を増やし、流通も販売量を増やせる。それぞれ、人も新たに雇えるようになる。
・国全体では、生産コストや市況に応じて助成水準を柔軟に変えられる。
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効果はドイツで実証済みで、エネルギー面でも環境面でも経済面でも国益になる。そしていま日本でも、道具と役者が揃うことになる。
うまく活用して下さい。:)
☆ 今後の課題
いつも言ってることだけど、FITってのは要するに「切れる包丁」だ。切れ味いいけど、使い方を間違えればケガもする。
使い方で一番重要なのが、「走りながら改良」すること。
毎年見直しがあるので、問題があれば改善してもらい、追加したいことがあれば要望を出して加えてもらうといい。
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今後の課題に挙げられる点としては、下記のようにいろいろある。
・現状だと年度初めと終わりに集中しやすいので、年間通してコンスタントなペースで増えていくように工夫する(たぶん自治体などの補助金を毎月一定のペースで受け付けるようにすればええんちゃうかな)。
・産業用
・設備容量が小さい場合の扱い
・設備価格がやたら安い場合の扱い
・HITなどの高性能品や、新技術を使った萌芽的製品の扱い
・集合住宅
・全量買取/余剰買取 (産業用だと全量買取の方が望ましい)
このへんは関係者同士の交渉次第なので、今のうちに必要なデータを揃えて相談されたらよろしかろ。
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批判も常にあるだろう(というかある程度は必要)けど、それ以上の公益が期待できる限り、ひるまず続けて頂ければええかと。
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と言うわけで、上記のようなことをパブコメに送ったり。:D
2009-08-24 (Mon)
☆ 愛機ご臨終
6年使ったDSC-U20がついに動かなくなった。ぶつけよーが何しようがビクともしなかったのが、内部で何か壊れたようで、たまにしか起きないように。修理もダメ。なんてこった。
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鞄に無造作に詰め込んでおいて、要るときにひょいと撮り出せる指二本分の小型ボディ。でもそれなりに撮れる広角単焦点。丈夫な筐体&レンズバリア、サファイアガラス(たぶん)でガッチリ保護された液晶。何万枚撮ったかわからん。
今時の技術使えば同じ筐体で遙かに高性能なものが出来そうなものだが、これに代わる機種って無いんだよな。
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かと言って何かコンパクト機が無いと困るしな。なにか探さねば…とほほ。
2009-08-25 (Tue)
☆ 正式発表
・新買い取り制度、11/1から開始(朝日)。よっしゃぁ。2月に動き出してから8ヶ月。凄いっす。
だがこれぐらいのスピード感がなければ、他の国に置いて行かれる。恐ろしい時代だと言える。
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☆ 負けておれん
とばかりにこちらも1年引っ掛かってた案件を進めたり。お待たせして申し訳ない。現在最終チェックの段階です。
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つかなんでこの案件はこんなに長く引っ掛かってたんだ、どう考えても正当化できん。
産総研の中、もっとスピードアップせんとダメだ。この件片付いたら、今度は組織見直し作業だ。
2009-08-28 (Fri)
☆ CM
・また技術情報協会のセミナーで前座やる予定です。よろ。
・明日(29日)、安城市の「エコネットあんじょう」で講演します。続き物の講義の1つなので当日参加は受け付けてないみたいですが、市民会館で13:30〜15:30。
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その他、
・10/2-3うちの九州センター一般公開のお世話
・10/10 京都
・11/14 名古屋
・11/16 広島
・11/17 福山
とかでオープンな講演に出没予定。追って情報載せます。
2009-08-30 (Sun)
☆ 投票日
なんにせよ関心が高いのはいいことだ。
問題なのはむしろその後だ。
「投票したんだから、なんとかしてよね」という気持ちはあるだろうけど、投票しただけで終わらせてはだめ。
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投票した政党(人)であっても、ヘマをやったら正させる。怒るだけじゃダメ。
投票してない政党(人)であっても、良いことをしたら(言ったら)褒める。
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あと、いいことばかりじゃない、って覚悟を持つこと。
Written by "バカ殿"さくらぃ
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