壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
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2010-03-03 (Wed)

買い取り負担額参考額

ドイツの場合、2008年の一年間で約45億ユーロ=6000億円弱をかけてる。太陽光・バイオマス・風力でほぼ三分。人口は日本の2/3なので、日本だと9000億円弱に相当する。水準自体は合ってると思う。

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日本の電力はここ暫く新規投資額を絞ってきたけれど、再生可能エネルギーやスマートグリッドなどの導入に伴い、また投資額を増やす必要性に迫られている(買取制度の強化も、この一環と見なせる)。この際に新しい設備を国産するのか輸入するのかは、国の貿易収支や国内の景気、そして各種関連産業の競争力に直結する。電力網への投資額は年間数兆円規模で、その影響力は全く馬鹿にならない。

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ドイツの場合、現状でも経済的に元が取れており、雇用も増えている。負担を和らげる各種施策も入っていて、産業界も積極的だ。ただ彼らはここまで20年以上掛けて、この大がかりな「新しい産業が育つ仕組み」を構築してきた。日本を含め、他国はそれに速攻で追いつく必要に迫られているのが現状だ。

それも毎年数割増なんて速度での成長が見込まれる産業なので、とにかく速さが重要だ。速さに、今後の日本の経済・エネルギー・環境が懸かってる。

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最初から完璧な制度なんて無いし、技術も市況もどんどん変わっていく。たぶん走り始めてからも「ありゃ、こうしとけば良かったな〜」というところが絶対に出てくるはずだ。そういう時のためにも、とにかく関係者が本音でさくさくやり取りして、すぐに対応を取れるようにしとくのが肝要だろうと思う。ビジネスライクに。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

匿名希望 [電子情報通信学会誌で太陽発電の特集ですね]

平山 滋 [初めまして! 拙ブログの『お気に入り』に登録させて戴きました。 http://blogs.yahoo.co.jp/..]


2010-03-12 (Fri)

CM

また宣伝忘れてた。明日、川越市でやります。

PV-NETさんのイベントの一環。なんか案内PDFが破損してるっぽいので下記に。

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第8回埼玉地域フォーラム『これからどうなる?太陽光発電』

3月13日(土)10:00〜16:00(講演受付:12:30 開始13:00〜16:00)、川越市市民会館、無料

・太陽光発電相談会(12:00〜16:00)

・パネル展示(川越市中央図書館 10:00〜16:00)

・屋外デモ(市民会館駐車場 10:00〜16:00)

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実際に使ってる方々が主催のイベントなんで、色々訊けまっせ。B)

私は13:00から1時間ほど喋ります。

お気軽にどうぞ〜。


2010-03-24 (Wed)

コメント

全量買い取りPTから様々な選択肢が発表に。 (3/25追記)元ネタの資料はこちら。様々なオプションがある。

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国全体で捉えると、これによってエネルギーにまつわる産業構造をだんだん変えていく速度が決まる。リスクも負担もあり、またどのみち避けられない。既に世界に比してビジネス的に出遅れている状況だけれど、それをどこまで取り戻せるのかがこれで決まる。

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目的としては、枯渇性燃料の調達や炭素プライシングにまつわるリスクを減らしつつ、国内の関連産業を育てる(&輸出もする)のが主眼となる。これには蓄電や、いわゆるスマートグリッドの技術なども含まれる。

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速度を速めること自体は、技術的には比較的容易だ。むしろそれに合わせてビジネスモデルを変え、人を育てたり異動したりするところで時間が必要になる。それが真の「負担」だとも言える。さらに厳しい国際競争にも生き残る必要があり、決して甘い話ではない。

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しかしこれによって、例えばバイオマスや風力で地方の雇用創出を促したり、農林業・治水での相乗効果も得るなど、新しい利益も期待できる。一つ一つは小さいが、たくさん集まることで馬鹿にならない利益も期待できる。また、そうなるように制度を運用・活用することが求められる。

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なおクギを刺しておくと、

・実際に自分たちで使ってない技術は、海外で信用が落ちる。

・日本だけは特殊という言い訳は、海外でそうそう通用しない。(柔軟性に富む)地熱や水力資源が比較的豊富な点で、むしろ有利とも言えるから。

・”屁理屈でdisっても日本語なら大丈夫”という考えも、古い。今時のライバル達は日本語の情報もきっちりチェックしている(僕ごときの講演でも、ライバル達は本国からチェックに来ていた)。「あいつら国内じゃこんなこと言ってますぜ」とかやられたら、ビジネス上のダメージは免れないだろうと思う。

僕はせいぜいこのクビ一本分しか賭けられないけど、もしも経済界がいつまでもネガティブなことばかり言ってるならば、それはビジネス的に非合理的だと思う。

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”負担”の規模が大きい分、期待できるプラスの効果もまた大きいはず。年何割もの勢いで伸びる市場でビジネスを掴み、同時にエネルギー安全保障・環境リスク低減・地域活性化等の利益も狙えるはずだ。

新しい物にリスク(或いは負担、コスト)は付きものだけれど、それを上回る利益を引き出すように活用して頂ければ、と思う。

追記

(3/25追記)元ネタの資料も早速掲載されたようだ。様々なオプションが示されているし、この他にも細部で色々要望があるだろうと思う。それはストレートに表明された方がいいと思う。

ただ、下記のような点は考慮された方が結局はお得だろう。

・今は市場の変化速度が速いので、”化かし合い”に時間を割いていると損。関係者間だけでも良いので、なるべく率直なデータをお互いに見せ合って議論すること。

・極力信頼性の高いデータや情報を参照すること。話がうまいだけの情報に惑わされないこと。

・関連技術の開発状況をなるべく詳しく調べること。数年後の価格や市況が、それなりに読めるところまで。

・旧来のビジネスモデルに固執せず、変化の可能性に常に留意すること。

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個人的には、幾つか前提条件を置いた上で A2-B2-C1-D2-E2-F1-G1-H1 あたりがお勧め。

前提は、

・C1:既設分は”開始前の買い控え防止として合理的な範囲”のみ

・F1:炭素税等他の制度と組み合わせてバランスを取ること。

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また、この制度だけで済む話でも無い。排出量取引とか各種助成とか炭素税とか途上国市場拡大への(政治的)対応とか、他の施策も絡んでくるわけで。国全体の負担と利益のバランスを見ながら、「対策パッケージ」を構築していく必要があるかと。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

dai [パチパチパチ。的確なコメントでしょう。]


Written by "バカ殿"さくらぃ
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