2012-10-10 (Wed)
☆ メモ
ドイツにおける太陽光発電や風力発電のリアルタイム出力を示すサイト:
・EEX(European Energy Exchange)(太陽光、風力、その他)
出力予測が公表されており、関係各社はそれに合わせて電力需給計画を立てられる。
・SMA(太陽光のみ)
すでに日によっては正午頃、太陽光が国全体の電力需要のほぼ半分をまかなうこともあるそうです。
☆ メモ2
・ドイツにおける太陽光発電の平均導入費用は18万円/kWを切っている。これは日本の日照条件に直すと、11円/kWhの発電コストに相当する。
(利子抜き、考慮する稼働期間が20年間、パワコンの更新費用が4万円/kWとして 22万円/kW ÷ 1000kWh/年/kW ÷ 20年 = 11円/kWh 。利子考慮で上がる、寿命30年等で計算すれば下がる)
・FITによる買い取り価格も、13.5~19.5ユーロセント/kWh(14~20円/kWh程度)まで安価になっている。しかも10MW以上の大規模設備は買取対象から外れている(既に助成不要)。
・ドイツにおける昼頃の電力取引価格は、2007年からの4年間で平均4割安価になっている(独語だが、PDFの5ページ目)。
・ドイツの産業用電力価格の値上がりはここ11年の平均で毎年2.5%程度。また近年は値下がり傾向で、ここ6年はインフレ率以下。またドイツにおける産業用のベースロード電力価格は、12ヶ月連続でフランスやスイスよりも安価になっている。(最新の状況は、EEXの毎月のプレスリリースで確認できる。)
・ドイツが輸入してる電力量は、2010年時点で最終消費量529TWhに対して、輸入分43TWh(IEA Electricity Information 2012より)。数%のオーダーでしかない。
・再生可能エネルギーの普及費用が家庭用電力価格に占める助成費用分は2012年時点で3セント強/kWh、約2割(P.18、"EEG"の項)。1/3近くが支持できる額として年100ユーロを挙げ、年間負担額はそれを超える115-150ユーロに。これを国民の約8割が支持。別調査では許せる上限額として48%が月20ユーロ(年間240ユーロ)を挙げる。
・これが2013年からは5セント強に上がる。引き上げ反対が8割、また51%が高すぎるとの意見。その一方、それでも8割はEEGを支持(変更無し2割、変更有り6割)。(ここの一番下のPDFに元データあり)
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その他、ITMediaの記事もご参考になるかと。
2012-10-23 (Tue)
☆ 太陽光発電のLCAのデータ
・エネルギー収支(EPT,EPR,EROI等々)やCO2排出量については、こちらの解説 をご覧下さい。
原料採掘・精製・設備製造から廃棄まで全て含めても、人為的に投入したエネルギーやそれに伴うCO2排出は、1〜2年程度で元が取れます。
20〜30年利用する間に、同じ量の化石燃料から、火力発電で燃やしてしまう場合に比べて10倍以上の電力を生み出します。
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・リサイクルについても、設備の大部分がリサイクル可能で、既に将来に備えた基本技術開発やガイドライン策定も済んでいます。日本では各メーカーや既存のリサイクル・処分システムで処理されていますが、欧州では専用のリサイクルシステムも稼働しています。
こちらの シンクタンクによる関連情報のまとめ 等がご参考になるかと思います。
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その他の環境影響についても、一通り検討が済んでいます。
例えば、世の中にはカドミウムを使った太陽電池もあります(日本では販売されていません)。
しかしライフサイクル中に環境に放出される量はごくわずかで、しかもその大部分は製造等に使った火力発電によるものです。
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遺憾ながら上記のような事柄に関し、さも実用性が無いかのように論じる、誤った情報も流布しているようです。
しかしそのような主張は上記でご紹介したような科学的報告と矛盾しており、またその合理的説明も見当たらないようです。
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こちらも、ご参考になるかも知れません。
Written by "バカ殿"さくらぃ
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