2009-10-03 (Sat)
☆ 原理解説
うちの九州センターの一般公開の応援。長年の試行錯誤の末、ついに小学生に「よくわかった!」と言って貰うことに成功。よっしゃ。
☆ おすすめ本
書店でふとみつけた、ユーザー発の解説書。
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太陽光発電 設置してわかったこと困ったこと(CELC(クリーンエネルギーライフクラブ)/高橋真以子)
基本的な解説からトラブルネタの紹介まで書いてあって、お勧め。
導入前はもちろん、既にユーザーな方々も一読されることを推奨。
2009-10-05 (Mon)
☆ 20年の遅れ
・日本の目標達成には排出権が10億トン分必要か、ドイツ試算(読売)…自国でまともに計算するより先に、他国に発表されてしまうとは。恥辱の極み。
ともあれ、一つの目安にはなりますな。国内対策への投資でこれを上回る経済的利益を出すか、それとも他国にお金を払って頼んでしまうか。
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国内対策も排出権購入もそれぞれ一長一短なので、うまく使い分けないといけない…のだがなぁ(ため息)。
☆ めも
・イタリアの関連産業界FITの助成額調整を検討中(PV-tech)。5〜30%低減、カテゴリもきめ細かく。…妥当な線やな。
・インジウムの残り量も心配無し(PV-tech)。使える資源が無視されてきただけ。つかCIGSの生産量、2012には早くもGWpを超える見込みとか(汗
・太陽エネルギーへの投資、引き続き旺盛(PV-tech)
・対策の具体化を指示(環境メディア)…ようやくまともな試算が出てくるのかな。
たとえば太陽光以外の再生可能エネルギーについては(いや太陽光もか)、価格の見通しや資源量などの調査すらおざなりだった。少なくとも、この2月までは。
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・環境税(温暖化対策税)の議論開始(環境メディア)。地方環境税の提案は面白いな。
・米上院、05年比20%減の方針(環境メディア)
・世界の温暖化対策(適応策)、年最大8.9兆円必要(日経)…年間最大8.9兆円の市場。緩和策じゃなくて、適応策の方ね。
・ zonnecellen [>Inの残り量心配無し それはもしや、薄膜Siへの死亡宣告では・・・。 Centrothermoが大喜びしそうな情報..]
・ さくらぃ [や、どうでしょ。a-SiもCIGSもそれぞれ棲み分けるような気がしますけどね。 CdTeもNRELが2050年ぐらい..]
・ zonnecellen [薄膜Siモジュール、悲惨なほど売れてないみたいです。CdTeと比べると、$/Wpが同じで、効率が低いわけですから、バ..]
・ さくらぃ [薄膜Siが競争激しくて大変なのは同意しますが、そこまで悲観的に決めつけるのも変だと思いますが。 ・どうせ今の市況..]
・ さくらぃ [しかし小学生向けに作られたスライドの類って無いんですねぇ(汗)困ったな…。 映像としてはNHKが先日「こどもニュース..]
・ zonnecellen [興味のある小学生向けなら、原理の説明や工作実演は結構効果的なんですが、クラス全員相手に学校の授業の一環として、となる..]
・ さくらぃ [うーん。CIGSのターンキー、パイロットライン規模のは出てるという噂は聞きますが。100MWp単位での生産が始まるタ..]
・ zonnecellen [薄膜はどっちにせよ、しばらくはCdTeの独占状態でしょう。Teが足りなくなってから、CIGSか薄膜Siということにな..]
