2013-04-28 (Sun)
☆ ドイツにおける石炭のシェア
”増えている”という主張を流している方がおられるようなのですが、IEAの最新の報告書で2011年までのデータを見る限り、むしろ減っています。厳しく言っても「横ばい」まででしょう。
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上図では、2012年のデータは入っていません。2012年はたまたま風力の発電量が少なめだった上に原発も何基かまとめて廃止された直後で、確かに2011年比では石炭(+褐炭)が1.6%増えています。(←BDEWデータ追記。pompoco65さん感謝) ですが最初の図の右側のグラフで言えば10TWh程度で、これまでの長期トレンドをひっくり返すような規模ではありません。
また北米でシェールガスが増えたために石炭が安くなり、そのために石炭の消費量が増えた要素もあるようです(参考記事:Grandpa_marさん感謝)。が、これもいつまで続くかは不明です(たとえばIEAはWEO2012にて、米国のガスもまた高くなるというシナリオをおいています)。
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少なくとも、これだけを論拠にこれが中長期的トレンドだと思わせるような主張は不適切でしょう。
少なくとも彼らの長期見通しでは石炭火力も大幅に減らしていく(2050年までにほぼ全廃する)ことになっており、これが覆されたというような話は、私は耳にしたことがありません。
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そう期待される方は、居られるのかも知れませんが。
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Written by "バカ殿"さくらぃ
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