2010-04-03 (Sat)
☆ CRUメール盗難事件、決着
昨年末に気候変動研究者達のメールが盗み出され、批判のネタに使われた事件について。英国議会の公式報告書が出ている。
_
要約はこちら。その要点は下記。
・イーストアングリア大(UEA)の気候変動部門(CRU)に対する一連の批判は、殆どが不適切である。データの開示要求について、CRU部門長のPhil Jones氏が、中傷目的であると判断したことには同情できる。
・私的なメールに見られた"トリック(trick)"や"減少を隠す(hiding the decline)"などの口語表現は、人を欺く企てを意味するものでは無かった。また、Jones教授が査読の仕組みを壊そうと試みる内容でも無かった。論文に対する研究者の私的なコメントまで、批判されるべきでは無い。
・生データの開示については、UEAにそのような開示を拒む文化があることが分かった。しかし速やかに公開していれば、騒ぎはここまで大きくならなかったであろう。この点は改善を求める。
_
--------------
要するに、一部の人間が主張したような”陰謀”を示す証拠は何も無かった。盗み出した連中が「これが証拠だ」と主張していたメールは、実は何の証拠にもならないものだった。この懐疑論者達は私的なメールを盗み出して勝手に公開した上、事実無根の嫌疑をかけたわけだ。
_
攻撃対象にされたCRUによる解析結果は、他の全く独立に調査された複数の報告とも良く一致している (UEAによる反論)。彼らによる反論を待つまでもなく、その事実は当初から指摘されていた。CRUがおかしなことをしていないということは、当初から容易に見当がつけられたはずだ。それを探してさえいれば。
[ツッコミを入れる]
Written by "バカ殿"さくらぃ
[利用上の注意]