・ さくらぃ [警告の必要性はあっても、断言しちゃうのはやっぱり変ですがな。あなたが世の中全てを把握している訳ではないので。]
2009-10-07 (Wed)
☆ ぼそっ
御手洗さん、この期に及んでまだ逃げ腰みたいだなぁ。逃げられない問題だ、という認識が出来てないんちゃうか。
少なくとも俺の知る限り、逃げ道ないんやけど。いつまでも「むずかしい」「検討が必要」とか言ってるだけじゃ、何も解決しない。
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具体的なシナリオはともかく、問題から逃げずに立ち向かって欲しいんやけどなぁ。体裁を取り繕ってる暇なんかもう残されてなくて、がむしゃらに取り組まないといけない状況だと思う。
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とかゆーてたらIEAも最低でも現状比22%減らせとか。
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つかツッコミを受けたが、「温暖化対策」じゃなくて「排出量削減」が焦点なんだよな。排出=負債、なので。
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そういう視点で日本をみると、借金増やした上に初回の返済を踏み倒しそうで、その上「返済は難しい」とか偉い人が公言してる状況…だよね。
純粋にビジネス的な観点からみて、それって取引相手としてどうなんやろ。
2009-10-09 (Fri)
☆ 訪問販売トラブル
・太陽光発電設備の訪販トラブル急増(Yahoo)。経産省や国民生活センターが啓発。…むぅ。あまり多いようだと、資格制度とかつくることになるかも知れんな。
重ねて言うけど、「即決厳禁」「合い見積もり必須」でお願いします。JPEAさんでもそのへんのアドバイス集つくってもらえないかな…さすがに研究所のサイトで扱えるネタじゃない(汗
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あと太陽光に限らず太陽熱とかエコキュートとかエネファームとかエコウィルとか断熱工事とかでも同様の事態が発生する可能性があるわけで、一般向けにそういう情報をまとめてくれるメディア(雑誌?)があると嬉しい気が。政策的にもっと市場が安定しないといけないかも知れないけど。
☆ CM
しまったこっちで書くの忘れてた。
・今日(10日)、京都で公演…もとい講演やります。お気軽にどうぞ。
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あとオープンなものでは11月に名古屋・京都・広島・福山・山口・鹿児島の予定がありまする。
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よろしくですー。
2009-10-10 (Sat)
☆ 雑誌の例
ドイツだと書店の雑誌コーナーに普通に「再生可能エネルギーで暖房しよう(Heizen mit Erneuerbaren Energien)」なんてムック本があったり、「家と暖房(Haus&Heizung)」で太陽光発電が扱われたりしてますね。
写真の最下段。前回何冊か買ってきたので、どっかにまだ持ってるかも。
2009-10-12 (Mon)
☆ めも
・カリフォルニア、助成制度に住宅向けのFITを追加(PV-tech)。[NASDAQ]。「使える手段は全て使わなければならない」とシュワ知事。…かつてFITの原型とも言える法律を導入した地。
・Dow Chemical、建材一体型の製品を発表(PV-tech)。…BIPVは太陽光発電の市場でも最も未熟、そして未開発なカテゴリの一つ。そこにさらにCIGSを持ってくる。それを許す投資環境がある。
・ホワイトハウス前で今年もSolar Decathlonが開催(PV-tech)。…挑戦者を育てる土壌の一つ。
・2020年に15%の導入目標へ向けて邁進する中国(REW)。…GW単位のプロジェクトが目白押し。
・日本で波力発電の試験プロジェクトが始動(REW)。[フジサンケイ]。イギリスも調査に力(REW)。
2009-10-14 (Wed)
☆ ぼそっ
相談を持ち込まれたり。えーと。まだそういう人達がいるのね。日本のエネルギー供給、ほんとどうなっちゃうんだろ。
この期に及んで屁理屈がまかり通ってるようでは、全然”間に合う”気がしない。”ハードランディング”になるんじゃないか。
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排出量削減の交渉は、たぶん下記が鉄則だと思うです。
・人の足ばかり引っ張るの禁止
・ネガティブなことばかり考えるの禁止
・隠し事や屁理屈禁止
そんな消耗戦やってても、たぶん却って損だから。
それが最適と思ってる人は、自分が本当に状況の変化について行けているかどうか、今からでも手元の情報の信頼性を洗い直した方がいいと思うです。
