壊れたら直そう日記


さくらぃ(櫻井啓一郎)の私的な日記です。なお、最近はもっぱら[ついったー] を使っています。一覧はこちら(twilog)
2004|08|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|09|12|
2012|01|02|04|06|10|11|12|
2013|01|04|08|12|
2014|01|12|
2015|01|12|
2016|01|12|
2017|01|
はやぶさ2計画絶賛応援中


2012-06-14 (Thu)

経団連米倉会長のコメントにつきまして

6月13日付けの記事にて、米倉会長のご発言として下記の様な批判が報道されました。どのような文脈でのご発言なのか、どこまで正確なのかは分かりません。しかし報道された限りでは、技術的もしくは論理的に不適切な内容と読めます。以下、不適切と思われます点を指摘させて頂きます。

----------

・「再生可能エネルギーは質的に劣る電力だ」

→「質」がコストを指したご表現でしたら、今後の化石燃料とのコストの見通しと比較します限り、非合理的な表現です。

→「質」が太陽光や風力の不随意性を指した表現でしたら、それでも実用になりますため、普及を否定される理由にはなりません。

→ 2012.10.10追記:こちらで実際のデータを幾つかご紹介しています。既に産業用電力価格については、再生可能エネルギー普及によるメリットが生じています。

そのような曖昧かつ全否定的な表現が許されるのでしたら、利用を訴えておられる原子力についても、同様の批判を許してしまいます。

----------

・「それ(再生可能エネルギー)に依存するようなエネルギーの供給体制が果たしてありうるのか」

”100%を再生可能エネルギーで”、という意味でしたら、現時点でそれを前提にするのはリスクが高すぎると思われます。一方で電力の数割程度のシェアでしたら、十分に現実的、かつ経済的にも合理性があるものと存じます。

→他国での実例としましては、例えば現時点で下記の様なものがあります。

・ドイツ:電力の20%(2011年)

・スペイン:電力の23%(2011年)

→日本での検討例としましては、例えば環境省による見積もりがあります。

遺憾ながら調査不足、もしくは詭弁を基にしたご発言と推察されます。

----------

・「所得の高い一戸建てに住む人が買い取りをしてもらい、そうでない人に電力料金を払わせる。平等の原則に照らしてどうか。」

→本来の固定価格買取制度は、市民発電所や屋根貸し等の形態も可能で、誰でも好きな額で参加できるものです。先行したデンマークやドイツ等では、普通に用いられています。

→日本でこれまで戸建てに事実上限定されてきましたのは、普及促進側の本意ではありません。それを批判されるならば、矛先は意図された所とは違う方々に向かうものと推察いたします。

→本年開始される全量買い取りで初めて、こうした市民発電所等が現実的になります。戸建てに限定されていることを批判しながら新制度を否定されるのは、論理が矛盾しています。

→もしも市民発電所のような形態まで批判されるのでしたら、それは現在の資本主義自体に対する批判となります。

問われるべきは買取額が高すぎるかどうかであって、制度形態そのものまで否定されるのは論理的に矛盾となります。

----------

・「買い取り価格の設定根拠も不明」

→これは市場データの調査不足に起因します。しかしそれに最も苛立っているのは、当の普及促進側の方々と存じます。助成水準が高すぎても安すぎても、それを明確に批判する根拠となるデータが足りないからです。(私も苛立っている一人です。念のため。)

→その市場データの不足を批判されるならば、今まで十分に調査してこなかったことが責められますし、その矛先はむしろ身近なところに跳ね返るのではないでしょうか。

→その一方で、先行している国々に対して全体に買取額が高めなのは確かです。「高すぎ」と客観的に断定まではできなくても、比較されることで”そこまで甘くする必要が本当にあるのか”という指摘をされること、また”そこまでお金を出すならばこういう努力をせよ”という要求を出されることが現時点では重要と思われます。

→今後は具体的な市場データが集めて公開され、それを論拠に買取水準の低減を迫れるはずです。しかしその際は、トコトン合理的な指摘が求められます。ご意見に非合理的な論理が紛れこんでいますと、却って交渉が困難になると危惧いたします。

----------

・「数年で直す必要がある」

走りながら制度を手直ししていく必要があるのは多くの関係者が認めるところですが、それには合理性が求められます。これは現時点でのご批判にも、今後の見直し作業についても言えます。

→非合理的な批判を根拠として制度の改定が行われるならば、それは日本に対する投資リスクを高めます。結果として、助成制度の費用対効果を悪化させてしまうと懸念されます。

日本経済にとって好ましいのは”数年でハイさよなら”な投資よりも、中長期にわたる投資や技術開発の誘発です。それを踏まえたご発言をお勧めいたします。

------------

・批判対象に想定されている方々が非合理的な理由を用いられていても、それと同じ穴のムジナにならないで下さい。

・一部の欠点のみを持ち出して長所まで否定されたり、矛盾した論理を用いられるのは、遺憾ながら詭弁に属します。詭弁は時間と労力を浪費し、結局は国益を損ないます。

・買取制度は、あらゆる場面でバランスが必要になります。極論のみを持ち出すことは、結局は損です。

・バランスを取るために必要なのは情報ですが、残念ながら現時点では断片的な情報しかありません。またその責も、推進側のみに帰すことはできません。

・事故を踏まえて原発との比較に議論が向きがちではありますが、再生可能エネルギーの普及に際して真っ先に比較されるべきは、化石燃料です。毎年20兆円前後にも達している化石エネルギーの輸入額から考えれば、少なくとも今後10~20年程度のスパンでは、再生可能エネルギーの普及ペースは、本質的には原発の状況に左右されないもののはずです。感情的な議論に、流されないで下さい。

-------------

生意気なことを書きましたが、お役に立てば幸いです。

返す刀で

上記の私の書き込みの一部は、「再生可能エネルギー」を「原子力」に置き換えると、別方面の方々に対する助言になるかも知れません。

どんなに嫌っておられても、デマや詭弁は御法度ですよ。(ぼそ)

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
さくらぃ (2012-10-10 (Wed) 16:21)

具体的なデータを伴わず、勝手な想像だけで人を批判される書き込みはお断りいたします。


Written by "バカ殿"さくらぃ
 [利用上の注意]