壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2009-09-27 (Sun)

モラトリアム?

うーん。趣旨はわからんでもないんだけど…

問題の先送りじゃなくて、将来に希望を持てるような、建設的な政策をお願いしたいなぁ。

めも

カナダ・オンタリオ州が包括的なFITを導入(REW)

欧米各社が太陽電池の変換効率の記録更新を発表(REW)…戦国時代。

元祖フレキシブルCIGSモジュールのGlobalSolarも記録を更新(PV-tech)…先駆者の割にここの製品は変換効率がやたら低かったのだが、ここへきてようやく一般的な記録に追いついてきた模様。

ドイツ太陽光発電メーカー団体、中国メーカーのダンピング提訴を検討中(環境メディア)…助成は自国産業を鍛えるためなので、他国製品が多くなりすぎればこのような措置も必要になり得る。しかし他国との競争はより早い価格低減を促す面もあるので、むやみに輸入を制限して甘やかしすぎてもいけない。サジ加減が重要なので、ドイツがどう対応するかは興味深いところ。

インド・タタグループ、フレキシブルCIGS太陽電池に投資(REW)。2500万ユーロ。…やっぱり来やがった。パイロットラインが建てられる額やな。数年前に相手したときに「今から太陽電池の生産に参入するには相当の度胸が要りますよ」と念を押したんだが、動じる気配が全然無かったんだよな。太陽光の中でも今一番未開発の市場に目を付けるあたり、良く勉強もしているようだ。

_

・「25%減」を宣言したことで国内の議論が活発化。経産相。削減が進まないと、セメント業界鉄鋼業界にしわ寄せが行きやすい。

まだちゃんとシナリオ出てない段階で言うのは難だけど、たぶんこんな感じで対応することになるんじゃないかな:

_◇前置きその1:排出量削減技術の導入は、加速度的なペースが基本。毎年一定の導入量では、コストが下がりにくく不経済になる。

_◇前置きその2:「1990年比-25%」の目標は確かに厳しいだろうが、例えばこれを5年遅らせると、以前の「2005年比-15%」の目標とだいたい同じぐらいの難しさになる。実はその程度の差でしかないし、どのみち必要とされている目標でもある。そしてこの目標ですら、通過点でしかない。

_◇前置きその3:中国やインドなど他の国もそれなりに厳しい目標を導入して貰わなければ、日本は経済的に不利になる。かといって彼らも対策を進めねばならないので、日本の技術が欲しい。その交渉がこれから待っている。

_◆目標達成時期を多少遅らせて、その分は排出権などで埋め合わせる。もっとも、最初からこれをアテにするのは危険だし、少なくとも公式にはそんなことはおくびにも出さない方がいいだろう。

_◆その余計な排出権の分は、対策技術・製品の輸出で稼ぐしかない。また目標達成の時期も、可能な限り早くする。

_◆大口排出産業の負担が過大にならないように配慮する。その代わり、可能な対策技術の開発を全力でやって貰う(そうしなければ、どのみち生き残れないだろう)。

_◆旧来のエネルギーのコストや今後のリスクを精査して、削る。

ほかの関係者からも意見がいろいろ出てるけど、議論も拒否するような酷い意見はさすがに鳴りを潜めたね。

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これから中国やインドとのタフな交渉が待ってるので、国内で泥投げ合ってる場合じゃない。コペンハーゲンまで、あとちょっとしか無い。

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九州電力のモンゴルの風力発電所、運転開始(環境メディア)…温暖化対策で既に負担をしているのが電力会社だ。排出量削減には分散型エネルギーの導入が必須だが、それは国内の発電ビジネスがその分減ることを意味する。これはある程度は避けがたい(気の毒だけど)。それを補うためには、分散型の技術を利用して何か新しい商売を始めるのが一番手っ取り早い。

ガス各社、太陽熱温水器を共同開発(日経)

G20、化石燃料への補助の段階的廃止で合意へ(環境メディア)。

削減費用

削減費用の現時点でのシナリオに対する安井先生のツッコミ(日経)…現時点のシナリオは、どれも「できる限り妥当性を追求した」というにはほど遠い。

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俺からも例としてひとつだけ指摘しておくと、少なくともエネ研のモデルの太陽光発電の試算は、”現状の数十倍普及しても全く値下がりしない”想定で計算されている。これは開発途上の工業製品として、明らかに不自然な想定だろう。その一点だけで、20兆円ぐらい余計に見積もられていると思う。

そういう「価格低減無視」の想定は他のモデルにもあるので、どうもこの一連のシナリオの前提条件自体がおかしかったように見える。

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そんな調子なのに、これらのシナリオの数値を掲げて「ダメだダメだ」と声高に主張する方は、ブラフでやっているのだろうか、本気なのだろうか。

いや何かのブラフだとしても、却って自分の首絞めてるように見えるんですが。

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…たぶん「それなら何でもっと早く妥当なシナリオを作らなかったんだ」という意見が出るはずだけど、それは少なくとも現政権の責任じゃない。現政権のせいにする人がいたら、その人は意図を疑われても仕方がないと思う。

また仮にここで「妥当な」シナリオが既にあったとしても、それを今すぐ公開するのが国益に適うかどうか、正直俺にはわからん。

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ただひとつ言えるのは、諦めるにはあまりにも早すぎる、ということだ。

まず、なるべく正確な地図を買え。話はそれからだ。


Written by "バカ殿"さくらぃ
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