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これ、勝ち負けじゃないんですよ。殆どの関係者が何らかの負担をするけど、頑張れば何らかの形でそれ以上の利益が得られるような、そんな仕組みにしないといけない。(意図的に頑張らない人は、知らん。)
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つか、マジで日本もドイツみたく「合宿」やった方が良さそうな気がするなぁ。
関係者を一同に集めて、数日カンヅメで議論して貰うの。んで、それを間を置いて何回か繰り返す。
とにかく本音でやり取りしないと、時間と労力ばかり浪費しちゃうと思う。
2009-10-18 (Sun)
☆ まめちしき
・日本は2007年の時点で約21兆円をエネルギーの輸入に費やしており、輸入総額の約3割を占めている。2000年は約2割だったのが、増加傾向にある。
・GDPとの対比でも、2000年の時点では1.7%だったのが、2007年は4.0%まで増えている。
財務省貿易統計より、ナフサや潤滑油などの非エネルギー用途と思われる製品を除くとこれらの数値が得られる。
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・国際エネルギー機関(IEA)や米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は、10〜20年のうちに原油価格が恒常的に100ドル/バレルを超えるようになる可能性が高いと予測している。たとえば ここ のFigure29。
☆ 流星群
・NOZさんとこより10/21頃にオリオン座流星群が極大、活発な活動が期待される。時間があったら見上げてみるか。
2009-10-27 (Tue)
☆ 36→22万円
・実は22万円でした…計算ミスを認めるのはいいんだけど。それ以前に、その22万円というのは
_・このまま後先考えずにCO2ばんばん排出して
_・化石燃料や排出権の価格も上がらなくて 訂正:ある程度考慮されてはいるそうだ。ただ、それを補う新産業の貢献が殆ど算入されていない(現行モデルの限界)。
_・日本の各種製品の輸出なども減らなかった
場合と比べて所得の増加分が少なくなるだけで、実は排出量を削減した場合でも家庭の所得は今より70万以上増えて経済成長もする想定になっている。
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もちろん想定通りに行かない可能性も十分考えられるし、世界の中で日本だけがむやみに排出量削減を進めても、経済的に不利になる場合はあり得る。だがこのまま何もしなければ、それよりずっと損ではないのか?
このまま排出量削減について行けなければ、日本の各種製品の輸出は減るのではないか。化石燃料の利用にかかるコストが増えるのではないか。
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損得が客観的に評価されない現状のままでは対応が遅れ、世界の中で日本が経済・産業面での変化に取り残されそうだ(というか、既に取り残され始めている)、というのが僕の率直な感想なんだが、如何か。
その状況でいつまでも「22(36)万円減ります」だけを強調するのは合理性を欠いていると思うんだが、如何か。
2009-10-30 (Fri)
☆ 必要なもの
・削減の相談、産業界側の代表は?…なんとなく、先日の「朝まで生テレビ」で桝本晃章さんが産業界代表として出ておられて、すげー格好良かったのを思い出した。
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この話、突き詰めていくと結構ヘビーな話になる。
あまりにでかい話で、マジどーすんだこれ、という気分になる人も多いんじゃないかと思う。実際、俺も勉強してる途中で何度もそう思った。
そこで必要なのは、知識だけでなく、常にどんと構え、かつ思い切った決断を下せる肝っ玉かも知れない。
その上で、
・どのみちやんなきゃいけない
・相応の負担も手間も避けられない
・でも出来る限り急いだ方が、経済・産業的に結局はお得
って認識さえ共通で持っていれば、あとはその負担や利益をどう分け合うか、っつービジネスの話に落とし込めるだろうと思う。
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そもそも一番ヘビーな話になるのは、「全く排出量削減が進まず、考え得る最悪のケースを辿った場合」だ。この場合の損失は排出量削減の負担なんかメじゃないような、D級SF映画みたいに酷い話になるはずだ(たとえば去年みたいな原油高騰が続いた場合を考えれば、少しは実感できるだろう)。「排出量削減をしない」のは、経営判断としてありえないだろうと思う。
Written by "バカ殿"さくらぃ
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